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代官山、目黒の人気カフェのオーナーたちが語る「いいカフェ作り」に欠かせないもの

代官山、目黒の人気カフェのオーナーたちが語る「いいカフェ作り」に欠かせないもの
代官山、目黒の人気カフェのオーナーたちが語る「いいカフェ作り」に欠かせないもの
FOOD 2024.08.05
ここ数年で新たな人気カフェを生み出した、代官山のカフェ〈Sputnik〉のオーナー・伊藤瑶起さんと目黒のカフェ〈PARLOR NOON〉のオーナーの吉田健太郎さん・康太郎さん兄弟はともに1990年代生まれ。SNSを活用しながら、スタンダードなカフェカルチャーも重んじる彼らが考える「これからのカフェ」について語ってもらいました。
photo_Takuro Shizen text_Uno Kawabata

カフェトレンドを担う、次世代の店主対談

代官山〈Sputnik〉オーナーの伊藤瑶起さんと目黒〈PARLOR NOON〉のオーナ吉田健太郎(写真右)・吉田康太郎(写真左)
伊藤瑶起
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いとう・たまき/1994年生まれ。代官山〈Sputnik〉オーナー。2024年7月頃に新店舗〈Laika〉を東松原に開店予定。

吉田健太郎(写真右)・吉田康太郎(写真左)
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よしだけんたろう・こうたろう/1992年と1994年生まれの兄弟。目黒〈PARLOR NOON〉のオーナー。「DINER」の屋号で、飲食店のブランディングなども手がける。

吉田健太郎
吉田健太郎(以下、健)

(伊藤)瑶起とは、ちょうど〈Sputnik〉が出来たときに出会いました。今では週に2〜3回くらいのペースで会って、よく仕事の話もする仲です。

伊藤瑶起
伊藤瑶起(以下、伊)

「1階にある〈Sputnik〉と、2階にある〈PARLOR NOON〉では、お客さんに対しての表現の仕方が違う」と3人でよく話すよね。僕がオープンのときに目指したのは、休憩の10分の時間にエスプレッソ一杯でも気軽に立ち寄れるようなお店。だから店内はオールスタンディングにして、誰もがふらっと入りやすく、受け皿の広いお店にしたかったんです。代官山の地を選んだのも、渋谷や恵比寿などのターミナル駅に来たときに、ついでに顔を出せる場所になればと思って。〈PARLOR NOON〉はどう?

吉田康太郎
吉田康太郎(以下、康)

〈Sputnik〉と反対で、2階にある〈PARLOR NOON〉はわざわざお客さんに階段を上ってドアを開けてもらうための目的が必要。だから、なるべく来店の目的となるメニューや店内で、非日常感を演出しています。でもやりすぎると、消費されてお店が長続きしなくなってしまうので、バランスが難しいね。

吉田健太郎

僕たち兄弟は幼少期をボストンとフロリダで、学生時代をNYやロンドンで過ごしていて、そのときに通ったカフェやダイナーでの外食体験が、今のお店作りに活きている気がします。その点、ほとんど海外経験がない中で〈Sputnik〉を作り上げた瑶起はすごいと思う。

伊藤瑶起

僕が影響を受けたのは、大学生時代に週に5回以上通っていた〈コーヒーハウス ニシヤ〉。店主・西谷恭兵さんの動きや店作りをずっと観察していました。それでもオープン当初は「ヨーロッパに行った経験がないのに、カフェを営んでいても大丈夫なのかな」という不安もありましたね。でも去年初めて行ったパリのビストロで、さまざまな国からインスピレーションを受けた一皿が出てきたときに、そのカルチャーミックスが面白いと思ったんですよ。フランスだからってクラシックなフレンチばかりを食べているわけではない。自分もわざわざヨーロッパに寄せたスタイルのお店を作るのではなく、自らの個性を出しながら、東京らしいお店にすればいいと思えたんだよね。

吉田康太郎

それは〈PARLOR NOON〉も同じ。海外に行った際に吸収した文化的側面を、どう編集して自分たちのお店に落とし込むかが、いいカフェ作りの鍵かも。

吉田健太郎

今はSNSを見て来るお客さんが多いというのも、重要なポイントだよね。

吉田康太郎

〈PARLOR NOON〉では、机の色を珍しいミント色にすることで、「ミント色の机=〈PARLOR NOON〉」と拡散されればいいなと思った。でも、そういう〝商業的な戦略〞ばかりだと息の短いお店になってしまうことも事実。照明にはオランダのホテルで使われていたライトを配して非日常感を演出したり、〝文化的なコンセプト〞と掛け合わせることが長くお店を続けられる工夫だと思う。

伊藤瑶起

SNSが台頭して情報があふれ返っている今は、ユーザー側も様々なものを見ているし、視点の幅が広がっている。そんな中で、自分の原体験をどう編集してアウトプットするかが、これからのカフェに問われているんじゃないかな。

Elements of Sputnik

1. お客さんとお店が仲良くなる距離感

Sputnikの店内

カウンターは、スタッフとお客さんが話しやすい高さと幅に。小柄な人でも少し背伸びすれば届くようにしたのもポイント。

2. デザートひとつでもお客さん目線で

Sputnikのスイーツ

チーズケーキは2人でシェアできるよう半分に切って提供。コーヒーと合わせるのはもちろん、胡椒をかけて白ワインのお供にも。

3. 世界的なカフェでのバリスタ経験

Sputnikのエスプレッソマシン

世界的なエスプレッソカフェ〈ポール・バセット〉の新宿・渋谷の両店舗でバリスタやサービスを担当した伊藤さん。その経験を活かす。

Elements of PARLOR NOON

1. 扉を開けるとそこにはほかにない非日常感

PARLOR NOONのメニュー表

メニューにも記されている通りコンセプトは「SHORT TRIP HOUR(小旅行の時間)」。非日常感を味わえる空間作りを意識している。

2. 兄弟間でカフェ経営の役割を分担

PARLOR NOONのエプロン

デザイン・ディレクションは兄・健太郎さんが担当。弟の康太郎さんは経営面を担うなど、2人の間で役割を分担している。

3. 商業的なメニューとクラシックのバランス

PARLOR NOONのスイーツ

見た目のかわいさを重要視したメニューがある一方で、定番も必ず用意。マーガレットレモンタルト790 円、チーズケーキ790円。

Sputnik
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住所:東京都渋谷区恵比寿西2-18-6
TEL:なし
営業時間:11:00 ~24:00
定休日:無休
Instagram:@hi_sputnik
オールスタンディング
一番人気はチーズケーキ800円。ワインはグラス1,000円~。

PARLOR NOON
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住所:東京都品川区上大崎4-3-7 目黒駅前ビル2F
TEL:なし
営業時間:12:00~17:30、18:30~22:30
定休日:無休
席数:18席
Instagram:@parlornoon_2f
国内外での経験を元に店作りをする。

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