子どものカフェインの摂りすぎには注意が必要!
カフェインと言えば、コーヒーが最初に思い浮かびます。そして子どものカフェインの過剰摂取を防ぐために、子どもにはコーヒーを飲ませていないというご家庭も多のではないでしょうか。
しかしその一方で、ペットボトル飲料のカフェオレや、コーヒーショップで売られている砂糖がたっぷり入ったフレーバーコーヒー、タピオカ入りのコーヒー牛乳などを子どもが飲んでいる姿をしばしば見かけます。
また、眠気を覚ますために塾に行く前にエナジードリンクを飲んでいる小学生もいるようです。
この光景は子どものカフェインの過剰摂取によるリスクについて、親の危機意識が薄れてきていることを示しているのかもしれません。カフェインはコーヒーだけではなく、エナジードリンク(最近ニュースにもなりましたね)や、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶、コーラ、チョコレート、そして眠気覚まし用のガムなどにも含まれています。
知らない間に子どもに様々な食品からカフェインを摂取させている可能性があるので、注意しなければいけません。
カフェインの効能とリスク
カフェインとはコーヒー豆や茶葉などに含まれる食品成分の1つで、興奮作用や利尿作用などの効能があり、医薬品や食品添加物としても用いられています。
しかし多量に摂取すると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などの有害な影響が現れます。
また、カルシウム摂取量が少ない人がカフェインを摂取した場合、カルシウムの体内からの排出率が増えるので、骨粗鬆症の発症の原因となる可能性があります。
カフェイン含有量
カフェインを多く含む主な食品は、以下のようなものです。
・エナジードリンク:32~300mg/100ml
・玉露:160mg/100ml
・コーヒー:60mg/100ml
・紅茶:30mg/100ml
・ウーロン茶:20mg/100ml
・ほうじ茶:20mg/100ml
・煎茶:20mg/100ml
・チョコレート:15mg/100g
・コーラ:10mg/100g
カフェインの摂取量
日本ではカフェインの一日摂取許容量(ADI)*1は設定されていませんが、イギリス、オーストリア、カナダなどではカフェインの摂取目安量が示されています。
カナダ保険省は、子どものカフェイン摂取量の目安として、4~6歳は45mg/日、7~9歳は62.5mg/日、10~12歳は85mg/日と公表しています。
この基準に基づくと、子どもがコップ1杯の玉露やコーヒーを飲むと、1日の摂取目安量を超えてしまうのです。
*1一日摂取許容量(ADI)とは、ヒトがある物質を一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量のこと。
過剰摂取に注意
エナジードリンク、玉露、コーヒーにはカフェインが多く含まれていますので、子どものうちは飲むのを控えさせましょう。
また、若者に人気のタピオカドリンクも、タピオカカフェラテ、タピオカミルクティー、タピオカ抹茶ラテなどにはカフェインが含まれていますのでご注意ください。
見落としがちなのが、ウーロン茶、ほうじ茶、煎茶などのお茶類と、コーラやチョコレートなどに含まれているカフェインです。
少量を飲んだり食べたりする程度であれば問題ありませんが、喉が渇いた時にカフェイン入り飲料をゴクゴクと大量に飲んで、さらにカフェイン入りの菓子類を摂取すると、カフェインの過剰摂取で子どもの健康被害につながる可能性があります。
子どもの年齢に応じて、摂取しても問題のない量を把握するとともに、カフェインを含む食品の複合摂取により、気づかずに大量に摂取してしまわないように、注意が必要です。
最後に
私が食育アドバイザーとして活動を始めて間もないころ、仕事先で出会った子ども達に生絞りフルーツジュースを作ってあげたところ、一人だけ一口も飲もうとしない当時3歳の男の子がいました。
苦手な果物だったのかなと思いその子に聞いてみると、「果物は全部嫌いで好きな飲み物はコーヒーだよ」と答えました。
子どもの偏食は親の責任ではありませんが、少なくとも3歳の子どもにコーヒーを飲ませるのは控えるべきだと思います。
子どもの毎日の食事を管理するのは親の役目です。
子どもに食べさせても良いものと悪いもの(控えた方が良いもの)を知った上で、食事の面から子どもの健やかな成長をサポートしてあげてください。
先ほどお話した男の子は少しずつ食事を改善し、今はコーヒーは飲まず、たくさんの種類の果物も食べれるようになりました。
参考文献
日本食品標準成分表2015年度版(七訂)
内閣府食品安全委員会ファクトシート食品中のカフェイン