貝印の未来を考えよう! 「KAI FUTURE LAB. ~こんなものあったらいいな、を妄想しよう! 第5回:ネクスト「職専」 (プロ用カッター) を探せ!」
刃物をはじめキッチンツールなど、日常生活に直結するさまざまなアイテムを長年作り続けている貝印。そのクオリティはプロからの信頼も厚く、「職専」のようなカッターも存在するほど。そこで今回は、〝ネクスト職専〞と題して、「実はあると便利なのでは?」という職人さん向けのピンポイントな刃物について考えることに。(PR/貝印)
今回、妄想を膨らませていただく方々
●クラフト作家:桜井由佳/さくらい・ゆか(左)
バッグ、アクセサリー等を作成、販売する「wool,cube,wool!」主宰。12月6、7日は東中野aptpにて、18~24日は札幌丸井今井大通館にてポップアップストアを開催。
●盆栽家:樹 弥沙/いつき・みさ(右)
日本小品盆栽協会認定講師。「bonsai盆凡」代表。盆栽の普及活動を行う。12月に、日本橋三越でワークショップ「お正月でござい〼」が開催。インスタ:@bonsai.bonbon.misa
第5回:「ネクスト「職専」(プロ用カッター)を探せ!」
プロユースの代表格「職専」。床材や壁紙を切るためだけに作られたカッター。小、ロング、大シリーズとあり、左は床材用の大シリーズ。一般的なカッターより刃が鋭くスパッと切れるため、床材の切れ目がぴったり接合する。1,800円。
日頃、仕事で専用のハサミを使ったり、特殊な材料を切ったりしている2人が、夢の刃物を語る!
樹弥沙さん(以下、樹):私は20年近く盆栽をやっていますが、おもに使っている道具は、始めた当時にそろえたものなんですよ。
桜井由佳さん(以下、桜井):私も裁ちばさみとクラフトばさみは、服飾の専門学校時代に買ったものなので、20年来の付き合いです。
樹:ここまで長い間、同じものを使っていると、たぶん目をつぶっていても触れば自分の道具だってわかると思います。手になじむというのでしょうか。たとえばペンにも言えると思いますが、人のペンを借りて書くと、自分の字ではないような気になりません?
桜井:わかります。私も人のミシンを使ってもうまくできないんですけど、自分のミシンだと上手に縫える。不思議ですが、そういうことってありますよね。樹さんは盆栽を作る時に、どんな道具を使うんですか?
樹:いわゆる盆栽ばさみ(1)や、薄い葉を切る葉刈ばさみ、根っこを切るための園芸用のはさみなど、刃物だけで6種類ほど。ほかにも、苔を張る時に使うピンセットや、絡まった根をとくためにお箸なども使います。
桜井:(樹さんの作品の写真を見て)すてきですね。
(1)手入れをする時に幅広く使われる盆栽ばさみ。一般的なはさみと比べて、刃が短く柄は長いのが特徴。また、葉刈ばさみは、もみじなど薄い葉を切るためのはさみ。細長い糸切りばさみのような形をしている。
樹:着物もそうですが、盆栽には細かいルールがいろいろあって、好きなのに遠い存在になってしまいかねないんです。だから私が意識しているのは、始めた時の「かわいい」という初心者感覚を忘れずにいること。ただ、突き詰めていくうちに王道の美しさにも開眼し、今は伝統と現代的な感覚の両方を融合するような作品を作っています。桜井さんはどんな作品を作っているんですか?
桜井:私は一般的な布はもちろん、特殊な合皮やスパンコールがついている生地など、いろんな素材を使ってバッグやアクセサリーを作っています。あとは紙を使ってコラージュを作成することも。その時にはクラフトパンチ(2)なども活用しています。
樹:今日つけているピアスも桜井さんの作品?すごく好みです!
(2)クラフトパンチは紙を型抜きするための道具。穴開けパンチのような要領で、紙を型抜きできる文房具。桜井さんは丸型を使っているが、星型、ハート型などもあり、コラージュを作る時などに便利。
プロユースの刃物の切れ味に衝撃!
貝印宣伝担当者(以下、貝印):今日はお2人に、お試しいただきたい刃物があるのですが。樹さんは園芸用のはさみを使うとおっしゃっていましたが、当社にも「収穫ハサミ野菜用(3)」という商品があります。
樹:実は、園芸用のはさみって、一番使っているかもしれないほど、盆栽ではよく使うんです。この枝を切っていいんですか? (はさみを入れて…)そんなに力を入れていないのに、サクッと切れました! それに持ち手が開きすぎていると、私は手が小さいので握るのが大変なのですが、これはちょうどいいですね。
貝印:柄の開きは2段階に調節でき、替刃式です。桜井さんにはプロ用のラシャばさみ(4)をぜひ。
桜井:お試し用のこの布、20枚くらい重なっているのですが…。(はさみを入れて…)わ!
樹:私も試してみたいです。…スパッと切れますね。断面もきれい。
桜井:こんなに厚いとはさみが布を噛んでしまいそうですが、それも全くなく感動です。個人的に欲しい!
固い素材が切れる刃物があったら最高。
貝印:ほかにもプロユースの商品は、壁紙や床材を切るためのカッター「職専(5)」などがあります。
桜井:この技術を持って、スパンコールつきの生地をラクに切れるはさみを作ってほしいです。今はクラフト用のはさみで切っているのですが、無理やり切っている感じがあるので。
樹:さっきの「収穫ハサミ 野菜用」が替刃式とのことでしたが、私は貝印さんの「盆栽セット」があればいいのになって思います。刃だけ盆栽ばさみ、園芸ばさみなど付け替えられると、持ち手はひとつだから手になじんで使いやすくなるし、〝自分のお道具感〞があって愛着もわきそう。
桜井:あと、私はやっぱりガラスとか石とか、固いものが切れる刃物が切実に欲しいです。今は糸鋸で切っているのですが、時間がかかって…。
樹:刃に熱をとおして、スーッと切れたらいいのに。
桜井:それは名案かも。
樹:実は私も、固いものがラクに切れる刃物があるといいなと思っていて。一番切ってみたいのは器です。
桜井:わかります! 私もです。
樹:たとえば捨てちゃうようなぐい吞みなんかは、底に穴を開ければ、かわいい鉢にリメイクできるので。
桜井:私も器の底に穴をあけて、ランプシェードとか作ってみたいです。電動歯ブラシのように充電式で、熱の出るカッターがあったら便利そうじゃないですか?
樹:貝印さん、ぜひお願いします!
今回の結論:充電式で刃に熱が伝わるカッターがあれば、ラクに器を切るのも夢じゃない!?
盆栽家とクラフト作家というジャンルは全く違う2人だけれど、器を切れる刃物が欲しい! との意見が一致。刃に熱が伝わればそれも可能なのではという仮定のもと、充電式のカッターを妄想。職人さんで欲しい人は意外と多いかも?
What’s 貝印?
明治41年創業。日本で初めて、国産カミソリ替刃の製造をスタートさせたメーカー。刃物をはじめ、今やキッチンツールやビューティ用品など、幅広く展開している。プロユースの商品は、今回登場したような量産の刃物もあれば、企業などから要望を受けて1から作るオーダーメイドの道具も。創業111年という長い歴史の中で培ってきた、職人との信頼関係が窺える。
■問い合わせ先/貝印お客様相談室 0120-016-410(https://www.kai-group.com/)
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(1179号:photo : MEGUMI illustration : Koji Wakisaka text : Nami Hotehama)