小池栄子のお悩み相談室 第22回:「マッチングアプリで出会って付き合い始めた彼が、既婚者かもしれません…」 (39歳・薬剤師)
仕事、プライベート、家庭生活含め、日々頑張っている人ほど悩みは尽きず、誰かに聞いてもらいたい、いいアドバイスが欲しい…そう思っている女性たちの声がHanako編集部に寄せられています。そこで、女優としてひときわ存在感を放ち、かついつもスパッと気持ちのいい発言をされている小池栄子さんに、人生の先輩としてアドバイスをしていただくこととなりました!隔週更新でお届けします。
――マッチングアプリでもっとも警戒したいのが、独身のふりをした既婚者との出会い。それに気づいてしまった時、どうすればいいのでしょうか。
本日のお悩み
「彼氏が欲しい」と思い早5年。周りに紹介してもらったことも何度もありましたが付き合うまで至らず、いよいよマッチングアプリに登録しました。そして、実際に食事をした6人目の人と、ようやく付き合うことに!ところが付き合って3か月たった今、彼が既婚者かもしれないという疑惑が…。というのも、土日や大型連休は会えなかったり、実は彼のことを遠回りに知っている人からも「結婚してるはず?」という曖昧な情報を得てしまったから。とはいえ、お互いの家を行き来していて彼は一人暮らしのようなので、離婚前提の別居中なのかもしれませんが。バツイチだとしたら教えて欲しいし、本当に既婚者なら怒りが止まりません。かといって確認する勇気もなく、どうやって切り出せばいいのかと悩んでいます。周りからは「忘れろ」「時間の無駄」「次!」とかよく言われるのですが、騙されていたら悔しい!ギャフンと言わせたいです(笑)。本心はバツイチでも既婚者でもなければ、このまま付き合って、結婚できたらいいなと思っています。(39歳・薬剤師)
相手にはっきり聞けばいいのに、としか言えないんですけどねぇ…(笑)。だってこの相談者は結婚したいんですもんね。もし本当に既婚者だったら、いくらこちらが結婚を望んでもできないわけですから。
――「確認する勇気がない」と言っているので、おそらく相談者も直接相手に聞くべきだとは思っているかもしれませんね。どう切り出したらいいと思われますか?
例えば「実は、たまたまあなたのことをちょっと知ってる人に出会って『あれ?あの人って結婚してなかったっけ?』って言われたんだよね。『そんなことないと思うけど』って私も否定したんだけど、なんかモヤっとしてて。まさか…そんなことはないと思うけど、既婚者じゃないよね?」って感じで聞いたらダメなのかな。
――なるほど!知人からそう言われたことは事実だから、聞きやすいですね。
今やっているドラマ(『コタツがない家』)のセリフにも「初めが肝心で、自分のペースにうまく巻き込んでいったほうがいいよ。そうじゃないと向こうのいいようにされちゃうよ」みたいなセリフがあるんですけど、まさにその通りで、関係性を作るうえでは、初めが肝心だなって思うんです。聞くのは怖いでしょうが、聞きたいことを聞けるような関係を最初に作っておいたほうがいい。だってこの問題って、“ちょっとした問題”ではないですから。突き止めて、納得いくまで話したほうがいいと思いますよ。はっきり聞いてみたら、例えば「離婚前提の別居中で、ちゃんと整理してから伝えようと思っていたところだった」とか、悪気がないパターンもあるかもしれませんから。
――言われてみれば確かに、まだ付き合って3か月だと、言い出しにくいこともあるかもしれないですね。
そうそう。まだ前の人とはっきり決着がついていないけどもう会ってはいないし…なんて考えていた時期に新しい出会いがあって、とりあえず付き合っちゃってるとか。彼が独身だったとしたら、そもそも彼は結婚したいかどうかも確認するべきかもしれませんね。
――ありそうな話ですね(笑)。答えのパターンはもっといろいろありそうです。ちなみに、もし本当に既婚者だったら「騙されていたら悔しい!ギャフンと言わせたい」とのことですが、泣き寝入りするのが悔しいという気持ちもわからなくはないです。
仕返しがしたいってことかな?う〜ん、私にはその発想はないし、仕返しの方法なんてわからないな。悔しいかもしれないけれど、仕返しをするのって一瞬の快楽で、結局自分が虚しくなりそうです。
事実そのものの辛さより、 “事実と向き合った時の自分の感情”を知ることが大事。
――でもこの相談者は、周りに紹介してもらってもいい人に出会えず、マッチングアプリで6人に会って…って自ら行動していて偉いですよね。
そう、すごく努力をしていると思います。
――ちなみに小池さんは、婚活にマッチングアプリを使うことについてどう思われますか?
自立している大人であれば、マッチングアプリで結婚相手を探すのもありだと思うし、私の周りにもアプリで出会ったという子もいますよ。でも、そもそもこんなに便利なものを利用するには、それなりのマイナス点があってもおかしくないと自覚しておいた方がいいんでしょうね。もちろん登録している人の大部分は違うと思いますが、騙されたり、結婚詐欺などの可能性も、ある程度は覚悟をして活用しなければいけないんでしょうね。私なら、もし嘘が発覚しても、その事実とちゃんと向き合いますけどね。
――というのは?
何かしんどい出来事が起きたとき、事実そのものよりも、“自分の中に沸き起こる感情”と向き合うことが重要だなと。このケースで言えば、既婚者なのに“独身だ”と嘘をつかれていたという事実が分かったら、それでも好きなのか、毎日モヤモヤを引きずりながら過ごすのか、どうしても我慢できない!って怒るのか…自分がどんな感情を持つのか、まずは自分と対峙して、感情に忠実になるべきだと思うんです。
――辛いけれど一歩踏み出して事実を受け入れることで、客観的に自分を知るチャンスを得るということですか?
そうです。それに、そもそも覚悟をして向かって行ったところで、自分の予想と違う感情になるかもしれませんよね。自分の状況なんてわからないぐらい動揺してしまうこともあるし、あれ?意外と傷つかないし平気だわ、なんてこともある。恋愛に限らず、私にもそういう経験はあります。結果が良くても悪くても、それを乗り越えて前を向いていくことが大事なんじゃないかな。