俳優になる決意表明から5年後に叶った初タッグ。俳優・河合優実
5年後に叶った初タッグ。
俳優になる決意表明から5年後に叶った初タッグ。
『不適切にもほどがある!』から、映画『あんのこと』まで幅広く活躍。
破竹の勢いの若手俳優が、世界が注目する若手監督と出会った。
かわい・ゆうみ/2000年生まれ、東京都出身。2019年俳優デビュー。最近の出演ドラマに『不適切にもほどがある!』(TBS系)、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK)、映画に『あんのこと』『ルックバック』(声の出演)など。『八犬伝』が10月25日公開。
この人が画面に現れると目が釘付けになる。俳優・河合優実さんの最新映画は『ナミビアの砂漠』。人を振り回す身勝手な女の子役だが惹きつけられてしまう。
「自由奔放で大胆、気分の浮き沈みの激しいカナを演じるのはすごく楽しかったです」
メガホンをとったのは山中瑶子監督。監督の前作『あみこ』は河合さんにとって、あらゆる意味で運命的な映画だった。
「音楽もセリフも全てが鮮やかで、カルチャーショックを受けました。ほかの映画とは違うと直感的に思ったんです」
当時高校生。初めて観た自主映画だったが、そのミニシアターで河合さんは芝山健太監督に見出され、デビュー作の出演が決まった。進路を迷っていたけれども俳優の道を選び、山中監督には「女優になります」という、決意表明のような、いつか山中作品に出たいという思いをしたためた手紙を渡した。そして、5年後『ナミビアの砂漠』でその夢は現実となった。
「山中監督は、観たことのない映画を作りたいという精神性が強い方です。私もそうなので、共鳴したのかもしれません」
人々の剥き出しの感情があふれ、パッションに満ちた本作。けれども演じている最中は客観視する目も持ち合わせている。
「自意識をなくして生理だけで動くことはないですが、本番になった瞬間に心で感じて演じるように努めます。ただ、そのときに自分の心がどう動いていくかは説明がつかず魔法がかったところもあって、なんて面白い現象なんだろう! と思います」
演技の神様と相思相愛。河合さんの登場で映画界はさらに面白いことになりそうだ。
記憶のなかの旅・食
「先日、お仕事のケータリングにシェフの方が来てくださり、海のそばで合宿のようにしてみんなで海鮮丼を食べたのがおいしかったです。旅はイタリアに行きたいです。パスタが大好きなので(笑)」
『ナミビアの砂漠』監督・脚本:山中瑶子 出演:河合優実、金子大地、寛一郎ほか/21歳のカナは彼氏がいながら、クリエイターのハヤシに夢中。やがて自分の感情にも振り回されるようになる。カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞。
配給:ハピネットファントム・スタジオ
9月6日TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー ©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会