発酵と、大豆と、わたし。 4/22〜4/28 なっとう娘の「ねばログ」毎日通信。哲学・支援・長寿。色々な切り口から見る納豆。
納豆をこよなく愛する23歳「なっとう娘」が送る、納豆のビジュアル、香り、テイストについてコメントしつつ、魅力を語っているコラムです。(あくまでも個人の感想です)日々ライブ配信にて紹介している色とりどりな納豆たちがずらり!身近な存在だけど実は奥が深い納豆の世界へ、あなたも誘われちゃうかも!?ぜひご覧くださいませ!
このコラムでは、毎日の配信で食べている納豆1週間分を3つの評価軸をMAXの数値を5として、私の主観で評価させていただいています。あくまでも、その納豆の特徴を表すための数値なので、数値の高い低いに優劣はありません!ご自身の好みに合った納豆探しの参考にしてみてくださいね。
〈3つの評価軸〉
・ねばり(弱い 1↔5 強い)
・納豆のかおり(控えめ 1↔5 濃厚)
・豆のかたさ(柔らかい 1↔5 固い)
上記3つの評価のほかに、各納豆に関する情報と感想として「なっとう娘メモ」を添え、私の思う納豆の魅力を余すことなくお伝えさせていただきます。みなさんと多種多様な納豆の世界を共有できたら嬉しいなと思いコラムという形で発信をはじめましたので、ゆるりと読んでいただけたら嬉しいです!
それではレッツ「ねばログ」!
▽1週間分の納豆配信まとめ動画も公開中!▽
1.令和時代の延命治療。「長者納豆」/〈戸辺食品工業株式会社〉
●ねばり 2.1/5.0
●納豆のかおり 3.0/5.0
●豆のかたさ 2.9/5.0
経木に刻まれている年輪と思われる木々の縞模様が、見た目からして長寿感を漂わせている納豆。開封すると目に飛び込んできたのは、少し平たくなった納豆たち。何だこの潰れても決して納豆としての姿勢を乱すことのない、異様なまでの貫禄は...笑
果たして、箱根の黒たまごのごとく、何年の寿命を伸ばしてくれるのだろうか...ゴクリ。神々しいビジュアルでもう十分に延命してもらった気がするが、期待を胸にいざ実食。
な、な、なんなんだこのシャクシャク感はっ...今までにない食感の納豆に、長寿がどうとか、延命はするのかとさっきまで気にかけていたことすら忘れてしまうような、インパクトのある歯ざわり。ひたすら楽しい新感覚に口に運び咀嚼することが楽しいとすら思えてくる。
そうかこんなに納豆を食べることって楽しいんだ...あっという間に88gの納豆も平らげられる。そうか、この「楽しい」という感覚こそが、長寿の秘訣なのか。なんとも哲学的な納豆である。タレ味は濃い目に仕上がっており、大豆自体には経木特有の香りがついているおかげで、ふわっと鼻の中をそよ風が吹いたかのような木々のぬくもりすら感じることができる一品である。
2.縁の下の力持ち。「スマイルライフ 国産ひきわり納豆」/〈あづま食品株式会社〉
●ねばり 4.0/5.0
●納豆のかおり 4.5/5.0
●豆のかたさ 4.7/5.0
最近私は、初めて見るスーパーを見ると入らずにはいられない体に仕上がってきた。そう、納豆棚をチェックするためだ。先日、〈ライフ〉というスーパーを見つけた。もともと知ってはいたが、納豆ハンティングを趣味とし始めてから行ったことがないことに気づき、待ち合わせ時間までの僅かな時間で光速ハンティングをしてきた。
いざ帰宅し、納豆に手を伸ばす。あっ、そうそう、このようなパターンのスーパーのブランドで売られている納豆は、どこか別の納豆を作っている会社が製造していることが多い。すかさず裏の製造会社をチェックする。なるほど、「スマイルライフ 国産ひきわり納豆」は「黒豆小粒なっとう」や、「あおさのりたれ」も多くのスーパーに卸している〈あづま食品〉さんが製造しているのか。そんなことに思いを馳せながら、いざ開封。
