幼い頃から自然と背負ってきたリュックサック|前田エマの、日々のモノ選び。#10
30代という年齢は、“モノを選ぶ眼”が育ち養われてくる年齢ではないだろうか?流行りものやブランドものではなく、自分が心地いいモノを選びたい。生産の背景を知り好きになるモノだったり、多少値が張っても人生をかけて大切にしたいと思えるモノだったり…。そういった視点でモノを選ぶ前田エマさんが、ご自身の私物とともに「モノの選び方」について綴る連載です。第10回目は“リュックサック”について。
今でこそ、スーツを着た会社員がリュックサックを背負っている姿を目にすることは珍しくないが、私が幼かった頃、街中ですれ違う大人の男性は、ほとんどが鞄を手持ちしていた。しかしそんな中でも、私の父はリックサックで通勤していた。少なくとも私が物心ついた頃にはすでにリュックサックで、それ以外の鞄を使っているところを見たことはない。
私が小学生の頃は、黒くてカッチリとした、それこそスーツに馴染むようなデザインのシンプルなリュックサックだったが、「重いから」という理由でどんどんカジュアルになっていき、ついにはメッシュ素材のカジュアルなデザインにまで辿り着いた。
色も黒ではなく、蛍光色が入ったりしていて、(その上、派手な色の靴下を履き、ネクタイもカラフルなので)すごく楽しそうなスーツスタイルなのだ。
そんな父を見て育ったからなのか、私も幼い頃からリュックサックを自然と背負ってきた。
高校時代は指定の肩掛けスクールバックが嫌で(重いのに片方の肩だけで荷物を持つだなんて、馬鹿げていると思っていた)、先生たちに見つからないよう時には遅刻したりしながら、リュックサックで通学したりした。
大人になった今も、1週間のうち6日くらいはリュックサックを背負っている。
私が今、いちばんよく使っているのは、〈無印良品〉の黒いリュックサックだ。
まず、パソコン収納ポケットがついているので、毎日のようにパソコンを持ち運ぶ私には嬉しい。パソコン収納ポケットの手前に、仕切りポケットもついているので、クリアファイルやノート、本などを安心して入れられるのもいい。
両サイドのポケットには、必需品の折り畳み傘と水筒を。
フロントポケットは、リップクリームなど小物を入れるのにちょうどいい。
背中にはキャリーケースの持ち手に取り付けられるベルトが付いていて、これがものすごく重宝している。肩に負担がかからない設計で、撥水素材なのも便利だ。
無印良品のキッズサイズのリックサックも、ずっと使っている。
現在、私が持っているものと全く同じデザインのものは売られていないようだが、違うデザインのものはあるらしい。
正直にいえば、このサイズのリュックサックに入る程度の荷物量なら、程よい大きさのハンドバッグや、薄手のトートバッグを使うこともある。
しかし、荷物が少なくても、水筒、本、小型カメラなど、重たいものを持ち運ぶ私には、両方の肩で荷物の重さを受け止めてくれるリックサックの存在がありがたい。
両手が空くので、外出時のストレスも軽減されるのだ。
大学生の頃、ウィーンに留学した。
そのときの春休みに2週間ほど、ひとりでヨーロッパを貧乏旅行したときから、ずっと使っているのが、〈OMM〉の35ℓサイズのバックパックだ。
留学する直前、旅慣れている友人とアウトドアショップに行って買った。
予算オーバーだったし、私はもう少しほっこりとしたデザインのものを買うつもりだった。
「え?!なんか男っぽいデザインだな…。しかも私にはあまり似合わない色だと思っているオレンジが入っている!」と当初はあまり気に入らなかったのだが、どういうわけか今では大のお気に入りだ。
このバックパックは荷物の大きさに合わせて、柔軟にサイズが調節できるし、腰のベルトに付いている小さなポケット(チャック付き)なども便利。
素材も軽くて、誰ともデザインが被らなくて、これぞ旅の相棒という感じだ。
いちばん最近手に入れたのが、韓国留学中に友人たちが誕生日にプレゼントしてくれた〈mmo garden(エムエムオーガーデン)〉のリュックサックだ。
このリュックサックを初めて見たのは大好きな美術館のミュージアムショップだった。
私は日本から友人たちが来ると、よくその美術館へ連れて行ったのだが10人中9人くらいが、このリュックを買って帰っていった。
中にはサイズ違いで購入した友人もいた。
軽くて、小さく丸めるとメイクポーチくらいのサイズになるので、旅行の際にサブバックとして持っていくのにもちょうどいい。
こんな感じで、これからもいいリュックサックと出会って行けたらうれしい。
rib×taffta dressカーキ \39,600
(venit/ヴェニット)@venit_official
Harumi Showroom / ハルミ ショールーム 03-6433-5395