きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム~第68回 親しき仲にも礼儀ありだわよ~
第68回 親しき仲にも礼儀ありだわよ
皆さま、ごきげんよう。すっかり疎遠になっていた友達とついに再会できた、きゃりーぱみゅぱみゅです。

皆さんにも、なんか気まずいまま連絡をとらなくなっていった人っていますでしょうか?
私の大親友のうちの一人も、つい最近までそんな状況でした。
疎遠になったキッカケは、ほんと些細なことから始まったプチ喧嘩です。
最後にお互い「ごめんね」と言って一応その喧嘩は終わったはずだったんですけど、でもそれ以来、変に連絡をとりづらくなってしまいました。
音信不通が続くこと、なんと1年半。
私の友人関係でこんなに長いブランクができるのは、人生で初めてです。
でもSNSでつながってさえいれば、お互いの近況を知ることができる現代。
彼女の最近の動きをチラ見しつつも、スルーするという日々が続いていました。

スルーの期間が長くなればなるほど、気まずさは増していきます。
そして「今さら、いいねとかDMをしたところで⋯」と思うようになっていきます。
これは、私の“強がり”といえばそうなのかもしれません。
でも内心は、彼女からどんな反応が返ってくるのかが怖くなってしまったんですよね。
それからは夜の公園で一人、うずくまってベンチに座るみたいな日も増えました。
例えば、夫のしょーのさんと喧嘩した日。
前だったら、まずは彼女に会って話をいろいろ聞いてもらえたけど、もうそれができません。
もちろんその相手は、マネージャーさんとか他の友達とかでもいいんですけど、その人たちは基本的に私たち夫婦共通の知り合いなので中立的な立ち位置です。
いつでもどこでも無条件で私の味方になってくれる昔からの“私の友達”は、彼女以外にほとんどいない。

そんなことを公園で一人、痛感しました。
このままだと、もう二度と会わないまま一生が終わってしまうかもしれません。
もしそうなったらきっとすごく後悔することは、頭ではわかっています。
わかっているんだけど、目の前を通り過ぎていくSNS上の彼女に対して何もできなくて、ただただモヤモヤとしたまま、いたずらに日々が過ぎていくばかりでした。
どこかの道でばったり会えたりしたらいいのにな、という淡い期待とともに⋯。
偶然「お〜、久しぶり」みたいな感じで会うことができたら、どれほど私は救われるか。
もう自分にはこのパターンしか残されていないと思ってました。

結局、一人でもがいている私に手を差し伸べてくれたのは、彼女でした。
「わ〜! おめでとう!」
赤ちゃんが生まれたことをインスタで報告したら、突然届いたDM。
道で偶然会えないかな?からの、もうその頃には夢で彼女を見るようになっていた私にとって、その久しぶりの連絡がどれだけ救いの光になったことか⋯。
すぐに「ありがとう! 元気?」と返事して、最後の「近いうちに赤ちゃんに会いに来てね」まで、やりとりを数往復続けました。
ただ「会いに来てね」とは言うものの、それがいつになるのかは不明です。
あまりに久しぶりすぎたので、あえて再会の日程は具体的に決めないで、ふんわりとした感じでその日の会話は終わりました。
それからほどなくして、また彼女からDMが来ました。
「そこ、うちから徒歩圏内だよ!」
産後の心身の回復をサポートしてくれる“産後ケアホテル”に泊まりに来たので、それをインスタに投稿したら、彼女が今住んでいる家からめちゃ近いということが判明。
ある意味、念願の“道でばったり”コースです。
これは神様の思し召しだと思った私は、即座に返信しました。
「え! 会いに来てくれる?」
「ごめん! 今、実家😭」
「そっかそっか大丈夫だよ👍️」
残念ながら、その日は空振り。
でも、ちょっとずつ、着実に、私たち2人の距離は縮まってきている実感があります。
産後ケアホテルから帰ってきたら、またまた彼女からDMが来ました。
私のインスタ投稿に対してではなく、何もないのにいきなり来るタイプのDMです。
「実家から帰ってきました🫡」
めちゃくちゃ決意を感じました。
と同時に、大きく膨らむ期待と不安⋯。
こうして1年半ぶりの再会が、ついに実現することになったのでした。

