本の中の京都。 京都旅行のグルメ土産に季節の漬物を。【無添加など】こだわり京漬物店3軒

FOOD 2019.10.06

春夏秋冬の区切りがはっきりとした京都では、季節ごとの野菜を保存食として味わう文化も発展。四季の恵みを長く楽しめる漬物は京都人の食卓に欠かすことができない、日常のご馳走なのです。

【春】芽吹きの時季は、スクッと伸びたタケノコやほろ苦い菜の花が食べどき。

京漬物司 林慎太郎商店 松ヶ崎漬
〈京漬物司 林慎太郎商店〉「松ヶ崎漬」500円
〈京漬物司 林慎太郎商店〉「松ヶ崎漬」500円

漬物に向く「和菜花」をご主人自ら摘みに行き、手で揉んでから塩漬けに。約2週間ぬか漬けにするという昔ながらの作り方で、1年間は保存が利く。ほろりとした苦味が、ご飯はもちろんお酒にも合う。今後は春以外の季節にも販売予定。

京つけもの 茎屋 昔たくあん
〈京つけもの 茎屋〉「昔たくあん」550円
〈京つけもの 茎屋〉「昔たくあん」550円

1本ずつ丁寧に寒干しした大根を伝統的な漬け方で仕込む。通年商品だが、味がのってくる春先に食べるのがおすすめ。乳酸発酵ならではの風味と、ハリハリッとした歯ごたえが特徴でどこか懐かしい味わい。薄切り、みじん切りもお試しを。

京つけもの 池田屋 竹の子漬
〈京つけもの 池田屋〉「竹の子漬」650円
〈京つけもの 池田屋〉「竹の子漬」650円

京都産の若いタケノコを使用。薄塩で漬けこみ、昆布とカツオ、干し椎茸を使う自家製の和風だしと無添加調味料で味を調えている。快い食感と、若竹煮を思わせるだしの香りが雅な一品。タケノコの形を生かすようにカットすると見栄えがいい。

【夏】太陽の日差しを浴びて育った夏の野菜ならではの旨みをギュッと凝縮。

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〈京漬物司 林慎太郎商店〉「浅漬・きゅうり刻み(生姜添え)」350円
〈京漬物司 林慎太郎商店〉「浅漬・きゅうり刻み(生姜添え)」350円

農家が直接届けてくれる青々としたキュウリを醤油漬けにして、新生姜の甘酢漬けと合わせた夏ならではの爽やかな組み合わせ。ポリッと小気味よい音を立てるキュウリの食感のよさが魅力。塩分控えめの優しい味なのでサラダの具にしても。

京つけもの 茎屋 玉ねぎ万願寺甘とう
〈京つけもの 茎屋〉「玉ねぎ万願寺甘とう」550円
〈京つけもの 茎屋〉「玉ねぎ万願寺甘とう」550円

契約栽培の無農薬玉ねぎを丸ごと甘酢に漬けたものと、京野菜としておなじみの万願寺とうがらしの甘酢漬けをセットにした見た目にもインパクトのある漬物。玉ねぎは細かく刻んで肉や魚のソース代わりに添えるなどのアレンジも楽しめる。

京つけもの 池田屋 とうもろこし漬
〈京つけもの 池田屋〉「とうもろこし漬」590円
〈京つけもの 池田屋〉「とうもろこし漬」590円

今夏初登場の新商品。北海道産のスイートコーンを粒をそろえたまま下漬けし、京都の料亭でも愛用されている千鳥酢と三年熟成の本味醂を用いて甘酢仕立てに。色鮮やかなビジュアルと、和洋折衷のような味わいが目と舌を楽しませてくれる。

【秋】出始めの葉野菜や根菜、ナスがそれぞれおいしい漬物に。

京漬物司 林慎太郎商店 柚子だいこん
〈京漬物司 林慎太郎商店〉「柚子だいこん」350円
〈京漬物司 林慎太郎商店〉「柚子だいこん」350円

気温が下がり始め、大根がおいしくなってくる秋から冬にかけておすすめのさっぱりとした漬物。みずみずしい大根を甘酢漬けにして、黄色く色づいた柚子の皮をひとひら添える。クセのない大根にほんのり甘酢が染みて食べ飽きないおいしさ。

