# Miyako Island Gastronomy ゆったり、宮古島。最先端の料理が揃う、美食の島。 FOOD 2023.04.08

豊かな漁場に囲まれ、温暖な気候を誇る宮古島では今、島産食材を生かしたレストランもひしめいている。島出身のシェフ・渡真利泰洋さんの案内で美食の旅へ。

島ならではの新鮮な素材と〝カオス〟な文化が融合する。

「小さな島にもかかわらず、クオリティが高く最先端の料理を提供する店がいくつも揃っている。食の面でも宮古島は稀有な場所です」
そう話す渡真利泰洋さんは、伊良部島のレストラン〈エタデスプリ〉で、イノベーティブな沖縄料理「琉球ガストロノミー」を提案してきた、諸島を代表するシェフの一人だ。
「強みは、中心部が食材の産地から近いこと。山がなく小さな島なので、魚であれ野菜であれ新鮮なまま運んで料理ができるんです。近年では、島の海産物を生かしたお店を開業する県外からの移住者も増えています」

立ち並ぶ店はフレンチからイタリアン、メキシカン、中東や多国籍料理まで、実に多彩なジャンルを誇る。
「琉球諸島は、琉球王国が450年間育んだアジア色の強い文化を基本に、日本本土やアメリカの影響も受け、混沌とした文化を育んできました。ゆえに食文化もエキゾチック。様々な文化の片鱗が詰まった〝カオス〟な食を体験してもらえたら」

uewasora(ウエワソラ)

素材が引き立つ繊細なエスニック。
渡真利さん率いる〈エタデスプリ〉で研鑽を積んだ小笠原純平さんがシェフを務める多国籍料理店。イソットというトルコの唐辛子が効いた、多良間島産黒豆のフムスや、今朝獲れたばかりのイシガキダイに、レバノンでラブネと呼ばれるヨーグルトソースをあしらったカルパッチョなど、地元の食材とエスニックとの掛け合わせが面白い。

BISTROT PIERROT(ビストロピエロ)

クラシックなフレンチを島の食材で。
宮古島初のフレンチビストロとして2014年にオープン。シェフの髙野貞人さんが10坪ほどの店内で提供するのは、7皿からなる日替わりのコース料理(11,000円~)。近海で獲れたばかりの旬魚のグリルには、ヴァン・ブランという白ワインソースやシェリービネガーソースなどのフレンチで定番の仕上げを施すことで、クラシックな要素を大切にしている。

Fish taverna sambo(フィッシュ タヴェルナ サンボ)

魚への愛が詰まった究極の漁師料理。
ミーバイやナンヨウブダイ、ワモンダコなど島ならではの魚介類を用いた料理が楽しめるイタリアンレストラン。シェフは、時に自ら海に潜り銛(もり)で魚を突く桑田登さん。魚にストレスを与えず仕留める漁法にこだわったカルパッチョ(1,870円)や、海水だけで調理をするアクアパッツァ(2,500円)など、魚介類のポテンシャルを最大限生かしている。

ワインと洋食 Tin(ティン)

大人も子供も楽しめる丁寧な洋食。
築50年の古民家をリノベーションした落ち着きのある空間で洋食とワインが楽しめる。3時間炒めた玉ねぎを使ったコクのあるハンバーグ(1,480円)や、ビーフシチューなどの調理過程で余った肉を半日以上煮込んで作られる宮古牛コロッケ(380円)など、いずれも手間をかけて作られたものばかり。座敷席もあり家族連れも多い。

島ビストロ メリメロ

肉も魚も、島の魅力をごちゃまぜに。
2021年オープンのフレンチビストロ。店名の“メリメロ”はフランス語でごちゃまぜの意。その名の通り、宮古島産のあおさをふんだんに使ったバターソースをかけた島魚のポアレから、宮古牛ミスジ肉のグリエまで、魚も肉も野菜も、島の食材の魅力をぎっしり詰め込んだ豊富なメニューが持ち味だ。

photo:Koichi Tanoue edit:Emi Fukushima

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