さあ、行くわよ? きゃりーぱみゅぱみゅの 「大人なLADYになるわよコラム」第20回〜『若い人は急に帰るわよ』〜
きゃりーぱみゅぱみゅが「大人なLADY」を目指す日々を綴る連載。おかげさまで、話題沸騰です。第20回は「ジェネレーションギャップ」のお話。
『若い人は急に帰るわよ』
皆さま、ごきげんよう。今日は友達と遊ぼうと思って一日予定を空けていたにもかかわらず、「ごめん、私このあと用事があるから」と急に言われて何もすることがなくなってしまった、きゃりーぱみゅぱみゅです。
例えば、昼から遊ぶ場合、私は「じゃあ、その流れで夜ご飯とかも一緒に食べれるのかな?」って思いながら予定をなんとなく組むんですけど、どうも現代人は違うみたいです。「あ、夜ご飯は友達と約束しているから行くね」と言われて、帰られてしまいます。
年下の子と遊ぶとこの現象に出くわすことがほんと最近あるあるで、フェスに行ったときも、お目当てのバンドを観たあとに「じゃあ、そろそろ僕、次友達と約束してるんで帰ります」と、爽やかに言われてしまいました。
ついこないだも「カードゲームをしよう」ってなって、みんなの予定をメインゲストの子の予定に合わせたんですけど、いざ集まったら「6時から8時までしかいれない」って言われました。若い人たちは急に行くからさ…。そのあとカフェでケーキ食べようと思ってたのに…。
なので、年下の子をサプライズでお祝いするときは、皆さん気をつけてください。部屋を風船で飾り付けてケーキを用意しても、サプライズ会場へ連れてくる前に「このあと予定がある」と帰られてしまう可能性があります。実際に私は、とあるサプライズ誕生会でこれをやらかしてしまい、目も当てられない一日となってしまいました。もちろん、事前に探りをしっかり入れてなかったこちらの脇の甘さのせいではあるんですけど、こういうことが今、本当に現代に起きているんです。
現代人はスケジュールの空白に不安を抱く“空白恐怖症”になってしまっているのでしょうか? それとも、この情報化社会でより多くのものをさらおうとするあまりに、リアルな対人関係でさえもスマホ感覚で並列処理しようとしているのでしょうか?
もちろん予定をギチギチに詰め込むこと自体はその人の自由ですし、私がとやかく言うことではないんですけど、ただ、「5時から約束あるんですけどいいですか?」とか、先に言ってくれたらなあと思います。
でもひょっとしたら、この感覚がもうその世代では当たり前すぎて、いちいち前もって言わなくなっているのかもしれません。ネットでのコミュニケーションが完全にメインになったせいで、リアルがオフ会化してるのかな? 仮にオフ会だという目線で見てみたら、自分の予定を参加メンバーに伝えたりはしませんよね。あくまでドライに帰りたいときに帰るだけ。う~ん、人間関係のベースそのものが大きく変わったような気がします。
なのに今って、“恋愛ブーム”っぽいんですよね。なんなら一見、古臭くてウェットでクリスマスに全力投球していたバブル時代の恋愛っぽい。こないだのクリスマスに親友のボンちゃんと恵比寿ガーデンプレイスのイルミネーションを観に行ったら、男女ペアで溢れかえっていてクソ寒いなかみんなベンチに座って何かを話していたし(…まじでいったい何を話してるんですかね?)、街を歩く人間どももみんなペアばかりで、それまでの女子会推しのクリスマスとはちょっと雰囲気が違っていました。
あと、見た目が大学生くらいの人たちがAesopやDiptyqueみたいな高級ボディケアブランドのショップに長蛇の列を作っていたことも気になりました。大学生じゃなかなか買えないような値段なのに。自分に対する物欲がなくなった分、プレゼントが高級化しているということなんでしょうか? それとも単に、コロナ対策の入場規制で店内に入れないから列になっていただけなんでしょうか?
コロナに対する不安から、恋愛を求めるようになる流れは十分理解できるし、実際に自分の周りでも結婚は多かったと思います。しかもステイホームでネトフリやアベマの恋愛リアリティーショーを観た人も多かったでしょうし、マッチングアプリをやってた人も多かったでしょう。そしてイルミネーションやAesopは、ネットで知り合った縁をリアルへと引っ張り出す口実として重要な役割を果たしたんだろうとも思います。
まあ、話をまとめますと、みんな寂しいってことなんでしょうね。周りから求められたいという感覚が、いまだかつてないほど強いのかもしれません。でもそれがゆえに、せっかくのいい雰囲気のなかでイルミネーションを見てても「次の予定が…」って結局すぐにバイバイするという…。ホテルとってないんかーい。やっぱおばさん、若い人のこと、まだわかりません。