京つけもの 茎屋 なす九条漬
〈京つけもの 茎屋〉「なす九条漬」500円
〈京つけもの 茎屋〉「なす九条漬」500円

京都産のナスをひと口大にカットし塩漬けにした後、米麹とたまり醤油に漬ける。麹のまろやかな甘みがナスの中まで染み込み、滋味豊かな味わい。ご飯のお供のほか、お茶うけにもぴったり。ナスの名残の季節である秋に味わいたい。

京つけもの 池田屋 きのこ白菜
〈京つけもの 池田屋〉「きのこ白菜」450円
〈京つけもの 池田屋〉「きのこ白菜」450円

鮮度抜群の白菜は一口サイズにカット。軽く煮たシメジとエノキと合わせて、無添加の自家製だしに漬け旨みを閉じ込めている。丸ごとの形を活かしたきのこの漬物は目先が変わって食卓が盛り上がりそう。だしが染みた白菜は素朴な味わい。

【冬】寒さと共に味を増す冬の野菜は、保存食にもぴったり!

京漬物司 林慎太郎商店 赤かぶら
〈京漬物司 林慎太郎商店〉「赤かぶら(刻み)」400円
〈京漬物司 林慎太郎商店〉「赤かぶら(刻み)」400円

冬になると赤い色が冴え冴えとする赤かぶら。1年間塩蔵したものを甘酢に漬け、優しい味わいに仕上げている。着色料は不使用なので赤かぶらの自然の色が楽しめ、ピンクから赤へのグラデーションが美しい断面に思わず見とれてしまいそう。

京つけもの 茎屋 撫々すぐき
〈京つけもの 茎屋〉「撫々すぐき」500円
〈京つけもの 茎屋〉「撫々すぐき」500円

上賀茂の名産品であるすぐきは、専用農家が育てたものを使用。リンゴ果汁を加えることで乳酸発酵ならではの風味を和らげ、酸味をまろやかに仕上げているのが特徴。あらかじめ刻んであり、食べやすいのが嬉しい。チャーハンの具にも使える。

京つけもの 池田屋 日野菜姿漬
〈京つけもの 池田屋〉「日野菜姿漬」650円
〈京つけもの 池田屋〉「日野菜姿漬」650円

京都・滋賀県特産の日野菜は独特な色合いを生かしつつ漬けこむのがポイント。実と葉をさっぱりとした浅漬にしてあり、どちらもおいしく味わえる。実はパリパリッとした食感、葉はほのかな苦みが特徴。京都ではお茶漬けのお供に好まれる。

〈京漬物司 林慎太郎商店〉原料の野菜作りから携わり少しずつ丁寧に漬け込む。/上賀茂

京漬物司 林慎太郎商店

京都をはじめ各地から集めた旬の野菜を手作業で漬物に加工。「開封後すぐ食べられるように」とほとんどの商品をあらかじめカットしている。全国発送可。HP、電話でも受付。
■京都府京都市北区大宮南田尻町68-1
■075-203-6084
■10:00~16:00 日休 

〈京つけもの 茎屋〉契約農家のおいしい野菜の持ち味を活かした漬物。/八条

八条 京つけもの 茎屋

「なるべく地の野菜を」と3軒の契約農家の手による有機栽培の野菜を中心に使う。ジェイアール京都伊勢丹でも全種類取り扱いあり。全国発送可。HP、電話でも受付。
■京都府京都市南区八条内田町34 
■075-691-2122
■9:00~17:00 日水休

〈京つけもの 池田屋〉準備から仕込みまで、手間を惜しまず手仕事を徹底。/山科

伝統的な漬けこみを心がけ、機械に頼らぬ手作業で漬物を仕込む。使用する調味料もすべて公開していて、安全な食への意識が高い。購入はHPや電話にて受け付けている。
■京都府京都市山科区東野南井上町5-19 
■075-581-8092
■9:00~17:00 土日休

甲斐みのり『たのしいおいしい 京都ごはんとおやつ』

(朝日新聞出版/1,200円)photo : Kenya Abe
(朝日新聞出版/1,200円)photo : Kenya Abe

京料理やおやつなど、京都の食を写真やイラストとともに幅広く紹介するにぎやかな一冊。新茶やハモなど12カ月ごとにテーマを設ける中、1月~12月それぞれの旬を味わえるお漬物のコラムも。菜の花やナスなど、京都の食卓に欠かせないお漬物は季節感も与えてくれる。

(Hanako1176号掲載/photo : Kunihiro Fukumori text : Awa☆Moriko)

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