料理家の樋口直哉さんと考える、料理の苦手解決簡単tips4選&おすすめ調理器具リスト
料理が嫌いなわけではではないけど、苦手な"あの作業"や億劫な"あの工程"を思うと、つい腰が重くなってしまう…。
そんな読者が抱える料理の悩みを料理家の樋口直哉さんが課題別に解決します!
「料理好きのための21世紀料理教室」「〝おいしい〟をつくる料理の新常識」など、固定観念や思い込みを鮮やかに覆すレシピや考察を自身のnoteで惜しみなく公開している料理家の樋口直哉さん。今回、読者アンケートから浮かび上がった、みんなが抱える料理のお悩みを彼に相談してみたところ、目からウロコの金言が多数飛び出した。
「そもそも料理って、考えることから始まるもの。だから、好きでなければ、考える段階で苦痛を感じてしまうのは当然です。でも、世に出ているレシピの多くは、その解決策を提示できてないという矛盾(苦笑)。そこで僕が出した結論は、考えないことが解決策である、ということ」
のっけから大胆なロジック! では、〝考えないでできる料理〟とは?
「焼くだけ、煮込むだけといったワンアクションでできるもの。それでいて作業スペースを取らずに済むものが理想です。例えばコロッケのように、じゃがいもを茹でる、潰す、丸めて衣をつける、揚げるといった複数の工程に加え、作業スペースが必要になるメニューは〝考える〟料理、ということ」
なるほど。でも、どんな料理にも下ごしらえはマスト…ですよね?
「ハズせない料理は当然あります。ただ、下ごしらえと調理工程を混同しないこと。例えば、海老の背ワタを取るのは下ごしらえですが、ほうれん草の下茹では調理工程。省くなら断然、前者です。海老を使う料理を作らなければいいんですから(笑)。でも、調理工程は省くことはできません。そこは間違えないで」
確かに、混同しているかも…。
「今回提案するレシピは、課題ポイントをクリアした上で、〝考えないでできる〟を目指した料理です。固定観念や聞きかじった知識に左右されず、まずは一度試してみてください。〝これでいいんだ!〟と思えたら、重かった腰も軽くなるはずですよ」
苦手解決簡単tips4選
1.調理工程は省略できないので下ごしらえの不要な料理を選ぶといい。
調理工程を時短しようとするけど、そうではなくて、省くのは断然、下ごしらえの方。
2. 肉や魚は買ってすぐ、パックの状態で味付けして冷蔵庫に。
下味の工程は帰宅後すぐ、を習慣づければ、調理時の〝ひと手間〟を省くことができる。
3. 冷蔵庫に常備しておくべきは、ご飯のお供キット。
料理がどうしても億劫な時は、ご飯とお供のみでOK、と割り切る。無理しないでいい!
4. 煮物における“さしすせそ”、は忘れてもらって結構。
入れる順番は味に影響しない(煮豆以外)。固定観念を取り払うともっとラクになる。
<樋口さんが考える「これさえ揃っていればOK」調理器具リスト>
20㎝のフライパン
お手入れがラクなのは断然、フッ素樹脂加工タイプ。ミートソースやカレーは、これひとつあれば十分です。
14㎝の雪平鍋
1~2人分の味噌汁や煮物を作る鍋は、小さい方が使い勝手よし。“大が小を兼ねる”というわけではない。
まな板 大小1枚ずつ
作業スペース確保も兼ねた大きいまな板と、さっと洗えてすぐ使える小さいまな板、ふたつを上手に使おう。
はかりとタイマー
“ざっくり”の調味料や“なんとなく”の時間は、味が決まらない原因に。レシピの分量や時間は侮らない。
大きめのペティナイフ
包丁は刻む具材ごとに何本も揃える必要なし。自分の手にしっくりなじんで小回りのきく一本があればいい。