きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム~ 第66回 強迫性障害かもしれないわよ~

第66回 強迫性障害かもしれないわよ
皆さま、ごきげんよう。人生を30年以上生きてみて「自分にはちょっとおかしな部分があるのかもしれない」と、だんだん思うようになってきた、きゃりーぱみゅぱみゅです。

そこで今回は、事務所の後輩「FRUITS ZIPPER」の人気曲『わたしの一番かわいいところ』に便乗して、“わたしの変わったところ”を発表してみようと思います。
①隙間NG
まずは隙間。
ちょっとでもあいてたりすると、それがめっちゃ気になってしまいます。
ドアとか引き出しの隙間もそうなんですけど、一番気になるのはカーテンです。
うちのは麻素材で生地が柔らかくてすぐに隙間ができてしまうので、それが気になって気になって…。

なら生地変えろよって話なんですけど、私はすっかり“隙間警察”になってしまいました。
常に隙間があいてないかチェックして回っては、すこしでもフニャつきを感知したら、カーテンをアイロンがけしてシワを伸ばしまくってます。
それでもってクリップで挟み込んで、徹底的に光をシャットアウト。
前世はカーテンの隙間に殺されたのかな?って思ってしまうくらいの異常な執着ぶりです。
もうかれこれ5~6年はこんな感じでしょうか…。
昔はまったく気にならなかったので、まさに私の“変わった”ところですね。2つの意味で。
あと、カーテン以外に、照明の根元についてるカップも同じくらい気になってしまいます。

照明を天井に取り付ける部分を覆っている、あのプラスチックのカップです。
それがだんだんずり下がってきて、天井とカップの間に隙間ができるのが許せないんですよね。
なので、いつも夫のしょーのさんにお願いして椅子に乗ってもらい、カップを天井に押し当てて隙間を塞いでました。
でも、何回もお願いしてるうちに「え💦」と若干引いてる感じがしてきたので、今では私が突っ張り棒で、下から直接カップをエイヤと突き上げまくってます。
②左右差NG
これも昔はまったく気にならなかったんですけどね~。
でもこの数年で左右を均等に揃えたり、それが難しければ左右でバランスをとるということに異様にこだわるようになってしまいました。
おかげで、しょーのさんと一緒に自宅の壁掛けの絵とか観葉植物の配置を「2センチ上、はいちょい右、はいストップOK」とエンドレスで微調整する日々です。

左右差が気になるのはお部屋のインテリアだけでなく、自分の顔なんかもめっちゃ気になります。
そもそも人間の顔って、左右差が絶対にあるものです。
なんですけど、それが気になって仕方ない私は、例えばメイクで涙袋を描いてるときに、左右でちょっとでも雰囲気が違うとなると何回も何回もやり直し。
眉毛も左右差がないか、めっちゃ確認したりする女になってしまいました。
③傷NG
これも最近になって急にです。
前回のコラムでもおてんばエピソードを披露しましたが、私はちょくちょくドジをしては負傷しています。
そういう事情もあって、そもそも私は体やモノに傷がついても気にしないタイプだったはずなんですよね。
iPhoneも今までずっと裸で持ってたし、よく落としてたし、なんなら失くしても「どうせiCloudでバックアップとってるからいいや」という感じでした。
なのにどういうわけか、最近になってやたら傷が気になるという…。

そうなったキッカケはある日、しょーのさんから「iPhoneの画面、傷ついてんじゃん」と言われたことでした。
買い替えたばかりのピンク色の機種でめっちゃ気に入ってるんですけど、バッグの中で一緒に入れられていた鍵にこすられたのか、薄っすらピーッと傷が入ってたんですよね。
それがショックすぎてトラウマみたいになってしまい、それからというもの、知らぬ間に傷が入ってないかと血眼で探すようになってしまいました。
さらにiPhoneのみならず、靴とかバッグも新品を買うたびに傷はないかといちいちジーッとチェックする女に…。
まあ、傷を見つけたところで「ほ~らあったじゃん」というだけの話で、別に返品するとかクレーム入れるとかではないんですけどね。
ただ、気に入ったモノはきれいに長く使いたいという気持ちが、年々強くなってきた気はします。

