ときめく!スイーツ大賞【2021年後半】 2021年スイーツ業界の動きは?スイーツエキスパートが伝授する『新時代のキーワード』
大きくうねる時代の中で、スイーツ業界の動きもさまざまに変化しています。新たなスタイルや取り組みなど、審査員の言葉から、新時代のキーワードが浮かび上がりました。
1.レトロスイーツ流行の次は、フェイクスイーツ!
硬いプリンやメロンソーダなど、ついついシェアしたくなるビジュアルでも人気を集めてきたレトロスイーツ。その後を追うのは、“フェイクスイーツ”だという。プリンの形をしたチーズケーキや、練り切りのようにアレンジされたボンボンショコラなど、見るものを欺く仕掛けが楽しい。SNS映えはもちろん、手土産にしたら話のタネになるだろう。「今コンビニで人気を集めるのはまるでプリンのようなチーズケーキなんです(シズリーナ荒井)」
2.ホテルスイーツは、ブッフェからアフタヌーンティー、そしてパフェへ。
ゆったりした空間で非日常を味わえるホテルは、この時代の大人気スポット。従来ホテルスイーツはブッフェが中心だったが、それが難しい現在はアフタヌーンティーの需要が高まる一方だ。ブームから定番に落ち着いてきた今、味重視の本格派も増えてきている。さらに今度は、一人でも楽しめるパフェに視線が集中。ホテルならではの贅沢なフルーツやハイクオリティのパーツが美しく盛られ、思わず黙々と食べたくなる。「どんどん増える小さなホテルで提供されるスイーツも見逃せません(下井美奈子)」、「おしゃれなパッケージのテイクアウトアフタヌーンティーも今後まだまだ増えそう(松本由紀子)」
3. SDGsカカオは、トレンドからスタンダードへ。
SDGs貢献度は、今や私たちがスイーツを選ぶ基準の一つに。特にチョコレート業界では顕著で、プロ愛用のブランド〈ヴァローナ〉では農園と公正な長期パートナーシップを結んだり、工場のカーボンニュートラルも達成。同じく〈ピュラトス〉でも森林破壊の抑制や児童労働の禁止などの項目を設けた「カカオ・トレース」活動に力を入れている。「地球にも優しいサステナブル食材のスイーツが増えています(安原伶香)」、「環境保護やフェアトレードの取り組みは、チョコ業界で高まりを見せています(平岩理緒)」
4.海外の素朴スイーツが、次々と上陸の予感。
2021年上半期をにぎわせたイタリアのマリトッツォや台湾のカステラは、当地ではごく素朴な郷土菓子。「海外旅行が難しい昨今、食を通して海外の魅力に触れられることを考えると、他の国のお菓子も流行するのでは」と、インスタグラマーのきょん。さん。日本国内でもおはぎが見直されているように、ほっとするスイーツが求められているのかも。「豆花やオーギョーチのような台湾スイーツが大好き。もっと流行ってほしい!(ぼる塾・田辺智加)」、「カヌレやマリトッツォの熱はまだまだ冷めないと思います(chico)」
5.チーズケーキやクッキー缶の流行りはここに!?お取り寄せ需要は止まらない!
冷凍できるチーズケーキや、形が崩れにくいクッキー缶は、お取り寄せブームの立役者。店にとっては、作りやすく発送しやすいお取り寄せスイーツは救世主となった。溶けていく過程を味わうフローズンスイーツなど、解凍を前提としたレシピの開発も。レストランシェフによる高級スイーツや、名店同士のコラボ商品など、さらなる発展が見込めそう。「毎回発売開始と同時に完売する人気店も続出。お取り寄せ需要は継続しそう(松本由紀子)」、「オンラインショップを始めるホテルも珍しくなくなりました。チーズケーキもまだ増えそう(下井美奈子)」
6.ギルトフリー、糖質オフ、あんこにも。健康志向スイーツの進化系。
食生活を見直す人が増え、ヴィーガン、グルテンフリー、ロカボなど体を気遣うスイーツの需要はますます高まる予感。「プラントベース」のスイーツは味を損なわないクオリティで注目され、ホテルからコンビニまで普及している。特に、食物繊維やポリフェノールを多く含んだあんこのスイーツは、美容業界やダイエッターからも厚い支持を受ける。「お酢を使ったフルーツ系、スイーツ系のドリンクは増えていきそう(スイーツなかの)」、「健康ニーズに応える素材を取り入れたスイーツが増え、選択肢はさまざまに(平岩理緒)」
“スイーツエキスパート”な21人の審査員。
※順不同、敬称略