激レア!〈パティスリィ アサコ イワヤナギ〉の岩柳麻子さんが作るおにぎりとサンドイッチ

FOOD 2024.04.28

気鋭のパティシエール〈パティスリィ アサコ イワヤナギ〉の岩柳麻子さんがもしもおにぎりとサンドイッチを作ったら?そんな妄想を現実に!編集部からの「今本当に作りたいものを自由に作ってください」というオーダーに対して、どんなものを作ってくれるのでしょうか…?

INDEX

岩柳麻子さんが作るスモークサーモンと山椒クリームチーズのおにぎり

岩柳麻子さんが作るスモークサーモンと山椒クリームチーズのおにぎり

岩柳さんが作ったおにぎりのポイント

1. 米が回っている状態で炊くことが大事です。
母は圧力鍋派だが、私はル・クルーゼ派だった。最近、土鍋派に。蓋がボコボコして中で米が回り出したら、弱火にして炊きあげる。

2. 素材はできるだけ上質のものを。
スモークサーモンは店でクルミチップで冷燻したもの。鮭のほろほろ感が好きなので焼いて使用。半生でOK。塩鮭でももちろん可。

3. おにぎりは具だくさん派。サーモンもチーズもたっぷりと。
色と香りを添える実山椒は旬の時期に青い状態で冷凍しておいたもの。サーモンとチーズと山椒の相性のよさよ。すごい発明。

材料(約4個分)

  • 米…1.5合
  • スモークサーモンの切り身…2切れ
  • クリームチーズ…適量
  • 実山椒(生)…適量
  • 塩…適量
  • 焼き海苔(全形)…1枚

作り方

ピカピカに炊けたご飯を100gとり、軽くほぐしたサーモンと、山椒を加えたチーズをのせて、軽く握る。塩と山椒を手にのせて再度握り、片面にも塩をふる。
ピカピカに炊けたご飯を100gとり、軽くほぐしたサーモンと、山椒を加えたチーズをのせて、軽く握る。塩と山椒を手にのせて再度握り、片面にも塩をふる。

① 米は洗って10分浸水させ、ざるにあけて10分おく。土鍋に米を計量して入れ、同量の水を加えて超強火にかける。蓋がボコボコしてから弱火にして6分45秒炊いて火を止め、10分ほど蒸らす。

② 260℃に予熱しておいたオーブンにスモークサーモンを入れ、250℃で約5分焼く。スモークサーモンなので半生でよい。皮を除いてほぐしておく。

③ 実山椒は包丁で粗く刻み(一部はそのまま残しておく)、クリームチーズと混ぜ合わせる。

④ ボウルに①を約100g 入れ、②、③を適量のせ、少量のご飯をのせる。

⑤ ④を軽く握ってから、塩と実山椒をつけて再度握る。4等分に切った海苔をコンロで軽く炙り、巻く。

岩柳麻子さんが作るハムとチーズとバターのサンド

岩柳麻子さんが作るハムとチーズとバターのサンド

岩柳さんが作ったサンドイッチのポイント

1. 風味を良くするためバケットはリベイクを。
バゲットは店のスタッフが焼いたブドウ酵母のもの。バターとチーズに挟まれた自家製のハムと一緒に嚙むほどに味わい深い。

2. ハムは少し厚めに切り、軽く折りたたんで挟む。
ハムは店でも使用している自家製。市販品なら、できるだけ上質のものをチョイスして。ロースハムがぴったり合う。

3. チーズはお好みで。ただし、バランスは大事。
チーズはグリュイエールでもエメンタールでもよい。チーズ、ハム、バターの塩分を考えて、味のバラハムは少し厚めに切り、 ンスをととのえる。

材料(約2個分)

  • バゲット…1本
  • エシレの有塩バター…適量
  • 厚切りハム…適量
  • グリュイエールチーズ…適量

作り方

バゲットはオーブンで2~3分リベイクし、皮1 枚分ぐらい残して開く。乾燥しやすく、色が変わりやすいので、バターもチーズもハムも挟む分だけ切る。
バゲットはオーブンで2~3分リベイクし、皮1 枚分ぐらい残して開く。乾燥しやすく、色が変わりやすいので、バターもチーズもハムも挟む分だけ切る。

① バゲットはオーブンでリベイクする。長さを半分に切り、中央に切り込みを入れて開く。

② バターを厚めに切る。ハム、チーズを好みの厚さに切る。

③ ①に②をバター、ハム、チーズの順に挟む。

岩柳麻子さんのおにぎりとサンドイッチができるまで

超すご腕パティシエール、岩柳麻子さんにサンドイッチだけならともかく、おにぎりも教わることができるなんて、うれしすぎる。繊細に構築されたクリエイティブなお菓子を次々と生み出す人である。どんな驚きのおにぎりを教えてくれるのだろうか。

ところが、「究極の塩結びも考えたんですけど、シンプルに鮭のおにぎりに」とおっしゃる。あら、ちょっと期待外れかと思いきや、巧みなワザが生かされた〝新しい世界〞を見せてくれたのである。

「この企画のために、おにぎりを作る練習を10合以上したんです」と岩柳さん。えーっ。ありがとうございます。

まず、素材とその組み合わせに唸った。米は岩柳さんの母の故郷、秋田の「あきたこまち」。

「撮影だから、特別に献上米を取り寄せました」。鮭は何とスモークサーモンの焼き鮭。そして、青々と美しい実山椒とクリームチーズをカップリングして具材にする。「スモークサーモンとクリームチーズは父が大好きだった昭和の味。それをおにぎりに入れたら、令和の味になった、なんてね」

作り方もユニークだ。材料はすべて、きっちりと計量する。米の浸水から炊き時間など、タイマーをセット。ご飯は1個分ずつ計量。握るにもアサコ流が炸裂する。このきっちり感は、パティシエールならではの感覚だろう。そうやって握った、おにぎりのおいしさがとんでもなかった。

サンドイッチも素晴らしい。パンはおいしいバゲットをリベイク。ポイントはバターだ。エシレのバターを贅沢に分厚く切る。そこにおいしいハム、そして塩分強めのグリュイエールチーズ。「サンドイッチはバランスが命。ハムの塩気が強いなら、チーズは塩味の少ないモッツァレラにするとか、変えてください」。すぐに乾燥するから、切りおきなどしない。いちいち、切っては重ねていく。ハムはふわっと折りたたんで。

究極のシンプルサンドながら、究極のおいしさ。すぐにでもマネしたい。

photo_Ayumu Yoshida text_Michiko Watanabe edit_Marie Takada

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