コーヒータイムもSDGs。料理の匠が実践する、自分にも環境にもやさしい生き方17選
職人の技と風土が育むものを使う、できるだけ長く使う、リサイクル可能なものを選ぶ…。〈eatrip〉主宰の野村友里さんが実践している暮らしの大事なことを紹介します。
- ▽1. 経年変化と修繕の楽しみがある和紙の天板
- ▽2. 母から受け継いだ、半世紀を生きる銅鍋
- ▽3. 落ち葉も捨てずに、庭でも小さな循環を作る
- ▽4. 毎朝のコーヒー習慣で、美しくゴミ削減
- ▽5. 絨毯、イグサ。階段も“肌触り”重視で
- ▽6. 1年に300日くらいヘヴィロテするフライ返し
- ▽7. 和室にも洋室にも合う、左官のテーブル
- ▽8. 細かなパーツまで「循環」の可能性を探る
- ▽9. 買い物にも、ディスプレーにも使える卵入れ
- ▽10. 和紙を通した、柔らかな光を楽しむ
- ▽11. すぐ手に取れて、いつも清潔に保てる収納
- ▽12. キッチンのタイルから、都市ゴミを考える
- ▽13. 調理器具であり、器にもなる木のまな板
- ▽14. 改良された植物を、自然の姿に戻す試み
- ▽15. どこにでもハマり、空間を彩る小さな棚
- ▽16. シナノキのキッチン収納と、真鍮の取っ手
- ▽17. 日本の“ヴィンテージラグ”を日常に
1. 経年変化と修繕の楽しみがある和紙の天板
ダイニングテーブルは、和紙職人のハタノワタルさんに依頼し、京都で800年の歴史を誇る黒谷和紙で天板の表情を新たにした。
2. 母から受け継いだ、半世紀を生きる銅鍋
道具は長く使いたいから、継承したものも多い。底がボウル状の大きな銅鍋は、料理教室を主宰する母・紘子さんの長年の愛用品。
3. 落ち葉も捨てずに、庭でも小さな循環を作る
庭の木々から落ちた葉は、袋に溜めて腐熟させ堆肥にする。「小さくても地面があれば、都市でもできることがある」と、野村さん。
4. 毎朝のコーヒー習慣で、美しくゴミ削減
竹細工職人・吉田直樹さん作。素材を炭化竹に加工し、薬剤や塗料を使わず防虫、防カビ効果を高めている。見た目も美しい。
5. 絨毯、イグサ。階段も“肌触り”重視で
板張り一辺倒でなく、「絨毯も畳も、触れていたいもの」と野村さん。階段を絨毯敷きにし、手すりにはイグサを巻き付けた。
6. 1年に300日くらいヘヴィロテするフライ返し
道具はなるべく「長く使う」。愛用のフライ返しは、5年ほど前にたまたま手に取ったもの。先端の薄さなど使い勝手が抜群。
7. 和室にも洋室にも合う、左官のテーブル
オーダーメイドの左官塗りのテーブル。「飽きがきた家具も再生でき、例えば好きな植物を混ぜ込んでオリジナルを作ることも」
8. 細かなパーツまで「循環」の可能性を探る
キッチンの収納の取っ手も、木材で。流木のような自然の造形が美しく、滑らかな曲線と木の温もりが触れるたびに手に伝わる。
9. 買い物にも、ディスプレーにも使える卵入れ
岡山県倉敷市でイグサの籠を作る職人、須浪隆貴さんの卵入れ。繰り返し使えて、そのまま壁にディスプレーしても美しい。
10. 和紙を通した、柔らかな光を楽しむ
階段の踊り場の明かり取りの窓には、和紙のカーテンを。強い日の光が和らぎ、貼り合わせの模様が独自の陰影を作る。
11. すぐ手に取れて、いつも清潔に保てる収納
「しまっている暇がない」ほど活用する木べらや菜箸は、陶器の器に立てて収納。左の陶器はLA在住、Shoshi Watanabeの作品。
12. キッチンのタイルから、都市ゴミを考える
都市で出るゴミ由来の「溶融スラグ」を釉薬に使ったリサイクルタイル「モルテノヴァ」。色のグラデーションもリズムになる。
13. 調理器具であり、器にもなる木のまな板
円形はヨーガン・レールさんから譲り受けたもの。大きな長方形は盛永省治さん、小さい方はアメリカ人Jesse Schlesingerの作。
14. 改良された植物を、自然の姿に戻す試み
庭ではシクラメンをはじめ、原種の花々の栽培に挑戦。商品価値や流通の都合による品種改良の意味を、食材以外からも考える。
15. どこにでもハマり、空間を彩る小さな棚
〈In a Station〉所属の木工作家・河野俊介さんに依頼した作り付けの棚。小型でどんな場所にもハマる予感。まずはキッチンで。
16. シナノキのキッチン収納と、真鍮の取っ手
無塗装の木材という、チャレンジングな選択をしたキッチン収納。真鍮製の取っ手を含め、使い込んで風合いが出るのが楽しみ。
17. 日本の“ヴィンテージラグ”を日常に
山形県山辺町で、絨毯づくりの全工程を自社で手掛ける〈山形緞通〉の絨毯。「肌触りのよさが別格、失いたくない技術」と絶賛。