美容賢者の温泉選びが参考になる!「最も重要視してるのは泉質より〇〇」
きたで・きょうこ/国内外の温泉を年間300湯以上巡る。“利き湯”のスペシャリストとして、温泉地づくりのアドバイスも行う。大学の講師や研究員も務める。
こばやし・まりこ/JCSP日本睡眠改善カウンセリング主宰。日本睡眠環境学会奨励賞受賞。近著に『小林式 マインドフルネス入浴法』(MdnBOOKS)がある。
まえだ・きしこ/モデルを経て、現在の道へ。日々国内外を旅し、旅行や美容を中心とした記事を雑誌やWebに数多く寄稿。東京と和歌山の二拠点生活を送る。
「美肌の湯」を看板に掲げている温泉がたくさんある中、私が一番大事にしているのは、お湯の「鮮度」が高いかどうか。湧きたてフレッシュな源泉掛け流しの湯は、アンチエイジング効果があることが科学的にも証明されています。なので、温泉は究極のエステだと思っています。
私も、源泉掛け流しであることは重要視しますね。
不要な角質を洗い流してくれる炭酸水素塩泉や、メラニンを抑制し血流を促す硫黄泉、保湿効果があるとされるカルシウム硫酸塩泉など、泉質によって美容効果が異なるので、悩みや目的に合わせて温泉を選ぶのがいいと思います。
私が一番意識しているのは、温冷交代浴ができるかどうか。熱い湯とぬるめの湯に交互に浸かる温冷交代浴は、血流を良くし、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促すとされているんです。また、のぼせ対策のためにも肌のためにも、入浴中に水分をとるようにしています。
美には質の良い睡眠を。
睡眠カウンセリングを行っている私は、温泉に入った後にいかに質の良い睡眠をとるかを最重要視しています。
いくら温泉に入って保湿力を高められたとしても、眠りの質が悪ければ台無し。睡眠不足は肌を酷使することにつながってしまいます。入浴後は、まず靴下をはいて冷やさないようにするのがマイルール。冷気は重いので、入浴後は暑く感じても足元が冷えていることもあります。足から放熱して深部体温がぐっと下がれば、深い睡眠までの到達時間が早くなるのですが、足元が冷えすぎていると放熱ができない。だから足を温めることは大切です。
そしてベッドに入ったらすっと靴下を脱ぐ。そうするとぐっすり寝られるはず。睡眠は7時間程度はとりたいですね。眠りを促し、抗酸化作用を持つとされるメラトニンというホルモンの分泌を高めるためにも、明るすぎる部屋は避けて。
私自身、自律神経が乱れてしまって、あまりよく眠れなくなってしまったことがあり、その症状をどうにかしたくて温泉に入り始めたという経緯があるので、温泉は良質な睡眠につながるとも実感しています。結果、温泉に大ハマりして、いいことばかり。血流が良くなるからなのか、自宅のお風呂と違って、入浴後に心地よい適度な疲れを感じるんですよね。その経験をくりかえしていたら、普段からぐっすりと眠れる習慣がついて、肌の調子も上がってきました。
以前はただ浸かるだけでさっと上がってしまうことも多かったのですが、肌のためにも健康のためにも、ゆっくり長く浸かることが大切だと気付きました。体の芯から温まっていると感じるくらい入った後は、肌もぷるんとしてくる気がします。
温泉のメリットを十分に享受するためにも、ピュアで鮮度の高い湯をまるで化粧水のようにばしゃばしゃと惜しみなくつけるのもおすすめ。さらに、湯口から汲んだ源泉にフェイスタオルを浸し、軽く絞ってから顔にのせると「温泉蒸しタオル」に。角質や毛穴汚れなどがすっきり落ちて、肌がやわらかくなります。湯上がり後の化粧水も浸透しやすくなり、うるツヤ肌の完成。敏感肌でない方は、せっかくの温泉成分をシャワーなどで洗い流さないのもポイントです。
化粧水のようにって、いいですね。美肌にいい湯と聞くと、ついつい濡れた手で顔をこすりたくなっちゃうんですが、それは絶対にNG。肌に負担がかかってしまうので、北出さんがおっしゃっていたように、肌に浴びさせるイメージで顔にかけるのがいいと思います。また、湯上がりには、顔だけでなく全身しっかりと保湿することも忘れずに。
先ほど、家のお風呂との違いの話になりましたが、温泉の魅力って泉質だけでなく、浴槽の広さにもあります。頭を浴槽の縁に預けて、体を浮かせる「浮遊浴」をぜひ試してみてほしいです。深呼吸してお湯に体を預けることで、よりリラックスできるはず。
より美しくなれる宿へ。
美容を意識するならば、泉質や入浴法にこだわるのはもちろん、幸せなひとときを過ごせるかも大切ですよね。素敵な温泉宿やホテルに宿泊して、気分を高めることはアンチエイジングにもつながりそうです。
自然豊かな場所に位置する温泉に行くことも、美容に意味がありそうですよね。その日だけでもスマホやパソコンから離れて、自然や温泉に身を委ねることも大切ですね。
ストレスも美容の大敵。日常から離れてお気に入りの宿でのんびりと過ごし、入浴後はしっかり保湿。そして良質な睡眠を心がければ、確実に美に近づけると思います。