「テレビ朝日アスクで、アナウンス技術を学んでみた」第3回 舞台上での立ち振る舞いもポイント!リアルイベントでの司会テクニック
Hanakoのイベントで司会をするなど、人前で話す機会の多いハナコラボ プロデューサー・土屋志織が、アナウンススクール〈テレビ朝日アスク〉に入門。果たして、憧れのアナウンサーのような話し方になれるのか…?全4回、短期集中連載でお届けします。
今回、担当する先生は…
第1回に引き続き教えてくださったのは、元テレビ朝日アナウンサー、テレビ朝日アスクの取締役を務める川瀬眞由美さん。第3回は、実際に人を集めて開催する“リアルイベント”での司会について、話し方はもちろん、舞台上での動きや目配りなどを勉強。事前に川瀬さんが用意してくださった、フォーマルとカジュアルの2パターンの台本を教材に進めていきます。
【フォーマルなイベント】とにかく丁寧に読んで、積極的に会場の空気作りをする
舞台はHanakoの展覧会「Hanako1988・2022展」の開会式。お偉方がたくさん集まる、記念すべき日の司会という設定です。
まずは実践。緊張しているのか、自身なさげに台本を読む土屋。「恥ずかしくて観られない…」と言いつつ、録画した映像を確認します。「覇気がない!何のためにこのイベントがあり、司会者としてどんな空気を作らなければいけないのかわからずに、なんとなくやってる印象です。司会という意味で使われるMCは『master of ceremony』の略。まずは、その場を仕切る人であるという自覚をもつことが大事です。あとは、文章と文章の間の取り方がすべて同じなのがもったいない。場を引っ張っていく緩急や間の取り方ができるといいですね」(川瀬さん)。土屋が直すべきポイントはこちら。
【1】事前告知(影マイク)は語りかけるように読む。
影マイクとは、舞台に上がる前のアナウンスのこと。「以前もお伝えしましたが、土屋さんは声の張りが足りないため、消極的に聞こえます。影マイクはお客さんからしたら耳だけなので、しっかり、きちんと話しましょう」(川瀬さん)。
【2】前にいるお客さんを意識して台本を読む。
「登壇後に軽く会釈したのは素敵でした!ただ惜しいのが、台本を読んでいる間はずっと下を向いていること。せめて文章の最初と最後は顔を上げると、お客さんのほうを向いている感じがして好印象です」(川瀬さん)。
【3】身内の紹介も一生懸命に!
「株式会社マガジンハウス」はしっかり言って、主催者であることをアピール。社長が登壇し、話している最中も気を抜かずにうなずきながら聞くこと。もちろん、ゲストは拍手して、華やかにウェルカムを。
【4】上半身を動かすクセに気を付ける。
どうやら土屋、緊張をほぐすためなのか、少し腰を振るクセがある。格式高いイベントでは凛とした姿勢を見せなければいけないため、意識して直すこと。
気を取り直して、2回目。「とてもよくなりました!」という川瀬さんの一言にほっとする土屋。「読み間違えは気持ちの焦りからなので、タイトルは確実に読めるようにして、あとはなんとなく言うことを把握しておけばOK。明るく、積極的なほうが大切です。惜しかったのは、開会の挨拶が流れるように聞こえてしまったこと。フォーマルなイベントの格っていうのは“丁寧さ”です。発音はもちろん、体と気持ちの向け方でもあるので、最後まできちんと読みましょう」(川瀬さん)。
テープカットでは手の動きをプラスするとより親切に
この台本のクライマックスは、開幕の合図となるテープカット。カットする代表者の名前は、一人ずつ丁寧に言うこと。「代表者が並んでいるのが見えてきましたか?文字を通して、どんな風景が自分の言葉によって作られていくのか。そして、どんな空気が会場に起きるのかをイメージしておくと練習しやすいですし、本番でもイメージしたことを相手に伝えやすいと思います」(川瀬さん)。テープカットについて説明することも重要です。「テープカットはよく見るけどやり方がわからないという人は多いと思うのでしっかり伝えること。できれば、はさみとテープをジェスチャーで表現してあげると親切です」(川瀬さん)。
反省をふまえて、最後に通しで実践!
「1回目に比べて全然違いますよね。腰を動かすクセもなくなりました。強いて言うなら、立ったときに決まった方向に向きがちなので、“私の庭!”くらいに思って堂々としたほうがいいです。また、顔を上げた瞬間に目が泳ぐクセがあるので要注意。頑張りましたね、土屋さん」(川瀬さん)。川瀬さんに褒められて、最初のときに比べて笑顔の土屋。次は土屋もよく担当する、カジュアルなイベントの司会に挑戦します。