きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム~第73回 こんなこと別に連載で言わなくてもいいわよ~

きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム~第73回 こんなこと別に連載で言わなくてもいいわよ~
きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム~第73回 こんなこと別に連載で言わなくてもいいわよ~
LEARN 2025.11.25
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。今回は「フィクションを入れないこと」について語ります。

第73回 こんなこと別に連載で言わなくてもいいわよ

皆さま、ごきげんよう。起きたことをありのままにお伝えする“ノンフィクション”のあり方に頭を悩ませている、きゃりーぱみゅぱみゅです。

きゃりーぱみゅぱみゅ

私は今までこの連載で、実際に体験したことや発見したことをなるだけリアルに赤裸々にお届けしてきました。

おかげさまで私の観測範囲では好評みたいで、周囲の人たちはみんなめっちゃ読んでくれています。

初めて会う方から「全部読んでます」って言われることも多々あるんですけど、あまりにそのままの状態のものを出しているので、うれしい反面なんだか恥ずかしさも感じます。

でもその一方で、友人とか知人から「あれって私の話だよね?」と言われることもちょいちょいあって、「え、ぜんぜん違うよ」みたいな。

コラムのエピソードが具体的すぎるせいで、たまたまそれと似た体験をした人が、てっきり自分のことだと思い込んでしまうケースがあるあるなんですよね。

もっとフワッとさせたり、ぼかした書き方をしたらいいんだろうけど、でもそれじゃ取り上げる意味自体がなくなるしで、う~ん、ノンフィクションって難しい。

あと、お母さんと揉めた回とかだと、記事公開後になって「もしかして言いすぎちゃったかな? これ読んでお母さんが傷ついちゃったりしないかな?」と心配になることもよくあります。

お母さん、ほんとは読んでるはずなのに、何も言ってこないから逆に怖いんですよね(笑)。

それと、とある飲み会に参加したら、帰り際に男性から頭をポンポンされてキモかった回にも後日談があったな…。

その記事を公開して半年後くらいに、いきなりその人から連絡が来て「まさか読まれたか!?」とマジで心臓が飛び出る思いをしたんですよね。

そのときは幸いにも、頭ポンポン回とは違う回を読んで「コラムめっちゃよかったよ👍️」と言ってくれたので胸を撫で下ろしましたが、いや~ヒヤヒヤしました💦

まあ、その人はきっといろんな女子の頭をポンポンしてるだろうから、私にポンポンしたことなんてすっかり忘れてると思いますけどね。

31のアイス

こんな感じで、私はノンフィクションを貫くことと引き換えに、謎に寿命を縮めてます(笑)。

今までいろんな実話を命を削ってお届けしてきましたが、中には、これは世の中に出すとさすがに死ぬだろ?ということで泣く泣くお蔵入りになってしまった回が、実はけっこうあったりするんですよね。

それらはいつかこの連載を単行本にまとめるときにでも、改めて出せる形にできたらいいなと思ってます。

というわけで、ノンフィクションを保ちながらいかに連載を続けていくのか?

これが私のテーマになっているんですが、じゃあ、私と同じように連載をしている他の人たちはどうしているのか?

それが気になったので、実際にいろんなメディアで連載をしている友人たちに聞いてみました(一応断っておきますが、Hanakoで連載してる人たちではないですよ😉)。

まずは、とあるメディアでめっちゃ面白い日常系の赤裸々連載をしてる友人Aです。

その子に「連載のせいで周りがざわついたりしない?」と聞いてみたら、あっさりと「けっこうフィクションにしてるんすよね」と言われました。

あれフィクションか~い!

