純喫茶人気は、台湾にも!? 【台湾】台南で、昭和レトロな純喫茶〈KADOYA 喫茶店〉を発見。ルーツは日本で出会った純喫茶。

TRAVEL 2019.03.13

昭和を思わせるクラシックなタイル張りの一軒家。白と赤の看板には日本語で「カドヤ」の文字が。ここは台南か?と狐につままれた気分で、いざ話題のメイドイン台南の喫茶店へ。

好きが高じて極めた、台湾のオンリーワン喫茶店。

「桑原商店」の看板を持つこの人が、マスターのクワバラさん。本名は明かさず、その名で通す。2013年に開店し、「失敗するかどうか」を考えず、好きなことをやってきたら半年後からお客さんが入り出したという。お店の裏に新たな店を製作中。もちろんクワバラさんの自作。今度はかき氷などを出したいそうだ。
「桑原商店」の看板を持つこの人が、マスターのクワバラさん。本名は明かさず、その名で通す。2013年に開店し、「失敗するかどうか」を考えず、好きなことをやってきたら半年後からお客さんが入り出したという。お店の裏に新たな店を製作中。もちろんクワバラさんの自作。今度はかき氷などを出したいそうだ。

大阪の喫茶店が一人の台湾男性の生き方を変えた。グラフィックデザイナーだった通称クワバラさん。「何か」を求め日本の語学学校へ。出会ったのは喫茶店。「マスターは個性的な人が多く、こんなふうに生きればいいんだ」と開眼した。

インテリアは台南でオーダー、写真を見ながら再現。

「結果的には割高になってしまいました」とマスター。カウンターのスツールもまさに日本にありそうだが、こちらも台南で作製してもらった。
「結果的には割高になってしまいました」とマスター。カウンターのスツールもまさに日本にありそうだが、こちらも台南で作製してもらった。
〈KADOYA〉をオープンするために再現したものが9割で、お皿やグラスだけはさすがに作れなかったので輸入したそうだ。ちょっと後悔?のクワバラさん。
〈KADOYA〉をオープンするために再現したものが9割で、お皿やグラスだけはさすがに作れなかったので輸入したそうだ。ちょっと後悔?のクワバラさん。

帰国後、夢を実現するなら台南と、洗車場跡地に、半年でセルフビルドの「喫茶店」をつくった。椅子とテーブルは地元の大工さんに再現してもらい、仕上げはお得意のデザインワークで。日本語と中国語でメニューを書き、壁には日本語のチラシを。

あくまでも「日本」を意識したデザインワーク。

グラフィックデザイナーだったマスターの実力が至るところで発揮されている。どこか日本のものとは違う白と赤の看板は手作り。
グラフィックデザイナーだったマスターの実力が至るところで発揮されている。どこか日本のものとは違う白と赤の看板は手作り。
atari_186A2968
お菓子のステッカーも、お土産のお菓子を入れてくれるショッパーも、昭和を意識したデザイン。
お菓子のステッカーも、お土産のお菓子を入れてくれるショッパーも、昭和を意識したデザイン。
外観のキャノピーも、ビニールテープを貼り合わせて自作した。
外観のキャノピーも、ビニールテープを貼り合わせて自作した。

古いレースを切ってカーテンを作り、黄色とオレンジのビニールテープを繋いでキャノピーに見立てた。

オーナーがパティシエ!スイーツも日本に寄せる。

レモンのタルト149元、コーヒーに炭酸が入っている、アメリカのコーヒー140元。このほかに、ティラミス、里芋ケーキ、レモンケーキなど生ケーキは時間ごとに変わり、テイクアウトできるメレンゲ、クッキーなどの焼き菓子なども入れて60種類ほどが用意される。
レモンのタルト149元、コーヒーに炭酸が入っている、アメリカのコーヒー140元。このほかに、ティラミス、里芋ケーキ、レモンケーキなど生ケーキは時間ごとに変わり、テイクアウトできるメレンゲ、クッキーなどの焼き菓子なども入れて60種類ほどが用意される。

でも、これだけで終わらないのがクワバラさん。「日本で語学学校のあと製菓学校にも行きました。ここのスイーツも自分で作ってます」。これはもはや彼のインスタレーションレベル。台鉄台南駅からタクシーで5分、その完成度を確認しに行かなくっちゃ。

〈KADOYA 喫茶店(カドヤ キッサテン)〉/東區

街の角っこにあるので〈KADOYA 〉。大阪で「個性的なマスター」に出会って、あれでいいんだと気が楽になったとか。まあ、確かに変わってます、クワバラさん。
■台南市東區樹林街一段36號 
■06-200-3434
■13:00~20:00(金土日~22:00) 火休 
■40席

(Hanako1170号掲載/photo : Norio Kidera text : Keiko Kodera)

Videos

Pick Up