京都らしさ満載! 伝統文化体験にアート空間…バラエティ豊かな町屋ステイ
京文化をもっと満喫したいなら、伝統家屋“町家”に泊まって京の暮らしを体感してみませんか。気鋭のクリエイターが手掛けていたり、伝統文化体験ができたりと、今泊まりたいとっておきの3選をご紹介!
10の町家が連なった進化系の〈京町家ホテル 四季十楽〉へ。
吹き抜けが開放感をもたらす五号の客室のリビング。
スタイルもさまざまに増え続ける京都の宿泊シーンの中でも、ひときわ注目を集めるのは、2016年末に誕生した〈四季十楽〉。路地を挟んで10棟が並ぶ長屋町家をリノベーション、それぞれの客室が一棟貸しとして独立しつつも、ゆるやかに束ねられて、ホテルとしてのホスピタリティを兼ね備える。これまでの京都にはなかったスタイルが、新鮮だ。
春キャベツのローストや春人参のピュレなどがひと皿に盛り込まれ、〈吉田パン工房〉のパンと共に体を優しく目覚めさせてくれる春の朝食。
10の町家にちなみ、10組のクリエイターが宿を彩るのもユニークな仕掛け。朝食ディレクションは料理家・冷水希三子、門扉やサロンのデザインは建築家・田根剛、折々の花で室内を彩るのは花屋〈みたて〉西山隼人といった具合。和の趣を濃く残す部屋から、北欧モダンな部屋など、異なる雰囲気を醸し出す客室は、泊まるごとにほかの部屋でも過ごしたいと思わせる内容になっている。
五号の上階は白い壁と梁や柱のこげ茶のコントラストが印象的。
〈京町家ホテル 四季十楽(きょうまちやほてる しきじゅうらく)〉
十号のみ4名まで宿泊可能、一号・十号はキッチン付き。春からはスパメニューも。
■京都府京都市上京区油小路通下立売上ル近衛町165
■075-417-0210
■1室2名朝食付き37,000円(税サ込)~
中心地にある贅沢な空間〈京都和紙の宿 七十七 姉小路別邸〉で一風変わった文化体験を。
透明の茶碗でお茶を点てる様子をガラスの床越しに鑑賞。
日本らしさ、京都らしさを感じられる和の伝統文化体験をコンセプトとした〈茶の宿 七十七〉の新展開として今年2月にオープン。チェックインするとまず、床がガラス張りになっている2階の茶室を1階から見上げ、お茶を点てる様子を見るという、ほかではない体験ができる。
窓から優しい光が差し込むベッドルーム。
夜は和紙越しの明かりを眺めながら入浴できる露天風呂。
和紙のランプや障子など装飾の美しい一棟貸しの広々とした空間に加え、日本庭園をのぞむ露天風呂付き。心地よい開放感とともに旅の疲れを癒してほしい。
1階のフローリングスペース。朝食をオーダーし、ここでいただくことも可能(要予約、3,500円)。
〈京都和紙の宿 七十七 姉小路別邸(きょうとわしのやど なずな あねやこうじべってい)〉
「私のすべてを捧げます」という花言葉のナズナが宿名に。
■京都府京都市中京区式阿弥町118
■075-253-6776
■1泊1名25,000円~ 一棟貸し(定員6名)
www.nijo-nazuna.jp
京都の職人たちと作り上げたアート町家〈KUSHUKU KYOTO HOSTEL〉。
宿のシンボルとなっている〈小菱屋忠兵衛〉の提灯。
古民家を現代風にリノベーションした一棟貸しの宿。入ってすぐ目に付くのが、2階の畳の真ん中をくり抜いてつるした、直径150センチの巨大な提灯。この提灯を製作した〈小菱屋忠兵衛〉や、表具師の〈井上光雅堂/井上雅博〉など、伝統を守りながら新たな表現に挑戦する職人たちとのコラボレーションが古民家をモダンでスタイリッシュな空間に仕上げている。
1階の入口脇の部屋。日本画が描かれた屏風などあらゆるところにアートや伝統工芸の要素が取り入れられている。
2階の寝室には、現代アーティストの井上純の作品を展示。
キッチンや洗濯乾燥機などの家電の設備も万全で、長期滞在も快適に過ごせる。
小さな日本庭園も備えている。
〈KUSHUKU KYOTO HOSTEL(クシュク キョウト ホステル)〉
昨年11月にオープン。
■京都府京都市南区東九条東御霊町31-2
■080-1255-8968
■1棟35,000円~ 一棟貸し(定員8名)
secai.jp/works/kushuku-kyoto-hostel
(Hanako1131号掲載/photo : Tomokatsu Noro(TRAIVAL) text : Mako Yamato(shikijuraku)photo:Kunihiro Fukumori text : Ai Kiyabu(nazuna,kusyuku))