PUTTING IN THE BAG 旅慣れている人の、旅のもちもの。#1 平野紗季子

TRAVEL 2023.09.11

フードエッセイスト・フードデザイナーの平野紗季子さんの旅のもちものと、旅のプラン。



食体験を堪能するため、身軽で、着飾りすぎない。

フードエッセイストとして食と言葉を生業とする平野紗季子さん。あらゆる土地の食を求め、月に1、2回は飛行機に乗る。旅の持ち物は、食を満喫し、記録するためのアイテムがメイン。

「レストランのドレスコードに対応できるようワンピースや小物。あとはメモ用のレコーダー、お店のパンフレットを保存するファイル、旅先の国にまつわる本、MacBook…。それ以外は結構適当で(笑)、持って行く服も少なくて、ラフなパーカで通りすがりのお店に直感で入ります」。飲食店だけでなく市場や生産者の活動拠点も見に行くことも。だからなるべく身軽で、必要以上に着飾らない。そしてどんな旅先でも役に立つというのが「ジップロック」だ。胃袋に限界がきたとき、彼女のもう一つの胃袋になってくれる。「食べ切れなかったパンやお菓子を、部屋でゆっくり味わうことが最高のお土産です」

今回見せてくれたバッグの中身は、2019年の秋頃、コペンハーゲンに行ったときのもの。旅の目的はレストラン〈noma〉をはじめとする、新たな北欧料理を味わうこと。「何度行っても刺激的な食体験をもたらしてくれます」。一皿からシェフの思想をも求める平野さんの4泊5泊プランを紹介します。

DESCRIPTION
❶〈CELINE〉のハンドバッグ。❷紀行文やエッセイ本。❸ジップロック。❹〈Mame Kurogouchi〉のドレス。❺〈ロイヤルホスト〉と「味な店」のコラボスウェット。❻クローゼットに掛ける固形フレグランス。❼現地の水質で髪がバサバサになったときに使う〈アリミノ〉のセラムトリートメント。❽ホテルでのんびり塗る〈J.Hannah〉のマニキュア。❾〈Aēsop〉のルームスプレー。❿〈パーフェクトポーション〉のアウトドアボディスプレー。⓫〈Mame Kurogouchi〉のショルダーバッグ。⓬MacBook Pro。⓭〈ピガール〉のロシア帽。⓮レストランで料理の解説を聞き逃さないためのレコーダー。⓯胃腸薬の御岳百草丸。⓰ショップカードやパンフレットを綺麗に持ち帰るためのクリアファイル。⓱〈バートン〉のスーツケース。

PLAN 食と社会の繋がりを感じる5日間。

DAY1
食のアカデミー賞といわれる「The World’s 50 Best Restaurants」でのちに1位に輝いた〈Geranium〉へ。印象的な一品は、ジ・エンドという名のドクロ形チョコムースデザート。“(食事の)終わり”という意味の掛け合わせもユニーク。


DAY2
ガストロノミーの世界に新たな潮流をもたらしたレストラン〈noma〉へ。これはりんごサラダに、フルーツレザーで作ったカブトムシが添えられた遊び心ある一皿。時代を変えた名店は来年幕を下ろすので、最後にもう一度行きたいと計画中。



DAY3
「ずっと食べてばかりはいられないから、美しいものを見てお腹を空かそう」と〈ルイジアナ近代美術館〉へ。ここには海が眺められるコンサートホールなどがあり、自然のなかで芸術鑑賞ができる。自然とアートの共存はここならでは。


DAY4
2019年当時はオープンしたばかりだった劇場型レストラン〈Alchemist〉。ここでは、空間の演出も含めて一皿が完成する。約6時間かけていくつかの空間を自ら回遊しながら、シェフが伝えてくれるメッセージ性のある食を堪能するひととき。



DAY5
いつもは早起きできないけど、旅先だと不思議と頑張れるもの。カフェやベーカリーに寄るのも大好きな平野さん。お気に入りのカルダモンロールを求めて、ローカルの人に混ざり優雅なモーニングタイムを過ごした。


ALWAYS TOGETHER
「どん兵衛」は機内で食べるのが一番おいしい!
意外にもカップ麺が必需品。機内食ではなく、ほかの人が食べてない優越感に浸りながら空の上で食べる一杯は至福。


photo_Miyu Yasuda text_Ayaka Takaura

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