中1長女「ちぃママ」に学ぶべき子育て術|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around
この連載は…… モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、夫婦で手がけるケータリング業「マフィオ」として、最近はママキャンパーとしても活躍中の asacoさんの連載。2018年5月に4人目のお子さんを出産して、ますますにぎやかになった家族との毎日。4児の母ってどう?家事やお仕事は?などなど、なにげない日常から感じたことをつづります。
ひっそりと過ごす夏。風変わりな夏休みも終盤に差しかかりました。
学校のプールも、夏祭りも、毎年恒例の浜松帰省もすべてお預けで、子どもたちはさぞかし退屈するのだろうなぁと不安に思っていましたが、思いっきり朝寝坊したり、家でのんびり過ごしたり、いつもの公園に気がねなく行けることに喜びを感じているわが子たちを見てホッとする母。
意外と、遠出することを”特別”と捉えているのは大人たちで、子どもたちにとっては場所よりもただただ自由であることが重要だったりするのかもしれません。
さて、自粛期間中も濃密に過ごした子どもたちとの日々がふたたびやってきて、毎日3食の食事づくりや、突如勃発する兄弟ゲンカの数々をなだめることに正直おつかれ気味なわたくし…。
でも、これだけ一緒に居ると、時にはそんな彼らに学ぶことだってあります。
先日、こんな出来事がありました。中1の長女りねんが、2歳のかぜおくんと一緒にシャワーを浴びてくれていたときのこと。
「ママー!ちょっと来て~!!」となにやら大声で呼ばれて急いで浴室に駆けつけると、りねんが指差す先にちいさな茶色の物体を見つけました。
…な、なんと。これはもしや?!
まさかの事態に一瞬頭がフリーズして言葉を失っているところに、「かぜおくん、おもわずしちゃったみたい、かわいー!」とゲラゲラ笑うりねんの姿が飛び込んできて、気付いたら私もつられて爆笑していたのでした。
おむつなし育児の末やっとトレーニングパンツに移行したものの、突然のパンツ生活に少々プレッシャーを感じたのか、最近ちょっぴり便秘気味だったかぜおくん。
「お風呂場は開放的だったんだろうねー」なんてりねんと笑って話して、ことなきを得たのでした。
なのですが、ふと、一件落着したタイミングで
「あれ?」
なにか胸に突っかかる違和感を感じたのでした。それは、りねんが笑う姿が視覚的に入ってくるほんの0コンマ1秒くらい前、自分がかすかに「なんでこんなところでしちゃったの!」と思ったことを確信したからでした。
りねんが笑っていなかったら、もしかしたらかぜおくんにその言葉を浴びせていたのかもしれない。でも冷静に考えてもかぜおくんはなにも悪くないわけで、今回に限らず、感覚で叱りつけていることがきっとあるよなぁと、あらためてそんな自分にハッとしたのでした。
りねんは、この夏も”ちぃママ”として本当によくかぜおくんのお世話をしてくれています。一緒にシャワーも入ってくれるし、着替えも、寝かしつけも、ぐずったら抱っこもしてくれる、だれよりも頼りがいのある存在です。
むしろ”ちぃママ”だなんて、私のアシスタント的な呼び方をしているのが申し訳ないくらい、、、じつは彼女にこそ子育てにおいて見習いたいと思うことがあります。
それは、子ども心に寄り添うということ。
いつだったか、りねんとかぜおくんと歩いてお買い物に出かけた帰り道、ふと、私だけスピードが早いことに気付いて足を止めると、りねんが道端の段差にかぜおくんを乗っけている姿が目に入りました。すると、彼はうれしそうに、その上をテクテク歩き、しばらくするとぴょんと飛び降りる。大した高さではないけれど、彼女はその段差でかぜおくんが楽しめることをすぐに想像したのだと思います。もし私だったら…。夕飯の支度もしなきゃいけないし、真っ先に帰ること優先で段差なんかに目もくれず歩いたことでしょう。あーあ、なんか気付いたら私、つまんない人間になっちゃったなぁ…。知らず知らずのうちにそんな大人の事情が、子どもたちから好奇心そのものを奪っているのかもしれません。
夏休みの”特別”の捉え方同様、大人と子どもでは同じ景色でも見え方が違ってる。上から見るか、下から見るか、左なのか右なのか。
自分もかつて、より楽しい角度で物事を捉えることができたはずなのに、いつから子ども心を見失ってしまったのだろう、、、常にワクワクすることにアンテナを張り続ける子どもたちのように、私も日常のさりげない一瞬にもっと目を光らせていたい。
今こそ研ぎ澄ませたい感覚をちぃママに学んだ、2020年夏の出来事でした。