「本当にあったことだけど嘘を交えながらだから、ベースになった話の関係者は誰も傷つかないしバレないんです」

う~ん、まあ、賢いですよね。そっちのほうが。

“嘘も方便”というか、それによって連載をみんなが楽しめるコンテンツにしてるわけだし、これもひとつの優しさなんだと思います。

でも私はそれとは違って、実際にあったことをありのままに記録してきた感じだし、今さらいろいろ気を使ってちょっと嘘を混ぜてみたりするのもなあと…。

必要だからといって、フィクションを入れてエンタメにするのは「別に自分がやらなくてもいいよね?」って思ってしまうんですよね。

いや、別にその子のやり方を批判してるわけではありません。

あくまでスタイルの違いというか、連載の目的の違いというか。

むしろ大人なLADYとしては、少しくらい上手に嘘ができたほうが“要領がいい”とされると思いますし…。

例えば、普段使いしてないコスメとかを、さも日頃から愛用してるかのようにSNSに投稿することで案件をたくさん回せたりね。

あ、皮肉を言ってるんじゃないですよ(笑)。

真面目な話、仕事を回すとか角を立てないとかって「そういうことだよな」って思ったりします。

きゃりーぱみゅぱみゅの犬

まあ、これ以上は、なんか墓穴をもっと掘ってしまいそうな気がするのでこれくらいにしておいて、別の友人Bにも同じ質問をしてみました。

その子も、とあるメディアでのほほんとした日常系連載をしているんですけど、たぶん実際にあったことだけを書いてるノンフィクション路線。

というのも、普段から本当のことしか言えない子なんですよね。

チャキチャキしてて斬り込んでいくタイプの私とは性格的に真逆で、ふわふわしててピュアゆえに本当のことしか言えないタイプです。

聞けば、やはりノンフィクションだったんですが、ふわふわなBちゃんでさえ「そのせいで事故った」と言ってました。

ある友達の魅力が表れてると思ったエピソードを書いたら、「私をバカにしている」と絶交されてしまったんだそうです。

まあ、自分の見え方にやたら敏感な人って一定数いますからね…。

いや、それは考えすぎだろ、そこまで周囲は気にしてないよ、みたいな。

そんなわけで今のところの調査結果だと、「連載やるならフィクションで」一択っぽいです(笑)。

とくにネットは紙の雑誌とかと違って、いつ誰がどのバックナンバーを読むのかわからないし、こっちが予想できない受け取られ方をする可能性があります。

それはわかってるんだけど、やっぱり私はノンフィクションにこだわりたいというか、それこそJK時代にアメブロやってた頃からずーっとこれしかやってないんですよね。

私の好きなジェーン・スーさんとか他の日常系コラムニストの方々は、実際にあった話をどう連載に落とし込んでいるのかめっちゃ気になります。

きゃりーぱみゅぱみゅの犬

相手を嫌な思いにさせることなく、フィクションを入れずに本当のことをなるだけ解像度高く伝えること。

そもそもそれって、なにも連載に限らない話だったりするんですよね。

仕事や私生活においても、めちゃくちゃ大切なことだったりします。

例えば、相手からあったせっかくのお誘いをお断りするときとか。

ただ「ごめんなさい」って返すだけだと、相手に「自分が嫌われてるのかもしれない…」みたいに思われてしまう可能性が、この令和時代においてはあるあるです。

だから、けっして相手を否定しているわけではないことを示すために、「時間がないなか、いろいろ調べてくれたうえで今回誘ってくれたんだろうな」とか、相手がどういう思いで誘ってきたのかをまずは想像してみることが大切です。

とはいえ、あまりにそこで感情移入してしまうと「じゃあ今回だけはお言葉に甘えて…」が続くことになって自分の決断がブレてしまうので、あくまで線を引いた状態で相手に同情する。

これが鍵を握ってる気がします。

同情の勢いで「今回は無理だけど、またいつかね」みたいに、つい思ってもないリップサービスを言って相手に期待を持たせてしまうようなことも避けたいです。

期待を持たせたままだとかえって残酷な結末になりかねないし、それに自分に対して嘘をつくことにもなります。フィクションになってしまいます。

柔らかいけどはっきりと自分の決断を、そしてそれが揺るがないことをちゃんと伝えることこそが、相手に対する誠意だと思うんですよね。

というわけで、私はめっちゃ長い“前置き”をする女になりました。

「ほんとにお誘いとってもうれしいですし、そのためにめっちゃ調べてくれたことに対して非常に感謝してるんですけど、今回はほんとタイミングが合わなくて、仮に無理やり強行で行ったとしても十分に満喫できなくてかえってもったいないことになるし、そもそも誘う相手として私でいいのか?という問題もあって、私より関心があってもっと喜ぶ相手が他に絶対にいるし、第三者目線としてもそのお誘いはめっちゃセンスあると思うので、普通に行きたい!って思う人はめっちゃいると思うし、そっちのほうが時間も気合も十分でもっと楽しめて、結果的にみんなハッピーになってる未来が私には見えてるから、やめておきます。ごめんなさい🙏」みたいな。

繰り返しになりますが、今の時代、「ごめんなさい」だけでは相手が自分自身を否定された気持ちになって「自分がダメだったんだ」って思われてしまいがちです。

一度そう思われたら払拭するのがかなり難しくなるから、先回りしてそれを防いでいく必要があって、それが結果的に長い前置きになってしまうんですよね。

正直に生きたい自分だし、正直に生きてきた自分なんだけど、今の世の中いろんな人がいすぎて、何かを伝えようにもどう受け止められるかわからなくなってきてるので…。

傷つきやすい人が増えたりとか、炎上しやすいとかもそうだと思うんですけど、そういうつもりで言ってないのに、こっちが意図してない受け取り方をされることが増えてきた感じがします。

その意味で「No No Girls」というオーディション番組で審査員をしてた、ちゃんみなさんは前置きがめちゃくちゃうまい女だったな~。

切り抜き動画で審査してる様子を観たんですけど、参加者に対して「ここまでです」とだけ言って落とすんじゃなくて、「あなたはグループではなくてソロとしてやっていくのでもいいと思ったから、ここまでです」みたいな言い方をするんですよね。

そう言われると、落とされてがっかりはするものの、なんかとてもうれしくなります。

言い方一つで結末が大きく変わる。これ、令和の特徴。時代です。

杉並区のゆるキャラ。なみすけとナミー

というか、自分の連載に改めて向き合ってみたせっかくの機会ですし、この回を公開したタイミングで、どういう話を読んでみたいか、インスタとかXで読者アンケートを取ってみようかな。

いろんなジャンルを取り上げてきたとは思うんですけど、大まかには、家族の話(だいたいはお母さんとのバトル)、出産・育児、恋愛、友人関係、仕事論、ドジっ子話、最近の若者論…ってところでしょうか?

こんな話を読んでみたい!という、皆さんの声をぜひお聞かせください🙇‍♀️

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