④黄色NG
私は黄色が苦手です。
これには、小学生の頃にめっちゃ流行った“プロフィール帳”が関係しています。
友だちにお願いして、生年月日、あだ名、好きなもの、好きなタイプといった情報をプロフィール帳に書いてもらうんですけど、その中にこんな質問もありました。
「手帳の持ち主は、色で例えると何色?」
私は、その答えに「黄色」とよく書かれてたんですよね。
大人になった今でも「中身が小学3年生男子」、現役小学生当時も「男子みたいな明るい性格」とよく言われていたので、そのせいで不動の黄色担当になったんだと思います。

「でもほんとはピンクが好きだし…」
内心ではそう思ってました。
そしてその気持ちはだんだん強くなっていって、それと同時に黄色を意識するようになり、やがて黄色のものを選ばないようになっていきました。
そうやって黄色NGな女が、自分の中からじわじわ出てきたという感じです。
というわけで、私は黄色の衣装でライブをしたことがほとんどありません。
さすがに“カラフル命”な職業上、黄色全部NGというわけにもいかなくて、レモンイエローとかバターイエローみたいな“真っ黄色じゃない黄色”であれば取り入れるようにしていますけど、でも基本的に黄色は使わないようにしています。
こうして振り返ってみると、周囲からの「男子みたい」という印象への反発が、きゃりーぱみゅぱみゅの世界観の根っこにあるのかもしれないですね。

細かいNGを挙げるとマジできりがないのでここらへんにしておくとして、とりあえず以上が“わたしの変わったところ”になります。
現代ってほんと便利になったもので、そういう変わったところをネットで検索してみると、もしかしてこれかも?という病名を教えてくれたりします。
私の場合は「強迫性障害かも?」と出てきました。
一つのことが気になったらとことん気になってしまうせいで、不安やこだわりが異常に強くなった結果、日常に支障が出る病気なんだそうです。
わかりやすい例でいうと、出先で不安になる「鍵、閉めたかな?」とか「火、消したかな?」というやつですね。
まあ、そのくらいだったら誰でも当てはまると思うんですけど、それが過激になってくると強迫性障害という名前がつくらしい…。
例えば、どんなに遠くまで出かけてたとしても、鍵を確認するために予定をキャンセルして家に帰っちゃうとか。
あるいは私みたいに隙間警察になっちゃったり、傷とかわざわざ探しちゃったりとか。
検索で出てきた「強迫性障害チェックリスト」をやってみたら、けっこうな確率で私は該当しそうなことがわかりました。
そして、その結果を見て「あ、だよね?」となんか腑に落ちるというか、変な話、ちょっと安心することができたんですよね。
そもそもこういう“変わったところ”って、人に相談しても「何それ変なのw」で終わってしまう話です。
だから「自分はなんでそうなんだろう?」という違和感を感じながら、ずっとモヤモヤし続けるしかありませんでした。
私はほんと鈍臭くていつもドジをやらかしてしまうし、自分でもそれがすごい嫌だし、しょっちゅうモノを失くして「何度探してもない!」と大騒ぎしては、実は目の前の棚にあるみたいなことばっかりです。
しょーのさんから「ちゃんと見ろ」って四六時中言われてるし、自分のアホさ加減につくづく嫌になりますが、そのたびに「でも、そういう自分はきっと何かなんだろうな」と思って生きています。
だから、自分に当てはまるかもしれないその“何か”がわかると、それだけですごく気が楽になれるんですね。
それは、相手に対してもそうです。
「あんなことをするのは、このせいなのかもしれないな」と思えるだけで、嫌な気持ちだとか、なんでそうなの!?という腹立たしい気持ちが和らいでいきます。
「きっと何かなんだろうな」で自分も穏やかになれるし、周りにも優しくなれます。
結局のところ、自分の気持ちが楽になることが一番大切なんだと思います😉