中国茶、ハーブティ、韓国のお茶など、世界のお茶に魅せられて|前田エマの、日々のモノ選び。#21

中国茶、ハーブティ、韓国のお茶など、世界のお茶に魅せられて|前田エマの、日々のモノ選び。#21
中国茶、ハーブティ、韓国のお茶など、世界のお茶に魅せられて|前田エマの、日々のモノ選び。#21
LEARN 2024.12.02
30代という年齢は、“モノを選ぶ眼”が育ち養われてくる年齢ではないだろうか? 流行りものやブランドものではなく、自分が心地いいモノを選びたい。生産の背景を知り好きになるモノだったり、多少値が張っても人生をかけて大切にしたいと思えるモノだったり…。そういった視点でモノを選ぶ前田エマさんが、ご自身の私物とともに「モノの選び方」について綴る連載です。第21回目は“こだわりのお茶”について。

お茶が好きだ。

コーヒーを飲まない日はときどきあるけれど、お茶は必ず毎日飲む。しかし、「私ってお茶が好きなんだ」と気が付いたのはここ十年ほど。「食事のあとはお茶で必ず一服」というような家庭で育ち、物心つく前から家でよくお茶を飲んでいたので、好きも嫌いもなく、こだわりも特になかったのだ。 

そんな私がお茶に対して興味を持ち始めたのは、仲良くなった友人の家に遊びに行った際、中国茶でもてなしてくれたからだった。その友人は、“おちょこ”サイズの小さな湯呑み(茶杯)に中国茶を淹れて、ふるまってくれた。お盆の上には、様々な道具が置いてあり、茶杯を温めたり、お湯を捨てたり、茶葉を整えたり…。そういった過程が、まるでパフォーマンスのようで面白かった。

今までガブガブ飲んできたお茶とは違って、少しの量をちょこちょこ飲む。同じ茶葉から何杯もお茶を淹れ続け、味が変わっていくのを楽しむ。それから私は東京で中国茶が楽しめるお店を色々巡るようになった。

ちょうどその頃、台湾や上海、タイなどアジアを旅するようになり、その土地ならではお茶の文化に魅せられていった。世界がお茶を通して繋がっているような感じに、ワクワクした。

韓国に留学したときも、積極的にお茶の店を回った。茶葉を摘む季節によって名前が変わる緑茶。植物の実を使った甘いお茶や健康のために飲むお茶。本当にさまざまで、人々が生きていくための知恵として、そして楽しみとしてお茶と一緒に生きてきたことを実感した。

今、私が自宅でよく楽しんでいるのは、ハーブティだ。

自宅のベランダで育てているハーブを摘んで、ていねいに洗い、そのままお湯を注いで飲むのがいちばん好きだが、葉を乾燥させて瓶に保管しておくこともある。

地方に出かけると道の駅などで、乾燥させたカモミールなどのフラワーハーブティなどが売っていると、すぐに買ってしまう。

中国茶もすごく好きで、茶器も少しずつ集めている。

茶葉は友人からプレゼントされることが多いのだが、自分で茶葉をときどき買いに行くのは、西荻窪にある〈サウスアベニュー〉。この店は、ジャスミン茶を中心に、様々な中国茶葉を扱っている。飲み切りしやすいサイズ感なのも好きだし、お土産なんかにもちょうどいい。横浜の中華街に行くときも、お店をいろいろと覗いてしまう。

韓国に留学していたときは、手軽に使いやすいティーパックのお茶が重宝した。

チェジュ島産の茶葉を使ったブランド『OSULLOC』は、ソウルにもカフェがあり、そこでしか頂けないオリジナルなドリンクが大人気。ティーパックももちろん美味しくて、様々なフレーヴァーがあり選ぶのも楽しい。

フレーヴァーティーにありがちな「安っぽい雑貨みたいな味」ではないので、お土産にも喜ばれると思う。

“野菜を美味しく大切にいただく”をコンセプトにしたソウルにあるレストラン『yangchule seoul』『veggie weekend』が作ったお茶は、最初は慣れない味に驚くが、飲んでいるうちにクセになる身体がスッとするお茶だ。

韓国では高齢人参茶のティースタンドを街中で見かけることも多かったし、自身の体調を知るために飲むオミジャ茶も何度か飲んだ。オミジャ茶は酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の5つの味を持つと言われていて、どの味を強く感じるかで体調がわかると言われている。

そんなふうにお茶で体調を整える韓国人、特に若い人たちの間で「むくみが取れる」と大人気の「LUV TEA」は、小豆やかぼちゃから作られている。お通じにいいと言われているピーチルイボスティーも飲みやすい。

今回、紹介したのは自宅にあるお茶コレクションの一部だが、こんなふうにして私はお茶を楽しんでいる。

プロフィール
前田エマ
前田エマ

1992年神奈川県生まれ。東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーの留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アート、映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2022年、初の小説集『動物になる日』(ミシマ社)を上梓。6月20日に韓国カルチャーガイドブック『アニョハセヨ韓国』(三栄)を刊行。
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photo_Kasumi Osada hairmake_Aya Murakami edit_Kei Kawaura

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