郊外のパン屋さん巡り。 今行くべき大注目のパン屋さん5軒。【埼玉】こだわりの天然酵母ベーカリーとは?
今、埼玉に注目のおしゃれパン屋さんがいま増えているとか!ちょっと足をのばして、こだわりのパン屋さん巡りをしてみてはいかが?
1.自家製酵母が生きる、地に足のついたパン。〈畑のコウボパン タロー屋〉
春は桜、夏は桃、秋は巨峰、冬はリンゴ……。四季の果物やハーブから液種を起こし、発酵させる。パンが季節の香りをまとい、旬の素材と組み合わされてハーモニーを奏でる。たとえば5月ならバラ酵母のフリュイ。むせぶようなバラの香りと宝石のような果物たちのフレーバーはうっとりするほど美しい。売り切れ必至の人気店だけにオススメはお取り置き。HPでその日のメニューを確認し、メールか電話で事前予約することができる。
予約はHPを参照。
カンパーニュやコンプレなど素朴な表情の大きなパンが並ぶ。
2.パンもケーキも手に入る、贅沢パティスリー。〈アングランパ〉
パティスリーにパンがたくさん!? 麦の粒を取り寄せ石臼で自家製粉するなど力の入れようがハンパではない。カリカリのバゲットからは麦の香りがあふれ、パンドミはミルキーな香りとなめらかな口溶け。クロワッサンは豊潤なバター感。「バゲットだけは本気でやりたかった。クロワッサンはフランスのお菓子屋さんのものをイメージしています」と丸岡丈二シェフ。ケーキ屋さんとパン屋さんのいいところをクロスオーバーしている。
ケーキ屋なのにたくさんのパンが並ぶ店内。
3.ハイセンスな空間で、天然酵母のパンを。〈LIFEAT〉
大宮からほど近い盆栽の街、土呂。白で統一された気持ちのいい空間に木の長いテーブル、そこにパンが置かれる。店主の鈴木伸一さんは、自家培養発酵種の名店〈ルヴァン〉出身で、北海道を経て独立。だから、発酵種のパンと北海道産小麦を得意とする。注目はカンパーニュ。大きくなまこ型に焼いて量り売りするから水分が中にこもってしっとりとした仕上がりに。好きな厚さで買えて、形も一定なので、サンドイッチにもしやすい。
JR東北本線土呂駅から徒歩2分。駐車場も完備。
大きく、細長く焼いたカンパーニュを量り売り。
4.京都の超名店のパンを埼玉で引き継ぐ。〈みやび亭〉
京都・宇治にある全国から客が押し寄せる名店〈たま木亭〉。そこで修業を終え、「亭」の一文字を継いだ店が埼玉にあるという。京都でしか食べられなかった師匠譲りのパンに興奮。たとえば、硬焼きバターは、かりかりの皮、さっくりとした中身から、バターがとろりと溶け出てくる。じゃがジューシー200円も然り、じゃがバターからバターの甘い汁がとろける。カツサンド350円のカツのぶ厚いこと! どれもこれも、サプライズの連続。
東武伊勢崎線羽生駅から徒歩約15分。駐車場も完備。
5.わざわざ訪れたい、埼玉のパンの名店!〈cimai〉
桜並木に立つ白いキューブ。ドアを開くとブロカントのしつらえに、乙女じゃなくともテンションが上がり、幸福な気持ちになる。アンティークの木のテーブルに置かれたパンの美しさ。素朴でごつごつとした温かい褐色のパンは姉・大久保真紀子さんが焼いた天然酵母のパン。白さを感じさせる美意識の高いパンは、妹・三浦有紀子さんのパン酵母(いわゆるイースト)で発酵させたパン。東京から少し遠いけれど、ここに来て後悔したことは一度もない。
営業日はHPを確認。
古い木のテーブルが陳列台。カンパーニュ(1 g=1.1円)や黒糖くるみ720円(各税込)など自家培養の種で焼いた美しいパンにうっとり。
(2017年8月1日ムックHanako food掲載/photo:Kentaro Kase text:Hiroaki Ikeda
edit:Kayo Yabushita)