カウアイ島へ「Go to Kauai」

てきたエディターの赤澤かおりさん。ハワイブームも落ち着いた今、でもでも
やっぱりハワイって愛おしい! と伝えたい。1ヶ月ハワイに行って感じたこ
とを集中連載でお届けします。4回目は、注目のネイバーアイランド、カウアイ
島のこと。2回にわたってお届けします。
長期滞在でハワイに行くときは、どこかの島へ数日旅することにしています。以前は、日本からの直行便でハワイ島に入って数日過ごし、それからオアフ島に移って日本に戻るというパターンでしたが、ここ数年はオアフ島に一旦入ってから「ネイバーアイランド」と呼ばれる、カウアイ島、マウイ島、モロカイ島、ラナイ島、ハワイ島などの島々を巡るようになりました。ホノルル空港から各島へはいくつかの航空会社があり、1日に20本以上の便が出ているので、ちょっとしたバス感覚で気軽に行けるんです。
今回は、4年ぶりにカウアイ島へ。ホノルル空港からは40分弱と、これまた気軽。ちょっとウトウトしたかなと思ったらもう到着です。金額は航空会社と時間帯、時期などにもよりますが、私たちが出かけた12月上旬の早朝の便で、往復で13,000円前後でした。
早朝のネイバーアイランド方面への空港の搭乗口は、人もまばらでいつもより静か。ビーサンにTシャツ、短パンの気軽なスタイルで飛行機に乗ろうとしている乗客の感じや、通路に飾られた大きなペギー・ホッパー(ハワイの女性の肖像画を描き続ける画家)の絵、レイスタンドなど、国際線方面のビルディングとはまた違ったゆるやかな雰囲気になんだかほっこり。あぁ、ハワイにいるんだなぁと実感すると同時に、ネイバーアイランドに向け、心がゆる〜くほぐされました。

あっという間にカウアイ島に到着。迎えてくれたのは、リフエ空港の管制塔のレインボーとAloha。これ、カウアイ島に行く人の間で流行りそう!
リフエの空港の〈バジェット レンタカー〉で日本から予約しておいたクルマを借り、まず向かったのは〈TIP TOP CAFÉ〉。創業1916年の老舗カフェは、横にモーテルも併設された、カフェというより食堂。空港から近いのでカウアイに着いたらまずここ、というのがいつものパターン。
久しぶりだったので、うれしくてオックステールスープと元市長の名がついた「Kunimuraスペシャル」というオムレツと、ちょっと多めにオーダー。ふわふわ卵に包まれているのは、缶詰のヴィエナソーセージ(食べ方が難しいんですが、こうしてオムレツに入っているとおいしいんです)。そこに無造作にブホッとのせられた白飯。この絵面だけで、あぁ昔懐かしいハワイ。こういうのがやっぱり大好き。こんなに食べられるかなぁと思っていましたが、意外とペロリ。やっぱり見た目は大事ですねー。食欲がそそられる!
たいした予定も立てずにぶらりとクルマを走らせ、久しぶりのカウアイ島に自分たちをなじませつつあった私たちは、いくつか懐かしいもの、カウアイらしいことに出くわしました。
ひとつは〈Hilo Hattie〉。アロハシャツやムームー、貝殻で作ったオブジェなどが並ぶ、昔ながらのハワイのお土産屋さんであり、老舗アロハシャツ屋さん。創業1963年、長らくハワイのお土産の歴史を担ってきた貴重なお店でしたが、確か2015年にニミッツ ハイウェイの大きな店舗が閉まり(涙)、オアフ島ではアラモアナ店だけが今もひっそり営業していると記憶しています。60年代、70年代にここが販売していたアロハシャツは、お土産物でありながらアロハシャツとしての趣もあり、かつハワイらしいお茶目さも兼ね備えたとてもユニークなものでした。
映画『ブルーハワイ』(1961年)では、主演のエルヴィス・プレスリーが兵役を終えてハワイに帰ってくるシーンで、店名と同名のミュージシャン(ユナイテッドエアラインのポスターなどでもお馴染み)、ヒロ・ハッティがプレスリーの彼女役のジョーン・ブラックマンとともに登場します。同名ということもあってか、その後もミュージシャンのヒロ・ハッティは、この老舗アロハシャツ屋さんでよくお見かけしてきました。そんなわけで意外と個人的に思いが深かった〈ヒロ ハッティ〉がカウアイ島にまだ存在していたことに感激! 興奮して立ち寄り、癒げ物(癒される土産物)探しに精を出しました。しかしまぁ、店内のセルフレトロさがなんとも素敵だこと!!
夕暮れどきに見かけた「Matson」とハワイの運輸会社の貨物が並んだ風景は、「Matson」と「HAWAIIAN」というふたつのロゴから古き良きハワイを思い出しました。

