手掛けるのは、元寿司職人や本場で修業したフレンチシェフ。 気鋭シェフが手掛けるベーカリーカフェ3軒。【東京】絶品モーニングやランチが楽しめる!
単なるベーカリーカフェと侮ることなかれ。元寿司職人や本場でフレンチ修業したシェフが手掛ける、料理に昇華された逸品の数々に舌鼓すること間違いなし。朝食やランチに訪れたい東京都内のベーカリーカフェをご紹介します。
1.〈カタネベーカリー〉
職人気質の片根大輔さんと、料理上手の奥さま智子さん。毎年家族でフランスへ出かけ、アパルトマンで暮らしてバカンスを過ごす。そこでの発見がこの店をどれだけ充実させていることだろう。フランスのパン屋のように、〈カタネベーカリー〉は早朝7時から営業する。
地下のカフェに下り、旅行気分で、「パリの朝食セット」を頼む小さな贅沢。
「パリの一ツ星か二ツ星の、安いホテルの朝食をイメージ」と、片根さんは笑う。素っ気ない食堂のテーブルに置かれるカゴ盛りのパン、そのおいしさに感動した記憶が甦る。特に謳うわけではないけれど、このパンには、片根さんのありったけの技と情熱が注ぎ込まれる。
クロワッサンをひとかじりしたとき、流れ込んでくる圧倒的なバターの香ばしさは、きちんとバターを折り込み、焼き込む、という職人仕事の積み重ねからしか生まれないものだ。
カフェで出てくる食器やカトラリーが素敵だなぁと思っていたら、隣にセレクトショップ〈アコテ〉もオープン。カタネテイストの雑貨を多数取りそろえているので、こちらも注目。
〈カタネベーカリー〉
フランスパンは7:00・10:30・16:30、クロワッサンは7:30・13:30・17:30に焼き上がる。
■東京都渋谷区西原1-7-5
■03-3466-9834
■7:00~18:30(カフェ~18:00LO) 月、第1・3・5日休
■6席(地下のカフェ14席)/禁煙
2.〈CAMELBACK sandwich&espresso〉
この店で心血が注がれていないものはなにもない。最後の一滴まで最高の抽出を狙う鈴木啓太郎さんのエスプレッソ。
具材同士のマリアージュ、口に入るときの噛みごたえ。微に入り細にわたってこだわる、寿司職人出身・成瀬隼人さんが作るサンドイッチ。
パンマニアにはうれしい、近隣の名店3軒、〈カタネベーカリー〉〈365日〉〈タルイベーカリー〉で仕入れたバゲットそれぞれに合わせた具材で作られる。
「パルマ産生ハムと大葉、ゆずとバターの香り」には王道のカタネバゲット。
「ブリーチーズ、リンゴ、蜂蜜のハーモニー」には、発酵種が香るタルイバゲット。
もはや奥渋谷名物となった「すしやの玉子サンド」。卵焼き器を縦横に操り、毎日数時間かけて焼き上げた卵焼きはまるでスフレのエアリーさ。サンドイッチを芸術に高めた。
〈CAMELBACK sandwich&espresso〉
フリーハンドで描かれたORDERの文字が。バゲットサンドはそれぞれダブルサイズもある。オーダーが入ってからトーストして仕上げていく。
■東京都渋谷区神山町42-2
■03-6407-0069
■10:00~19:00 月休
■ベンチあり/店外喫煙可
3.〈griotte Bakery cafe〉
フレンチとパンの融合を目論む、最も若い世代が小島正義シェフ。食の都リヨンでフレンチ修業をした。「食べてました。ケーキ、チョコ、パン…。二ツ星、三ツ星のレストランはすべて行きました。フロマージュブランを1ℓ食べたり」。なんという食いしん坊。この人ならまかせて大丈夫だ。
1軒でパンも惣菜もそろえ、デリとしての機能を果たす。
各種のペーストにフランス仕込みの辣腕は発揮される。にんにくコンフィとクリームチーズは、芳醇さがオリーブオイルによって引き延ばされる。ひとすくいパンに塗るだけでビストロのような食事になる。
クイニーアマンのユニークな造詣感覚。焼きこまない白いクロワッサン生地が発散する生々しいバターの香り。磯の香りを感じさせるきつめの塩と甘じょっぱくコラボする。
〈griotte Bakery cafe〉
取り置き可、地下にイートインスペースあり。コーヒー 280円、グラスワイン 600円(各税込)。
■東京都目黒区東が丘2-14-12
■03-6314-9286
■8:00~19:00 月休(祝の場合、翌火休)
■10席/禁煙
(Hanako特別編集『おいしいパンのこと、すべて。』掲載/photo : Keiko Nakajima text : Taeko Terao edit : Kahoko Nishimura)
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