言いたいコト、書きたいコトバ…混じり気ナシ! 弘中綾香の「純度100%」~第69回~ LEARN 2022.02.25

ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。

(photo : Yasutomo Sampei styling : Chie Hosonuma hair&make : Miyuki Nakamura)

「趣味というか試み」

日々めまぐるしく変わるウイルスの脅威に不安を感じているのは、みな同じのはず。「いつまで続くんだろう」という心配と苛立ちを抱えながら、ゴールの見えないマラソンをただひたすら走らされているようだ。いかんせんこのゲームはいたちごっこから抜けられない様子で、私たちは更新される情報に右往左往する毎日をいたずらに過ごしている。ついこの前の原稿を書いていた時は、光が見えていたのに。あれも光のようで本当の光ではなかったのかも。こんな風に弱気になってしまうくらい、今の状況は予想を上回っている。

番組を収録するには、カメラマン、照明、音響、大道具など大勢のスタッフが必要である。出演者が多いとそれだけ演者さん周りの、メイクさんやスタイリストさん、マネージャーさんというスタッフの数も増えていくし、なんだかんだミニマムの人数としたって数十人はスタジオにいることになる。感染対策として検温、消毒や換気には細心の注意をみんな払っているけれども、人と人との接触は避けては通れぬ仕事である。したがってこのような状況では、色んな番組が収録を延期したり中止にしたりしている。今のところ私は元気に過ごしているので心底運が良かったと思うけれども、動けるのに時間を持て余しているのも何だか、頑張ってこんな中でも働いている色んな人たちに申し訳ないような気がしてくる。

そんな罪悪感を抱えつつも、自分に出来ることはじっとしていることだと言い聞かせて、しこたま本を買ってきて読んだり、配信のドラマを見たりしながらダラダラと過ごしているのだけれど、最近人から聞いて「良いな、それなら出来るかもしれない」と思った趣味というか試みに挑戦しようと思っている。それはとってもシンプルなものだ。

まず、自分が作りたいなと思う料理本を一冊手に入れる。この本は好きな料理研究家さんのものでもいいし、初心者の人はオーソドックスな料理が載っている本でもいい。その本に載っている料理をひとつずつ作っていき、一冊まるまるコンプリートするという挑戦である。聞くだけだとものすごく面倒くさそうなのだけれど(笑)、もうこの自炊生活も3年目に差し掛かろうという中で自分のレパートリーに飽き飽きしている人も多いはず。私もその一人。なんだかんだいつも買うお肉や野菜が同じになってしまうし、鮮魚コーナーに行ったとしても買うのはお刺身くらい。切り身はどうやったらおいしくなるのかわからない…、困ったら鍋ばかり…、などなど。1週間に1度の自炊なら全く問題ないのだけれど、これが毎日と来たものだから、完全にカード不足が顕著になってきた。毎日ごはんやお弁当を作っている方…、本当に頭が下がります。

そんな私が抱えるマンネリを打破してくれそうなのが、この「一冊まるごと作ってみようチャレンジ」である。あり合わせでササッと終えたい、という日には全然向いていないのだけれど(材料をそろえに買い物に行かないといけないから)、いつもの自分なら飛ばしてしまうような料理を「これはチャレンジだから」と作ってみると意外と楽しい。私は挑戦したいと思うわりにものすごく面倒くさがりなので、出来るだけ家にありそうな材料で作れる料理が載っている本を探した。横文字のハーブとか、調味料とかいきなり出てこないやつ…。すると、『土井善晴のレシピ100』という私にも挑戦しやすそうな本を見つけた。自分ひとりでは絶対に作ることのないハンバーグに挑戦し、思ったよりも上手くできて調子にのった私。あと99個…、頑張ります!

【弘中のひとりごと】
水をいれずに作る肉じゃがもすごく美味しくできました!

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