年代問わず愛され続けるプロダクト。 手に馴染む使いやすさが魅力。「柳デザイン」にこだわる町のカフェ4軒
プロダクトデザイナーの柳宗理を知っていますか?彼がこの世を去って6年、いま再び柳プロダクトを使う店が増えています。使いやすく取り入れやすい美しさが人気の理由です。
1.日本茶のスピリットに合う普遍的なデザイン〈すすむ屋茶店 東京自由が丘〉/自由が丘
鹿児島の老舗お茶問屋の4代目・新原光太郎さんはカフェを始める際、デザインに注目した。調理用具やカトラリーには、「シンプルで飽きのこないデザインが、お茶の普遍性に通ずる」と柳プロダクトをセレクト。お茶を淹れるやかんや餡を温める片手鍋、レードルなどを集めている。
ぜんざい(750円)には「本日のお茶」付き。餡をすくう道具に柳宗理の「アイスクリームスプーン」を選んだ。
湯呑みや茶筒、急須などの茶具は、職人と共作したオリジナル。
コンパクトな店内には、無駄のない柳デザインが似合う。
〈すすむ屋茶店 東京自由が丘〉
■東京都目黒区自由が丘1-25-5
■TEL03-6421-4142
■10:00~19:00 第1・3水休
■4席/禁煙
2.家庭からプロの厨房まで活躍の幅広さを実感。〈UNDER BLUFF COFFEE〉/山手
元町の人気ベーカリー〈BLUFF BAKERY〉が焼き菓子の厨房を独立させ、昨年9月にカフェを開いた。店主の栄徳友紀さんが選んだのは、家庭で愛用するボウルやカトラリー。使ってみるとボウルは、縁の巻き込みが少ないことを発見した。
スプーンやナイフなどが柳プロダクト。
店舗デザインは大阪〈graf〉出身のデザイナーが手がけた。
〈UNDER BLUFF COFFEE〉
■神奈川県横浜市中区上野町1-8
■TEL045-264-8059
■8:00~18:00 無休
■13席/禁煙
3.プルプルの生寒天を口の中へするりと運ぶ。〈天豆〉/築地
店主の藤田圭子さんが柳のカトラリーに出合ったのは、開業前の勉強で食べ歩きをしていた時。スプーンの口当たりの良さに魅了され、即決した。看板の品の天まめ(880円)は、自家製“生寒天”に黒豆、白福豆、赤えんどう、あんこをのせた滋養たっぷりの優しい味。「サラダ感覚で」と添えられたピクルスを箸休めに、食事がわりになるボリュームだ。神津島産の天草を店内で煮出し、ミネラル豊富な生寒天に。
あんこも煮豆も黒蜜も手作り。
三重〈廣永窯〉の器を愛用。
〈天豆〉
■東京都中央区築地2-8-1 築地永谷タウンプラザ107
■TEL03-6264-0782
■7:00~19:00 日休
■6席/禁煙
4.いつものコーヒーショップに実は柳デザインがありました。〈上島珈琲店 神楽坂店〉/飯田橋
全国に111店舗展開中の上島珈琲店に、柳のプロダクトがあるのは驚きだ。「日本の喫茶文化」を表現するため、柳のカップ&ソーサーや家具をそろえている。優しい丸みがリラックスする空間にぴったり。
カップ&ソーサー、カトラリーは全店で使用。ネルドリップブレンドコーヒー(M)400円、ジャマイカンラムボール290円。
一部店舗には柳の椅子が。
■東京都新宿区神楽坂3-2 木村屋ビル1・2F
■TEL03-5227-3955
■7:30( 土日祝8:00)~22:00( 日祝~21:00)
■83席/分煙
(Hanako1152号P44.45掲載/photo : Kenya Abe text : Kahoko Nishimura)