ドライブ中に見かけた矢印を追いかけ、たどってみるのが好きな旅仲間たち。今回は「NTBG」と呼ばれる、ナショナル トロピカル ボタニカルガーデンのビジターセンターで毎週木曜日に行われている「Aloha Market」にたどり着きました。しかもちょうどフラショーの時間! 勝手にウェルカムを感じ、なんだか涙目の私たち。気をよくしてドライブを続けていると、あれ!?またフラショーがあるみたい! カウアイってすごいねと、いい気分で話していると、横からマコトが「同じダンサーだったりして(笑)」と茶々を入れてきて、イラッとしたんですが……。なんと、本当にその通りで(笑)。毎週木曜日はカウアイの各地を同じダンサーたちがぐるぐる回っては、踊っていたというわけ。でもまぁ、そんな感じもやっぱりいいなぁと思えるカウアイ。和みました。
カウアイの宿は、ポイプ(カウアイ島南)にある〈グランド ハイアット カウアイ リゾート&スパ〉。オアフ島からのちょこっと旅なので、思い切って贅沢しました。
カウアイに泊まるときはいつもワイメア地区(カウアイ島南西部)が多かったのですが、ポイプを拠点にすると空港からも近いし、あちこち巡りやすい。
噂には聞いていましたが、1920年代から30年代のクラシックハワイアンをコンセプトに建てられた、ダイナミックに自然と融合したホテルの佇まいの素晴らしいこと! ラグジュアリーさと、ハワイらしい雰囲気をあちらこちらに感じさせる演出はさすが! 古き良きハワイを忘れることなく、現在のハワイもさりげなく取り入れた、今、一番ハワイに存在し続けてほしいホテルのスタイルに、一歩足を踏み入れた瞬間から、チェックアウトまでずーっと感動が続きました。
まずは、海に続くエントランスの開放的な空間。ドーンと海が迎えてくれる景色があまりに美しくて、言葉を失ってしまったほど。

ここは本当に何もかもがゆったり。敷地の広さはもちろん、ゲストルームの広さもこの通り。荷物の多い私のトランクを2〜3個広げても、まだまだ余裕がありそうな贅沢な造り。ファブリックやインテリアは木を基調にしたシンプルさゆえ、窓の外の海の青と緑が映えます。そうかと思うと、アメニティーには赤、ピンクを交え、“大人かわいい”も忘れてない! ということで、あらゆるものにいちいちキュンキュン。
敷地内のかなりの面積を占めるプールもいろいろ。スパのプールはしっかり泳ぐスクエアなスタイルですが、ゆったりプカプカできる系からスライダーまで、とにかく充実していました。
実は、今から30年以上前、マコトはこのホテルで働いていたんだそうです。そして仕事終わりにこのホテルのスパプールで、お客さんが入らない時間にガシガシ泳いでいたんだとか。その頃一緒に働いていた方々が今もいらっしゃって、ホテル内で会うたびに久しぶりの再会を喜び合っていました。そのだいたいの会話が「昔はかっこよかったのに〜」というものでしたが(笑)。
そんなスパは、緑に囲まれた離れのマッサージルームあり、ジャグジーあり、スパショップありとこれまた広い、広い。
ホテル内にはハワイアンたちが後世に伝えてきた、木をなめして洋服に使っていたときの「タパ」と呼ばれるものや、コアやモンキーポッドなどの木を使ったボウルなどが飾られていて、それを眺めるのもいい時間でした。
ディナーは少しおしゃれをしてホテルのメインダイニング「Tide Pools」へ。落ち着きのあるムードとカウアイの素材を活かした料理は、さすがファインダイニング。私が一番感動したのは、レストランの天井。ここにもタパの柄が大胆に使われていました。ずーっと上を見ながら食べていたかったくらい。
久しぶりのカウアイは少しの変化はあったものの、ハワイらしさと古き良きがしっかり残る愛すべき場所でした。まだまだ、あれこれ書きたかったのですが、今回はこれくらいにしておきます(充分長いですけれど…)。次回は、カウアイ島の旅、後半をお届けしたいと思います。
Tip Top Motel Café&Bakery(ティップ トップ モーテル カフェ&ベーカリー)
●3173 Akahi St.,Lihue ☎️808-245-2333 7:00〜13:30 月曜休
Hilo Hattie(ヒロ ハッティ)
●3-3252 Kuhio Hwy.,Lihue ☎️808-245-3404 9:00〜18:00
National Tropical Botanical Garden South Shore Visitors Center Gift Shop (ナショナル トロピカル ボタニカル ガーデン サウス ショア ビジター センター ギフトショップ)
●4425 Lawai Beach Rd.,Koloa
Grand Hyatt Kauai Resort & Spa(グランド ハイアット カウアイ リゾート&スパ)
●1571 Poipu Rd., Koloa ☎️808-742-1234
Budget Rent A Car(バジェットレンタカー)
https://www.budgetjapan.jp