タレを入れて混ぜる前のストレート納豆の香りを楽しむ。うん、これまた独特なこもったようなホックリとした強い香り。匂いフェチの私としてはたまりませんな。(ムング豆で納豆作ったときのちょっと独特な香りに似ていた)タレを加え、かき混ぜた後も独特の香りがキープされている。
口にひとすくい含むと、少し鼻の奥にこもったようなが芳香な香りが広がる。ひきわりの小さな粒たちによる「我ここに在り」と言わんばかりの存在感ある歯ごたえ&粒感も満足感をぐっと上げてくれる。改めて納豆の粒は、ひきわり派ということに揺るぎない確信を持てた納豆だった。
3.ギャップに萌える。「本味納豆」/〈かじのや〉
●ねばり 2.4/5.0
●納豆のかおり 2.8/5.0
●豆のかたさ 3.3/5.0
私の実家の近くに、工場のある〈かじのや〉さん。小さい頃からお世話になっているお豆腐屋さんに並んでいるのも〈かじのや〉さんの納豆だった。親が、普段スーパーで買ってくる納豆との違いを楽しみ、納豆の奥深さを垣間見た、なっとう娘の原点とも言える納豆かもしれない。
カップの透明フィルムを剥がすと、色の濃い納豆たちが鎮座している。漫画であれば「ズモーーーン」という効果音が表記されているであろう。箸を納豆の群衆に挿入し、かき回し始める。粘り気は強くなく、大豆同士はどうやら淡白な関係性らしい。いとも簡単に箸に翻弄されるがままにカップの中で混ざり合う納豆たち。
豆たちを口に運ぶと、味も割とあっさりしている。程良い豆の硬さを感じながら噛み進めていくと、大豆は全体的にビターでたれの味わいはだしが効き甘めになっている。良い意味で、ビジュアルほど個性が強すぎず食べやすいため、思わぬギャップにキュンとする納豆。
4.農業支援の熱いメッセージ納豆。「みちのく」/〈株式会社登喜和食品〉
●ねばり 3.6/5.0
●納豆のかおり 3.7/5.0
●豆のかたさ 4.1/5.0
「日本の農業を応援したい」そう力強く書かれたメッセージに、思わず手を伸ばしてしまうジャケ買い納豆。ここまでメッセージ性を強く打ち出している納豆も数少ないのでは。震災後には収益金の1%を復興支援金として寄付。
この納豆を作った方は、元は土木関係の仕事についていたものの、農業という産業に立ちはだかる壁の厳しさ・深刻さに直面。日本の農業を応援したいと、一念発起しこの納豆を作り始めたそう。
一つ一つの納豆にストーリーが有り、生産者の方の想いがあり、そして今私の手に収まってかき混ぜられようとしている納豆があるんだと、とても大切なことに改めて気づかせてくれる納豆との出会いだった。納豆が食べられるということを当たり前に感じてしまいがちだけど、もっと一種類一種類の納豆の誕生ストーリーだったり、底に込められた想いに寄り添っていける納豆好きでありたいと心から思った。
いつもに増して、納豆への感謝をしながらいざ実食。しっかりとした、だし感が鼻を甲高く抜けていくように嗅覚が刺激されていく。豆の一粒ひとつぶの存在が、この歯でしっかりと確認できるような噛みごたえのある粒感。タレの味もしっかりしているためご飯との相性も間違いなくいいだろう。粘り気はしっかりと粘着性の強めな納豆である。
食べたあとも、日本の農業に貢献できたという温かい心にさせてくれる納豆を食した後のアフターオプションまでついている素敵な一品。
