食品表示のルールが変わります!誰でもわかる新しい食品表示の見方
仕事と子育ての両立で忙しい働くママにとって、毎日の食事の準備は大変です。
毎日手料理が理想ではあるけれど、加工食品やお惣菜を上手に利用する日があっても良いと思います。
しかし、加工食品やお惣菜やスナック菓子などは、食品添加物やカロリー、塩分が多そうで、子どもに食べさせて良いのか気になってしまいますよね。
そんな時は、商品パッケージの裏面に記載されている食品表示を確認してみましょう。
食品表示は一見とても複雑で分かりにくいように見えますが、私達が安全で健康な食品を選択できるための情報がたくさん詰まっています。
そして、2015年に「食品表示法」という新しい法律が施行され、食品表示のルールが新しくなっています。(現在は表示変更の猶予期間中。)
実際に、大手食品メーカーで食品表示を作成していた私が、新しい法律に基づいた食品表示の見方を分かりやすくご説明いたします。
原材料と食品添加物の見方
食品のパッケージ裏面には「原材料名」という項目があります。そこには、その食品に使用されている原材料と食品添加物が記載されています。原材料名は 原材料の重量割合の高いものから順に表示し、その次に添加物を表示するというルールがあります。これまでは、原材料と添加物の間に明確な区切りが無かったので、消費者はどこからが添加物なのか分かりにくい表示でした。しかし、新しいルールでは、原材料と添加物の区分を明確に表示することが義務付けられ、その方法の1つとして原材料と添加物の間に「/(スラッシュ)」を入れます。もし、食品添加物の数や種類を確認したい場合は、「/(スラッシュ)」 以降の項目を確認すれば一目で分かるようになります。
食物アレルギー表示の新ルール
食物アレルギーのあるお子さんの数は年々増えています。食物アレルギーのあるお子さんが家に遊びに来た時にも慌てずに対応できるように、皆がアレルギー表示を正しく理解することが望ましいです。食物アレルギー表示は命に係わる大切な役割を担っています。そのため、事故防止対策としてアレルゲン表示の法改正がありました。これまで「マヨネーズ」や「生クリーム」などは「卵」や「乳製分」が入っていることが予測できるとしてアレルゲン表示が省略されていました。しかし新ルールではすべての食品で必ずアレルゲンを表示するように義務付けられました。表示改定の猶予期間は2020年3月末までなので猶予期間中は、表示が混在しているので注意が必要ですが、1年後にはアレルゲン物質はすべて原材料名の中に(〇〇を含む)と記載されて一目で分かる見やすい表示となります。
2つの期限表示
期限表示には「消費期限」 と「賞味期限」 があるのはご存知でしょうか。消費期限とは「安全に食べられる期限」 のことです。一方、 賞味期限とは「おいしく食べられる期限」のことです。消費期限は期限を過ぎてしまった場合には食べられませんが、賞味期限は期限が数日過ぎたからと言って即座に食べられなくなるというわけではありません。また、3か月以上保存できる食品は、年月の表示だけで日にちまで表示しない食品もあります。これは、フードロスや物流コスト削減などの狙いがあります。期限内に食べきるのが原則ですが、期限を過ぎてしまった場合は、その食品は「消費期限」なのか「賞味期限」なのかを確認してみましょう。
栄養成分表示の義務化
栄養成分はこれまで任意表示でしたが、健康志向の高まりから2020年3月までに義務表示になります。さらに、これまでは食塩量はナトリウム表示であったため、消費者にとっては何グラムの食塩が含まれているのか分からない表示でしたが、新ルールでは食塩相当量が義務表示となります。日本人は塩分をとりすぎている傾向があります。厚生労働省が出している子どもの塩分摂取量の目安は、1~2歳男児で3g未満/日、女児で3.5g未満/日、3~5歳男児で4g未満/日、女児で4.5g未満です。栄養成分表示の食塩相当量を確認して、子どもの塩分の取り過ぎに気を付けましょう。
最後に
食品表示は私たちが食品を選ぶときに参考になる様々な情報が載っています。原材料、食品添加物、栄養成分など人によって気になるポイントは様々ですが、まずは購入する前にパッケージの裏面を見て、どんな情報が載っているのか確認してみましょう。すると、一見同じような商品でも、どちらが自分や家族にとって必要な商品なのかが自ずと見えてきます。食品表示を正しく理解し、みなさんにとって素敵な食生活が送れることを願っています。