もちもち派?サクサク派? 並んででも食べたい食パン6選!パンラボ主宰・池田さんが厳選【東京】即完売する幻の角食パンも。

FOOD 2020.03.02

ここ数年、盛り上がり続けている食パンブーム。ちょっと値が張る高級食パンをはじめ、発酵種や国産小麦にこだわった食パンや専門店も続々と誕生し、日本の食パンのクオリティは高まるばかり。今回は2月28日(金)発売「今、食べるべきパンは、これだ!進化する、日本のパン」より、全国のパン屋さんを知り尽くす池田さんを唸らせた都内の食パンをご紹介します。

1.王道だけどすべてが上質。 日常的に食べたい味わい〈ブーランジェリースドウ〉の世田谷食パン

〈ブーランジェリースドウ〉の世田谷食パン

シェフの須藤秀男さんについて、「超完璧主義者。パンに一切の乱れがない」と評す池田さん。うっとりするほどきれいな焼き色ときめ細かな断面から、そのこだわりがひしひしと伝わってくる。生地には、自家培養のホップ種を使用。「ホップのフローラルな香りが一瞬したあと、バターなどの乳製品がほんのりにじんでミルキーな味わいが広がる」。キュッとした噛み応えのあと、スーッと溶ける王道の食感も心地いい。池田さんをして、「誰もが知っている食パンの味なんだけど、食感や香り、すべてが上質」と言わしめる逸品。1斤350円。

・もちもち☆☆☆★☆さっくり
・甘み☆☆☆★☆シンプル

〈ブーランジェリースドウ〉
1カ月後の受け取り予約を、毎週1回(月もしくは火)、電話にて受け付け。
■東京都世田谷区世田谷4-3-14
■03-5426-0175
■10:00〜19:00 日月休、火不定休
■イートインなし

2.ダリの時計みたいに舌の上でグニャッととろける!〈365日〉の北海道×食ぱん

〈365日〉

北海道産の小麦粉、バター、牛乳で作るリッチでほの甘い山型食パン。「杉窪章匡シェフは余計な香りを絶対に出さない。このパンも、冷蔵庫から出したてのようなバターのフレッシュな香りがとてもキレイ。そこに、北海道産の小麦粉『はるきらり』が持つ素の甘みも重なる。素材のおいしさを活かす、揺るぎない信念と技術を感じます」。食感はサックリとして、なおかつ北海道の小麦らしいもっちり感もあり、口どけなめらか。まずは生で味わって。1斤420円。

・もちもち☆★☆☆☆さっくり
・甘み☆★☆☆☆シンプル

食パンは店頭か電話で予約可。福岡県産小麦粉と生クリーム使用の「福岡×食ぱん」などもそろう。
〈365日〉
■東京都渋谷区富ヶ谷1-6-12
■03-6804-7357
■7:00〜19:00 2/29休
■6席/禁煙

3.熟成した濃い旨みに浸れるワイルドな味わいが魅力〈AOSAN〉の角食パン

〈AOSAN〉

小麦粉は「春よ恋」など3種類をブレンド。イーストを使ったポーリッシュ法で生地を3日間発酵させ、シンプルな材料の味わいを引き出している。「手に持つと、水まくらのようなたぷんたぷん感。食べるともちもちでしっとり」。熟成に時間をかけることで、濃い旨みや発酵による酸味など、複雑でワイルドなハーモニーが生まれる。「バタートーストにすると、チーズみたいな風味に」。旨みが詰まった個性ある味わいに、心を掴まれるはず。1斤260円。

・もちもち☆☆☆★☆さっくり
・甘み☆☆☆★☆シンプル

開店直後に即完売する幻の角食パン。確実に購入するために、開店1時間前から並ぶ人も。
〈AOSAN(アオサン)〉
■東京都調布市仙川町1-3-5
■03-5313-0787
■12:00〜20:00 月火休
■イートインなし

4.バターをたっぷり塗るとさらにウマイ!〈KUKULI〉のミエル

〈KUKULI〉

自家製天然酵母と国産小麦で作る食パン専門店「。店主の南部弘樹シェフは、とんでもなく高度な技術を持つ異色の存在」と称賛。「ミエル」は、アカシアの蜂蜜と松の実を贅沢に練り込んだシュガーフリーの食パン。「天然酵母にありがちな酸味が全くなく、蜂蜜の野生っぽい香りに発酵種の香りが寄り添ってくれる。みちっとした噛み応えで、噛みしめるほど深い旨みと自然な甘みの幸せな余韻が広がります」。焼くとガリッとした歯触りを楽しめる。1斤1,300円。

・もちもち★☆☆☆☆さっくり
・甘み★☆☆☆☆シンプル

ミエルの販売本数は平日7~8本、土日10本程度。事前予約も受け付けている。
〈KUKULI(ククリ)〉
■東京都大田区田園調布2-51-7
■03-6362-8845
■10:30〜完売まで 不定休
■イートンなし

5.高級羽毛布団のような夢心地に包まれる味わい〈CENTRE THE BAKERY〉の角食パン

〈CENTRE THE BAKERY〉

高級食パンブームの火付け役といえばこちら。角食パンは、北海道美瑛産の小麦「ゆめちから」を使用。「パンの気泡がキレイで、リッチな甘さと『ゆめちから』のもちもち感が特徴的。もちもちしているけど、すっと歯切れがよくて、口の中でほどけていく」。絶妙な食感や、小麦と乳製品のバランスが秀逸で、例えるなら「歯が超高級羽毛布団に包まれているような口福感」と池田さん。厚めの耳までぬかりなくおいしい。まずは焼かずに召し上がれ。1斤900円。

・もちもち☆★☆☆☆さっくり
・甘み☆★☆☆☆シンプル

角食パンは1日850本販売。店頭販売のみで予約不可。行列覚悟で。
〈CENTRE THE BAKERY(セントル ザ ベーカリー)〉
■東京都中央区銀座1-2-1 東京高速道路紺屋ビル 1F
■03-3562-1016
■10:00〜19:00 無休(カフェ月休)
■56席/禁煙

6.トーストを噛むとパリッと響く音も!〈Pain des Philosophes〉のアサマ山食パン

〈Pain des Philosophes〉

〈ドミニク・サブロン〉出身の伝説のシェフ、榎本哲さんの店。「榎本シェフは、掟破りの手法で食べたことのない味と食感を生み出す奇才」。食パンに不向きな群馬県産の小麦粉を、3時間かけて二次発酵させ、もっちもちの食感に。味の決め手は、蜂蜜と麦芽糖。「蜂蜜が染み込んだパンケーキみたいに、食べるとジュワッと溶けだす。その感覚が心地いい」。濃厚な甘みのあと、深い旨みや複雑な香りが押し寄せ、最後の余韻までイノベーティブ。1斤630円。

・もちもち★☆☆☆☆さっくり
・甘み★☆☆☆☆シンプル

アサマ山食パンの焼き上がりは10時頃。パンの取り置きや予約は不可。
〈Pain des Philosophes(パン デ フィロゾフ)〉
■東京都新宿区五軒町1-8
■03-6874-5808
■10:00〜19:00(売り切れ次第閉店)月休ほか不定休
■イートインなし

Navigator…池田浩明(いけだ・ひろあき)

パンの研究所「パンラボ」主宰。パンライター。自称「ブレッドギーク」(パンおたく)。NPO法人新麦コレクション理事長として、日本においしい小麦を普及する活動も行う。

(Hanako1182号掲載/photo:Natsumi Kakuto text:Ayano Sakai edit:Yoshie Chokki)

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