いや〜、もうその日はひたすら大号泣でしたね。
扉が開いてお互い顔を合わせた瞬間に「ごめんね〜」と言ったら、大量の涙が溢れ出てきました。
めちゃくちゃ豪華な花束を出産祝いとして持ってきてくれた彼女に
「小心者でビビって連絡できなくなっちゃってた😭」
と、告白した私。
そして、ずっと道でばったり会いたいと願っていたことを伝えると、
「私もきゃりーと道でばったり会えないかなって、ずっと思ってたよ」
さらに、
「だけど赤ちゃんが生まれたことを知って、衝動的に指が動いてDMしちゃった😉」
もう惚れてまうわそんなん(笑)。相思相愛やん。
で、そこからはそっこーで関係が完全復活!
やっぱり物理的に会うということは本当に大切みたいで、昨日まで会ってた友達にまた今日も会ったみたいな感覚になるものなんですね。
1年半もブランクがあっただなんて、マジで信じられないレベルです。
ちなみに喧嘩をしたままずっと放置されてたLINEは、その履歴が目に入らないように、適当な画像を送信しまくることで画面の上に押し上げて、大掃除しておきました♪

今では毎日連絡をとりあっては、週一レベルで遊んでいます。
おかげさまで昔とまったく同じ感じで元通りになれたし、公園で一人でうずくまるみたいなこともなくなりました。
会ってない間っていったいなんだったんだろう?って思えるくらいです。
まあ、これに関しては、もともと私が忘れっぽい性格だから、というのもたぶんあると思います。
細かいことを忘れちゃうから元通りになりやすいし、基本的に嫌なことは忘れて上澄みのいい思い出だけが、私の脳内に残るようになっているっぽいんですよね。
良くいえばポジティブだし、悪くいえばお調子者だし、だから私はどんなひどいことをされた元カレとも普通に仲良くできるのか⋯と妙に納得してしまいました(笑)。
でもそのくせ、本当にどうでもいいめっちゃ細かいことだけはなぜかずっと覚えていて、たまに“思い出し怒りん坊”になっちゃうんですよね。
いや〜、ほんと自分のことって、よくわからないものです。

さて、そんなわけで、完全に元通りに修復できた私たち2人の関係性。
しかし、ひとつだけ前とは変わったところがあります。
先日、バレたというか気づかれたというか、彼女からこんなことを言われました。
「私に対して、すごく気を遣うようになったね」
そうなんです。実は、自分なりに言い方とかに気をつけるようにしてました。
親しき仲にも礼儀ありみたいな、仲良すぎたがゆえに失敗したところがあったと反省したんですよね。
私たちは昔からの仲良しだけど、もう昔のままではなくて、それぞれの人生を歩み始めてからけっこうな時間が経っています。
お互い生きたら生きた分だけ、それぞれの経験を積んで、それぞれの立場になって、価値観もそれぞれ変わっていきます。
実際に私も人の親になったわけだし、お互いに変わったことに対してリスペクトを持たないといけないよなって思うようになりました。
昔からずっと変わらない関係でありつつも、時の流れに合わせて変えていくべき部分もたぶんあるのでしょう。
そう思いながら、気遣い強化月間を続けています。
とはいえ、すでに気心知れた親友に対して改まって気を遣うのは、なかなかうまくできないものですけどね。
敬語からタメ口に変わるときに似た、ぎこちなさがあるような…。
だから彼女にバレたんだと思います。
まあ、でも継続は力ですからね。とりあえず頑張ってみますよ。
それがナチュラルにできる人こそ、大人なLADYと思ってね😉



















