列車の中にピザの焼き窯まで!地元産グルメをいただく贅沢な列車旅へ。 福岡・筑後の魅力を味わう旅列車 〈THE RAIL KITCHEN CHIKUGO〉を先取りレポート。
旅好きな人ならば一度は「車窓を眺めながら、おいしい料理やお酒を楽しむ列車旅がしたい!」と思ったことがあるのでは?そんな方々におすすめしたいのが、西日本鉄道株式会社が2019年3月23日(土)より、西鉄福岡(天神)駅から大牟田駅間で運行開始する地域を味わう旅列車〈THE RAIL KITCHEN CHIKUGO〉。今回は運行に先立ち、試乗体験をしてきましたので、その魅力をご紹介します!
筑後地域の魅力がたっぷりつめこまれたキュートな旅列車。
〈THE RAIL KITCHEN CHIKUGO〉のコンセプトは「LOCAL to TRAIN」。筑後地域の新鮮な食材を使った料理がコースで楽しめるほか、内装にも伝統工芸品が使われるなど、沿線の魅力がつめこまれた列車になっています。
トータルプロデュースはチョコレートブランド〈MAX BRENNER〉や台湾発のかき氷〈ICE MONSTER〉など海外の人気ブランドを日本に上陸させるほか、シェアオフィスやホテル、鉄道などのプロデュースを行うトランジットジェネラルオフィス。
列車のエクステリアとロゴは、グラフィックデザイナーでwoolen主宰の福岡南央子氏が担当。キッチンクロスをイメージしたという赤いチェック柄の列車で、とっても可愛らしい雰囲気です。
フォトブース&ウェルカムドリンクでお出迎え。
列車が到着し、乗り込もうとすると、ドアの前におしゃれなフォトブースが設置されていました。
小道具のトラベルケースやベンチなど世界観がとっても素敵!乗車前だけでなく乗車後にも設置されていたので、ぜひ写真撮影しておきましょう。
列車に乗り込むと、ウェルカムドリンクでお出迎え。
ウェルカムドリンクは「あまおうプレミアムスパークリングワイン」とノンアルコールの「季節のフルーツジュース」の2種類。お好きな方をチョイスすることができます。
こんなの見たことない!列車の中にピザ窯が!
列車の内装デザインは、モダンかつカジュアルなアプローチで流行に敏感な世代から支持されるランドスケーププロダクツが担当。
筑後の「ものづくり」の魅力を発信するため、八女の竹を使用した竹編み生地や城島瓦といった沿線地域の伝統工芸品等とクリエイターの感性を掛け合わせ、沿線の新しい魅力を感じることのできる空間に仕上げています。
そして驚いたのが、列車内に “ピザ窯”を中心とした大型キッチンが設置されていること。
こちらの“ピザ窯”で焼き上げたピザを、アツアツのうちにいただくことができるというのもこの列車の魅力です。
また列車の壁面には、福岡出身の世界的にも有名なアーティストである鹿児島睦氏が、筑後川をイメージし沿線の豊かな自然を表現したというデザインパネルが施されていたり、大木町の宝島染工の天然染めが飾られています。
地元産&旬の食材たっぷりのランチコースの旅へ。
席に着いたらウェルカムドリンクで乾杯!列車にゆられながら、おいしいお酒が飲めるなんて、なんとも贅沢です……!
