【料理が好きになるキッチン。】#1 ギャラリーマネージャー・関田四季さん
キッチンに立つのが楽しければ、毎日の料理はもっと楽しい。 必要なのは収納の工夫?道具の選びかた?暮らし上手の3人の自宅キッチン訪問から、料理時間を支える目からウロコの習慣まで。 理想のキッチンを手に入れるための、「学び」をたくさん集めました。
室内も外も見通せる眺めのいいキッチン。
「いちばん優先したのは眺めですね。庭を見ながら作って食べて、それ以外の時間も心地よく過ごせる場所にしたかった。窓はめいっぱい大きく取って、透明なガラスジャロジーを取り入れました」
ギャラリーの仕事に携わる関田四季さんが夫と子供2人、猫2匹と暮らすのは、葉山の高台に立つ一戸建てだ。キッチンは庭に面した建物南側。調理台は圧巻の緑が広がる窓に向けて配置した。
「リビングやダイニングとひと続きの開放的な空間にすることもできましたが、あえて腰高の壁で仕切ったんです。そのほうが、個々の場所の役割が明確になって、過ごしやすいだろうと思ったから」
こうしてゆるやかにゾーニングされたキッチンの真ん中には、アイランドカウンターを特注。人造大理石の天板は、作業台や配膳台としても使えるし、朝食スペースにも仕事場にもなる。カウンター下には炊飯器などの家電を置く棚と、頻繁に使う器やカトラリーの引き出し。一升瓶がするっと入るボトルスペースもある。「確かに、ここに瓶がしまえたら便利!」と膝を叩きたくなる工夫が満載だ。
「ものの配置を変えたり、問題点をメモしておいて改良アイテムを探したりもします。自分にとっての最適解を考えるのが好き。ごはんを作るのが面倒な日も、調理中の動きがスムーズだと、楽しく作業できる気がするので」
目に入る場所には、大好きな調理道具やきれいな器を並べておく。「見るたびに〝やっぱりいいなあ〞ってキュンとするものがあれば、使いたくなるし料理したくなる。それに、いい道具があると、友達が来た時もなぜかキッチンに集まってくる。じゃあ手伝って、と料理に巻き込めるのも楽しいんです」
LEARNING.1 視界をふさがない。
作り付けベンチでテーブルを囲むダイニング。キッチンとの仕切り壁は、視線が抜ける腰高に。大きな窓を生かすよう、ベンチの背もたれは低くしクッションも小さいものを並べた。
LEARNING.2 ぴったりサイズで考える。
アイランドカウンターは天板が180×85㎝で高さ85㎝。キッチン側に棚や引き出しを設け、手前角の扉の中は一升瓶も入るボトル収納。片側には椅子やスツールがぴたりと収まる。
LEARNING.3 なんでもしまえる場所を作る。
キッチンの反対側には作り付け収納。食器、乾物、猫のエサ、子供の学校の書類から関田さんの仕事のものまで、「全部しまえる場所があるから、キッチンで長く過ごせます」。
LEARNING.4 好きな道具で気分を盛り上げる。
ヤカンは中国四川省の銅製。土鍋は滋賀の〈一志郎窯〉。窓の下辺に合わせて造作した奥行き30㎝の棚には〈エットレ・ソットサス〉のソルト&ペッパーやタイの籠を。