きゃりーぱみゅぱみゅの大人なLADYになるわよコラム〜 第53回 やべー人はそっ閉じするわよ〜
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。第53回は「対人関係のもやもや」について。
第53回 やべー人はそっ閉じするわよ
皆さま、ごきげんよう。人生、生きれば生きるほど、変な人に遭遇することが多くなるものだとつくづく思う、きゃりーぱみゅぱみゅです。
皆さんは対人関係で「…ん?」と相手に対して引っかかりがあったとき、どうしていますか?
私は、体調に異変を感じたときにすぐ「微熱 咳」で検索するみたいな感じで、まずはその人の特徴や行動をネット検索してみます。
まあ、極端な例でいうと「嘘 エンドレス」とか「暴言 突然」みたいな感じですね。
すると、その人が抱えているかもしれない心の病気とかが結果に出てきます。
「なるほど、そういう理由であんなことしたのかもしれないのか…」
それを読むと、自分の中のイライラやモヤモヤがすこしスッキリして、冷静になることができます。
もちろん素人判断なので、本当のところはわかりませんよ?
ただ、これをすることで一歩引いたところから客観視できたり、俯瞰できる感じになるので、相手に対してカッと感情的にならずに済むんです。
もちろん見方によっては、ある意味「病気なんだから仕方ない」とドライに突き放しているように見えるかもしれません。
だけど、そこに当てはめて考えないと、いくら自分の思いを伝えたくても相手に話がまったく通じない“ぬかに釘”の状態が続くだけなので、自分が消耗してしまいます。
さらに誰かに苛ついたり、「地獄に落ちろ〜」と恨みを持つようになってしまうと、自分の人間的価値そのものも下がってしまいます。
ましてや私はきゃりーぱみゅぱみゅですからね。ポジティブなエネルギーを世間に届けなきゃいけません。
私はそのために生きているのに、それとは真逆なことにエネルギーを使うのはあまりに残念すぎるし、そんな自分は自分らしくないですよね。
だから、「ガチでおかしいかも…」という人に遭遇したら、まずは何らかの方法でとにかく気持ちを落ち着かせて一歩引くこと。
そして、いつか相手にもちゃんとしっぺ返しがある…と信じて、その人の前からフェードアウトします。
何かギャフンと言わせてやろうとしたり、仕返ししようとしたらダメですよ〜。泥沼になってしまいます。
人生っていうのはうまくできてて、例えば、浮気をしたらいつか浮気をされるし、嘘をついたらいつか嘘をつかれて痛い目にあうものです。人にしたことは必ず自分にも返ってきます。
今はそう信じることにして、相手を許す勇気だったり、諦める潔さを持つほうが、以前の平穏な日々に戻れる早道になります。
恨み続けると自分が苦しくなってきますからね。「許せん〜!」と感情的になっている自分は、暗闇に閉じ込められている状態と同じです。
仕返しなんかよりも、自分を守ることのほうがはるかに重要なので、あえて許したり諦めることで、そこから自分を救い出してあげてください。
というわけで、許す勇気で自分を解放して、いずれ相手にツケが回ってくると信じながら、そっと縁を切ってもう関わらないようにする。
これが、たぶんガチのやべー人に対する一番正しい対処法なんじゃないかな〜と私は思ってます。
関わったら関わっただけ、自分が傷つくのはもうわかりきっていますからね。
まあ、最初から相手がヤバいというのがわかればそれがベストなんですけど、でも最初ってマジでわからないのが難しいところなんですよね。
なんなら「初めまして〜」のタイミングでは、普通の人より印象がよかったりします。で、話しているとだんだん「あれ?」となっていくという…。
隠れサイコパス的な人ってけっこう世の中にいる気がするな〜。皆さんもどうかお気をつけください。
ちなみにサイコパスではないんですけど、何でもかんでも「だよね?」って言う人が私は苦手です。
もうちょっとわかりやすく説明すると、誰かから「いや、それ違いますよ」って突っ込まれると、「あ、ごめんごめん」と素直に謝らずに、「だよね? だと思ってた」と言う人です。
私の経験上、わりとお偉いさんに多い気がします。
本当はチンプンカンプンなのに、引っ込みのつかなくなった上司とかが強引にそのまま進めていった先でよく使うフレーズなんじゃないかと思います。
実際に、とある方も、私たちを乗せた車を運転中に人知れず道に迷ってたので、私が「…その道、右じゃないですかね?」と突っ込んだら、こう言ってました。
「だよねだよね? 俺も右かな〜と思ってたんだけど、ナビは左って言うからさ。っだよねだよね、右だよね? おっけおっけ」
「おっけおっけ」じゃねーだろ! 「うわ〜ごめん。俺勘違いしてた。言ってくれてありがとう」って素直に言えんのか!?
…と、私は思ったんですけど、口には出さずに生ぬるい笑顔を浮かべておきました。
あと、ある打ち合わせではこんなこともありました。
「右のデザインで行きたいです」
「だよねだよね? 俺も右がいいと思ってた」
「あ、ごめんなさい。右と左を間違えて言ってました。左のやつです」
「あ、やっぱそっち? っだよねだよね」
「(生ぬるい笑顔)」
自分の過ちを素直に認めない“だよね系”がお偉いさんに多いのは、もともと高いプライドのせいで引っ込みがつかない人種は人の下で働くのが嫌で、例えば社長みたいなトップを目指そうとするから、自然と偉い人の中にだよね系が多くなるんでしょうか?
それとも、もともとの性格というより、簡単に負けを認めるわけにはいかない偉い立場こそが、最初は全然そんなことない人をだよね系へと育ててしまうんでしょうか?
まるで卵が先か鶏が先かみたいな話ですけど、蛙化ポイントがそれである私としては、どっちなのか気になります。