アミューズは「苺とトマトのタルティネ」と「ラディッシュバター」です。カリカリのパンにジューシーなトマトと苺、バルサミコ酢の酸味がとってもフレッシュな印象。久留米市北野町産のラディッシュもみずみずしく、濃厚バターと合わせることで、ワインにもぴったりな味わいになっています。
続いて「人参のグリル」「蒸しアスパラにセロリマヨネーズ」「王リンギのバターソテー」がのった前菜のベジタブルプレートが登場。
こちらもうきは市ゆむたファームの卵を使ったマヨネーズや、大木町産のアスパラガスと王リンギ、みやま市産のセロリが使われるなど、地元産食材たっぷりのお料理です。
お野菜はどれも甘みやうま味が強く、素材本来の味わいが楽しめる味付け。地元で採れた旬のお野菜がたっぷりいただけるのって贅沢なことですよね。
ちなみに食事中に注文できるドリンクも、地酒や果実酒、八女茶など沿線地域で造られたものばかり。
注文してみたのが、うきは市産のぶどうと麦芽を使用したクラフトビール「うきはフルーツエール」。麦の華やかな香りと、ほのかにぶどうを感じる後味が印象的でした。
3品目は「和牛のロースト」。博多和牛に柳川市産のお刺身海苔がトッピングされているのですが、このお刺身海苔がトロッとした舌触りで香り高く、とっても美味!
しっかりとした味わいの博多和牛の美味しさもしっかり引き立ててくれていました。
ちなみにアミュー ズと野菜のプレート、肉のプレートは、福岡在住の人気料理家である渡辺康啓氏がメニューを監修されています。
〈エンボカ〉今井正氏が監修!メインは列車内の“窯”で焼き上げたピザ。
お待ちかねのメインディッシュは、列車内の“窯”で焼き上げたピザ!独創性に富んだピザの名店として名高い〈エンボカ〉を運営する今井正氏が監修されています。
ちなみに九州には店舗展開されていない今井氏と、お店では食べられない渡辺氏の料理が味わえるのは、〈THE RAIL KITCHEN CHIKUGO〉だけなんだとか。
生地は福岡県筑後平野の小麦「ミナミノカオリ」を使用しており、香り高く、もちもちとした食感が魅力的。
この日のピザは、見た目にも鮮やかな筍とアスパラガスのピザでした。
八女市産のシャキシャキとした筍に柚子の爽やかさ、菜の花の淡い苦味、モッツァレラチーズのコクがなんとも春らしい味わい。
大木町産のアスパラガスとモッツァレラチーズのピザも、青々とした春の大地を思わせる味わいが印象的でした。車窓を流れる福岡の田園風景とよく合います。
地元産のドリンクとスイーツも!
食後には沿線で生産されたブレンドハーブティーが提供されました。ハーブティーは、八女市にある中村園がつくる、この列車のためのオリジナルブレンドで、煎茶とペパーミントを合わせた「The Waterway」、ほうじ茶とレモングラスを組み合わせた「The Adventure」、和紅茶とカモミールを合わせた「The Townscape」の3種類からチョイスできます。
デザートのプティフルは、うきは市吉井町で人気の〈miel(ミエル)〉 オーナーパティシェである中野恭輔氏が、沿線地域の食材で作り上げたオリジナルの焼き菓子たち。
この日はあまおう、レモン、八女市産の抹茶で作られた彩りも美しいマカロンに、チョコレートのパウンドケーキ、うきは市産の和紅茶で作ったクッキーというラインナップでした。
このほか、車内では〈THE RAIL KITCHEN CHIKUGO〉のオリジナルグッズも販売。普段使いしたくなるようなおしゃれなデザインで、旅の思い出として持ち帰りたくなります。
西鉄福岡(天神)駅から大牟田駅へ向かう「ランチの旅」、大牟田駅から西鉄福岡(天神)駅へ向かう 「ディナーの旅」、どちらも所要時間は約2時間半で料金は、8,000 円。
アミューズからデザートまで地元産食材にこだわるほか、使用する食器やインテリアなども地元にまつわるもので作り上げた〈THE RAIL KITCHEN CHIKUGO〉。
出来立てアツアツの繊細なお料理を列車の中で、美しい車窓風景とともにいただける大変贅沢な列車旅となりました。
ちなみにコース料理は季節ごとの旬な食材を味わって欲しいということで、内容は春(3月〜5月)・夏(6月〜8月)・秋(9月〜11月)・冬(12月〜2月)と季節に応じて変更されるそう。
福岡近辺の魅力がギュッとつめこまれた〈THE RAIL KITCHEN CHIKUGO〉で、極上の列車旅を楽しんでみては?