割れたお皿は「金継ぎ」で蘇らせる!母になって始めた習い事ライフ|モデル asacoの4回目の育児 – fourth time around
この連載は……
モデルとして雑誌やCMに出演するいっぽう、子ども服ブランド「kitutuki」のディレクターとしても活躍中の asacoさんの連載。実は5月に4人目のお子さんを出産したばかりのasacoさん。4人目育児ってどんな感じ?家族の関係は変化した?家事やお仕事は?などなど、にぎやかな家族の日常を綴ります。
vol.29「お皿が割れても怖くない!子どもがいるからこそ始めた、金継ぎライフ」
普段の暮らしの中で、私自身がとっても大事にしているのが「モノを長く大切に使うこと」。
たとえば子ども服だって、お気に入りはきょうだいで受け継いで出来るだけ長〜く着るのが我が家流なのですが、ガシャーン!と不意に割れてしまったお皿だけは、深いため息と共におさらばしていました。大人だって不注意で割ってしまうことがあるのだから、子どもたちとの毎日は尚更そんなアクシデントが多発するもので、今まで何度割れたお皿を手に涙をのんだことか…。
そんな切ない経験を重ねるうちに、ってか…そもそもお皿って直せないの?!と思うようになり、調べた結果「金継ぎ」という技法があることを知ったのでした。
しかも、金で継がれたお皿の美しいこと!割れて捨てるはずだったお皿が、こんなにステキに蘇るだなんて。その様に衝撃を受けた私は、それ以来「いつか金継ぎを習ってみたい」と思うようになり、実現したのが第3子妊娠中のこと。
本漆で直す掘道広さんの教室に通って、思った以上に繊細な作業の数々に四苦八苦しつつも、手をかければかけるだけさらにそのお皿に愛着がわくのもうれしくて、もっと知識を深めたいと思うようになりました。
その後、現代金継ぎという、一日で簡単に直せる教室なんかにも通ったりしたのですが、たとえ時間がかかっても本漆で丁寧に継いでゆくその過程がやっぱり心地よいと実感。
再び学ぶ機会をうかがっていたところ、1年前仲良しのママ友から偶然お誘いを受けて、今は田代淳さんの元でまた金継ぎを習う日々を続けています。
もともと独身時代は大してお料理もしなかったし、お皿なんてほんの少し所有するだけだった私が、料理好きな夫の政治くんに出会ったこと、そして子どもが生まれたのをきっかけにお料理する機会もどんどん増えていって、気づいた時には無類の器好きに。
同じお料理も盛り付ける器によって全くイメージが変わって、まさにそれこそが器の成せる技。どんどんその魅力にハマっていきました。
そんなワケで、大切で思い入れのある器も年々増え続けているのですが、金継ぎを習う前から、割れるリスクが高い子どもたちとの食卓にも、臆せずに敢えてお気に入りたちを使うようにしていました。やっぱり、本物に触れて食べる食事はよりおいしいと感じるから。とは言え、心の片隅で"割れたら終了"とある程度の腹づもりをして使っていたのが、今まさに、何にも恐れることなくガシガシ器たちを並べられるようになったのは心底嬉しいこと!そして、割れたら自分で直せばいいと思えるようになったおかげで、ある意味どんなお皿も出し惜しみすることなく、より器使いも楽しめるようになった気がしています。
ちなみに、私が金継ぎを始めてから子どもたちにも変化が。今までは自分の不注意でお皿が割れてしまったらかなり申し訳なさそうにしていたのが、最近はそうでもない…。
大丈夫、ママが直してくれると思うみたいです(笑)。ま、実際、私自身もお皿が割れてショックを受けることがかなり減りました。
むしろ、パカーンと割れたお皿を見ると、早く継ぎたくてウズウズしてしまうほどに(笑)。できればこの先ものんびりと金継ぎを習い続けて、お友達の大切な一枚もさっと直せるくらいになるといいなぁと目論んでいます。
そして、金継ぎを習うひとときは、直す技術を高めていく楽しさももちろん、日々4人の子どもたちと忙しなく過ごす私にとって大切なリセット時間にもなりつつあります。
今では先生や一緒に学ぶ仲間たちとプライベートで飲みに行けちゃうほどに仲良くなって、そんな皆に出会えたご縁にも感謝。大人になって始める趣味ってサイコー!と、しみじみと噛み締める私です。
これからもヨロシクお願いしまーす。