5.小さな巨人は巻いて召し上がれ。「スマイルライフ 小粒納豆」/〈あづま食品株式会社〉
●ねばり 3.5/5.0
●納豆のかおり 3.7/5.0
●豆のかたさ 3.9/5.0
先日、ひきわり納豆で食させていただいた、「スマイルライフ」シリーズ。納豆の豆カラーはスタンダード。平均的な色味である。タレを入れずに混ぜる、グッグッと筋トレになりそうな粘り気が生まれ、全納豆が持ち上がるほどの粘着性を発揮する。
タレ投入後も粘りは若干緩くはなるものの、力強さは保たれたまま、ふわっとした粘りが豆を覆い隠すように包み込む。タレがだしの旨味をしっかりと前に出しており、少し甘めな味付け。
粒サイドから見ると、豆が小粒でしっかりとした歯ごたえをしている。小さな巨人という例えが正しいだろうか。小さいが満足感もある納豆になっている。そんな存在感のある納豆は、on the 白米よりin the 巻きにして生かしたいと思う逸品です。
6.焦らして、エンドルフィン。「ひきわり鎌倉」/〈野呂食品〉
●ねばり 4.4/5.0
●納豆のかおり 4.2/5.0
●豆のかたさ 3.4/5.0
最近、「ひきわり」「きざみ」という文字列を見るだけで胃液が踊りだすようになってしまった。食べるのが待ちきれないと叫ぶ脳内の声を押し殺し、無我夢中に納豆をかき回す。あとからタレを投入し、かき混ぜていくと立ち上がるひきわり特有の香りが容赦なく鼻の中を駆け巡り脳に伝達される。
待ちきれない気持ちを抑えながら、ゆっくりと口の中に納豆を入れていく、この嗅覚を刺激しておきながら、味覚にはまだ達さないこの焦らしている時間が、よりひきわり納豆を愛おしくさせる。
ついに舌にひきわり納豆が置かれたとき、一気に脳内に恋い焦がれていたあの香り・味とともにエンドルフィンが分泌されていくのが、自分の高鳴る鼓動とともに十分に感じられる。
多幸感あふれるエンドルフィンの波に飲まれ脳内が幸せで満たされる中、その波をかき分けるかのように活きのいい鰹がかつおだしの香りとなって泳いで行く。納豆の香りは強過ぎず、後からやってくる舌に広がるえぐみが残ったような独特な旨味がこの「ひきわり鎌倉」という一つの作品を締めくくる。
7.ヘルシーモーニングコンビ推奨。「鎌倉山納豆」/〈野呂食品〉
●ねばり 2.3/5.0
●納豆のかおり 3.5/5.0
●豆のかたさ 3.8/5.0
納豆棚の中でもパッと目を引くようなまるでヨーグルトのようなビジュアルで4つパックが正方形のパッケージの下に収められている納豆。パッケージの大きなスペースには、〈鎌倉山納豆〉本社売店の所在地でもある鎌倉の地図が描かれている。
紙製のパッケージを取ると、透明のフィルムで蓋をされた納豆のカップが現れる。箸でかき混ぜると、ふわっと白く粘りが現れるものの、粘着力自体はさほど強くなく、あっさりとした感触。たれは、醤油寄りな塩気のある味わい。豆の硬さにコシがあり、食べごたえを感じることができる一品。
ヘルシーライフを送る一歩として、4パックセットになっているヨーグルトと一緒に朝のレギュラーメニューとしてオススメです。
今回の「ねばログ」は色々な地方からの納豆も多く紹介させていただきました!皆さんも是非、旅行先での納豆の出会いも旅の楽しみの一つに探してみてくださいませ〜!
今回の記事を通して、身近なところに広がる納豆の世界に目を向けるきっかけになったら嬉しいです。ぜひ、普段のお買い物でも、これを機に納豆棚を観察してみてくださいね。
●毎朝8:30〜納豆ライブ配信中のインスタグラムはこちら! @nattou_musume_