6月特集「パン」 レトロなパッケージに一目惚れ!日本全国から“ご当地パン”を集めました。
高級食パンにマリトッツォなど、日々進化を続けるパン業界。しかし一方で、地方の食卓を支えてきた老舗パン店の存在も見逃せません。全国には、長年愛されてきた、“その土地でしか食べられない”パンが多数。レトロなパッケージがかわいらしい“ご当地パン”を集めました。
1.〈高橋製菓〉の「ビタミンカステーラ」。【北海道】
北海道旭川市にある〈高橋製菓〉は、初代の高橋樫夫氏が、長崎でのカステラ作り修行を経て大正6(1917)年に創業。そんな老舗製菓のロングセラー品が、北海道民なら誰もが食べたことのあるという「ビタミンカステーラ」です。
大正10(1921)年から製造を開始しましたが、現在の形になったのは、昭和30年代の前半のこと。当時は第1次世界大戦が終結し、食べ物が不足していたため、「安くて、栄養価が高いこと」を目標に作られました。学校給食用に使われていたビタミンB1とB2を入れ、地元の人たちの胃袋を支えました。
〈高橋製菓〉
■北海道旭川市4条通13-左1
■0166-23-4950
■9:00〜16:00
■土日祝休
2.〈たけや製パン〉の「ビスケット」。【秋田】
秋田県秋田市に本社を構える〈たけや製パン〉は、1951年創業。食パン、菓子パン、和菓子、洋菓子などを展開し、自社オリジナルだけで170アイテムが毎日製造されています。
創業当初から販売されている「ビスケット」は、デニッシュ生地と、ビスケット生地がツイスト状になった素朴なパン。トースターで軽く焼くことで、サックリ感が出ます。パッケージに描かれている、麦を持った女の子は「たけ子」。
〈たけや製パン〉
■秋田県秋田市川尻町字大川反233-60
■018-864-3117
3.〈かねまるパン店〉の「牛乳パン」。【長野】
長野県のご当地パンといえば、牛乳パン。厚くてふかふかのパン生地に、生クリームがサンドされたパンのことです。
店ごとに生地やクリームに特徴がありますが、なぜかパッケージが似ていると話題になりました。牛乳パンのパッケージの元祖が、1952年創業の木曽町〈かねまるパン店〉。パッケージに描かれた愛らしいイラストは、同店の大橋みさ子さんが息子・茂さんの幼少期の顔をモデルに描いたもので、県内に牛乳パンを普及させるなかで広く使われるようになったとか。
コーヒーの苦味とクリームの甘さの相性がいい「コーヒー牛乳パン」もお見逃しなく。
〈かねまるパン店〉
■長野県木曽郡木曽町福島八沢5354-1
■0264-22-2437
■8:00~19:00
■不定休
4.〈岡パン〉の「メロンパン」。【静岡】
1947年、静岡県掛川市で創業した〈岡田製パン〉。「岡パン」の愛称で親しまれ、製造されたパンは学校給食などでも食べられています。
こちらで看板商品となっているのは「メロンパン」。メロンパンといえば、表面に格子模様のあるサクサクとした食感のクッキー生地が定番になっていますが、岡パンのメロンパンは、昔ながらのしっとり柔らかい生地。中にはクリームチーズが挟まれていて、最後まで飽きずに食べることができます。
店舗のほか、〈道の駅掛川〉でも購入可能。
〈岡田製パン〉
■静岡県掛川市日坂174
■0537-27-1032
■9:00~18:00
■不定休
5.〈マルツベーカリー〉の「パピロ」。【奈良】
1948年創業の〈マルツベーカリー〉は、奈良県桜井市にある人気ベーカリー。店構えはもちろん、看板や照明、パッケージなど、当時からのものが大切に残されているため、レトロな雰囲気が漂います。
創業時からあるロングセラーの「パピロ」は、ふんわりとしたソフトな生地に、ミルクバタークリームが入った、うず巻き模様のパン。桜井市民のソウルフードとして、幅広い世代に親しまれています。
〈マルツベーカリー〉
■奈良県桜井市大字桜井196
■0744-42-3447
■7:00~売り切れ次第終了
■日休
6.〈ベーカリートングウ〉の「うぐいすあんぱん」。【岡山】
1928年創業の〈ベーカリートングウ〉は、岡山県総社市で一番古いパン屋さん。小中学校の給食向けパンも製造していて、市民には親しみのある味を提供し続けています。
袋入りの菓子パン「袋パン」は、昔ながらのデザイン。緑色のつぶあんが入った「うぐいすあんぱん」や、ドライフルーツ入りクリームが挟んである「フルーツロール」、生地にバターの入った「バタロール」、油で揚げた「上あん」などがあり、商品は130種類以上にもなるそう。
〈ベーカリートングウ〉
■岡山県総社市駅前1-2-3
■0866-92-0236
■8:00~18:00
■日休
7.〈なんぽうパン〉の「バラパン」。【島根】
1949年に創業した島根県出雲市の〈なんぽうパン〉。看板になっている「バラパン」は、創業当時のパン職人が「バラの花のような美しいパンを作りたい」との思いを込めて作りはじめました。
形も味もパッケージも変わらない「バラパン」は出雲ではおなじみのご当地パン。生地やクリームも昔ながらの製造方法で、巻き上げる工程も、職人が手巻きしています。1日2,000個を手作りで製造しています。
〈なんぽうパン〉
■島根県出雲市知井宮町1274-6
■0853-21-0062
■オンラインストア
8.〈オキコ〉の「ゼブラパン」。【沖縄】
1947年に沖縄県豊見城村で創業した〈オキコ〉。麺類などの製造販売もしているメーカーです。
1980年頃、当時の職人が試作した生地にピーナツクリームをサンドしてみたところおいしかったので商品化されたという「ゼブラパン」。
ボリュームのあるパン生地に、黒糖シートと粒入りのピーナツクリームがサンドされ、断面がシマ模様だったことから「ゼブラパン」と名付けられました。表面に少し焼き色がつく程度に軽くトーストして食べるのもおすすめです。
〈オキコ〉
■沖縄県中頭郡西原町字幸地371
■098-945-5020