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自宅で食堂スタイルを再現。 食堂のあの器、ここで買えます。“ひとり問屋”の日野明子さん厳選!食卓を彩る器たち。
昔ながらの食堂で愛用されてきた品々や、今ドキの食堂が選ぶこだわりの器を集めました。クラフトバイヤーであり、問屋も営む日野明子さんの目にはどう映るのでしょう。愛され続けるグッドデザインたちをじっくり眺めてみませんか?
洗練されたグッドデザイン。
昔ながらの大衆食堂でなじみ深い、水玉模様の湯飲みや「キッコーマン」のしょうゆ瓶。実は、グッドデザイン賞をとったものや、デザイナーが手がけたものが多い。〝ひとり問屋〞として生活用具のバイヤーをしている日野明子さんに聞くと、「食堂の皆さんは、それがデザイナープロダクツだと知らないかもしれません」。お店の風景に溶け込み、使いやすいものこそ、普遍的で良いデザインなのだという。
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〈キッコーマン〉のしょうゆ卓上びん
商品パッケージではなく什器としてデザインされた瓶は液だれしづらく美しさを保つ。特選丸大豆しょうゆ224円
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〈副千製陶所〉の水玉茶碗・急須
有田のお隣、吉田で作られる陶器。手仕事で削り描かれるドット模様に愛着が湧く。湯呑み1,200円、急須3,000円
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〈伊万里陶苑〉のぶどう皿
実は昭和のモダンクラシックデザインなのです」と日野さん。ぶどう和皿2,000円
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渡辺力さんのユニトレイ
マネートレイやおしぼり置き、調味料の受け皿として幅広く活躍。S 1,200円、M 1,400円、L 1,700円(つや消し仕上)
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〈東洋佐々木ガラス〉のHSスタックタンブラー
1974年の時点でグッドデザイン賞を受賞している国産グラスのスタンダード。S 230円、M 240円
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「ラッキーウッド」のデラックスシリーズ
新潟県燕市産の洋食器。デザートスプーン700円、デザートナイフ1,800円、デザートフォーク700円
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〈白山陶器〉のG型しょうゆさし
〈 白山陶器〉で活躍したデザイナー、森正洋氏が手がけたデザインを60年以上守り抜いている。1,400円(小)
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〈デュラレックス〉のピカルディ
1960年代にフランスから輸入され普及した。左から、「ピカルディ1140」400円、「ピカルディ1150」360円
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〈イケダ〉のカレー皿
よく見かけるカレー皿。長年メーカーを探していたら燕市を訪れた時に発見しました」(日野さん)。1,750円
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食堂に欠かせない招き猫の本場は愛知県の瀬戸焼といわれている。「15㎝亀甲柄招き猫」3,000円
〈白山陶器〉の森正洋氏や〈伊万里陶苑〉の岡本榮司氏、〈キッコーマン〉のしょうゆ瓶を手がけた榮久庵憲司氏などは、いずれも昭和のデザイン界を代表する巨匠。
日野さんは「それらが決して偉ぶることなく、ひっそりと使われているところに〝昭和〞の奥ゆかしさを感じます」と感慨深げ。「腰がどっかりと座ったようなデザインが多く、耐久性や安定性などの機能面も優れている。だから食堂という過酷な環境にも耐えてきたのでしょう。今こうして再び注目されているのを見ると、〝長生きして良かったね〞と声をかけたくなります(笑)」
〝今ドキ食堂〞で大活躍の個性あふれるクラフト器
対して〝今ドキ食堂〞では、器選びにこだわりが見える。店主がお気に入りの器を集め、料理だけではなく器でも個性を表すようになってきた。彼らが愛用する器を並べてみると、「個人作家や窯元のものが渾然一体。〝使う人の使い方が上手になった〞ということだと思います」。なかには、丁寧に扱わないと欠けたりシミが入ったりしてしまう繊細なものも。「ひとつひとつ大切に扱うのは、大衆食堂ではできないこと。家庭と同じように使っているので、真似しやすいですね」と日野さん。
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「HASAMI」のプレート
目の覚めるようなビビッドカラーが人気。朝ごはんに使いたい。プレート(レッド)2,700円、
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「HASAMI」のブロックマグ
ブロックマグ(マスタード)1,500円、ブロックマグ ビッグ(グレー)1,800円
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松田共司工房の飯碗
全国の民芸品、工芸品を扱う。「4寸マカイ」1,500円。
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「sen」のTOKUSA
波佐見焼のブランド「sen」を手がける長岡千陽さん。「TOKUSA」2,300円
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内山太朗さんの兎のレリーフプレート
現在は津市で作陶する人気作家。7,000円
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内山太朗さんのオーバルプレート。4,500円
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〈TOJIKI TONYA〉の小皿
主に東海地方の陶磁器を扱う〈TOJIKI TONYA〉からは、ユニークな柄形の小皿が。右・古染の小皿各680円、左・KIKKA 2.5寸小鉢700円
家で食堂を再現するなら? 「主菜を盛る大きめの器、小皿や小鉢、飯碗、汁椀をそろえると一汁三菜の定食ができます。〝今ドキ食堂〞のように好きなものを集めていくと、自然といいコーディネートになりますよ」
■日野明子
ひの・あきこ/クラフトバイヤー、問屋、アドバイザー。〈スタジオ木瓜〉代表。全国を巡り歩き、作り手と百貨店やショップをつないでいる。ブログ「うつわの連絡帖」はこちらから。
(Hanako1156号掲載:photo : Yoichi Nagano styling : Akiko Hinotext & edit : Kahoko Nishimura)