非常食を「希望食」に。 非常食レストラン〈Emergency Food Restaurant LIFE PLATE〉のイベントレポート。
ポータブル電源メーカーの〈EcoFlow Technology Japan〉は、災害による停電発生時、ポータブル電源を使って作る非常食レシピ「LIFE PLATE」を開発。 災害時の状況に近いオフグリッド(電気やガスが通っていない)環境の“山小屋”にて、2日間限定の非常食レストラン〈Emergency Food Restaurant LIFE PLATE〉をオープン。ポータブル電源を使って調理された非常食をレポート。
長野県乗鞍岳の「冷泉小屋」に到着!
イベント当日、電車やバスを何度も乗り継ぎ、長野県乗鞍高原にある「冷泉小屋」に辿り着きました!
実は松本駅から乗り継ぐはずの上高地線が、今年の夏の豪雨の影響でしばらく運休に……。
やっとの思いで辿り着いたのですが、着くまではとっても不安でリアルに災害体験しているような気分でした。
「時短」、「節水」、「ありもの利用」という3つの特徴。
EcoFlowは、「非常食を、希望食に。」をコンセプトにし、防災食アドバイザーの今泉マユ子氏が監修した「これからの非常食レシピ『LIFE PLATE』」を開発、公開しています。
●『LIFE PLATE』3つのポイント。
1. 心身に負担をかけない「時短」調理。
心身共に疲弊しがちな災害時は、準備にかける時間をなるべく短く、おいしく栄養の取れた食事ができることが重要。電子レンジ等の電気調理を活用することで、簡単かつ短時間に調理が可能に。
2. 貴重な資源を効率的に使う「節水」調理。
災害時は、停電と共に断水することが多く、節水が重要に。通常の蒸し料理や茹で料理に比べ、電子レンジや炊飯器を活用した調理は使用する水の量が少なく、節水を実現。フライパンや鍋を必要としないレンジ調理は、洗い物が少ないため、節水と衛生を両立することが可能に。
3. 多くのご家庭にある「ありもの利用」調理。
災害時は、家にある(または入手可能な)限られた食材を活用し、数日間を乗り切る必要がある。EcoFlowによって電子レンジ等が使えることで、ありものを活用した調理が可能に。食事の準備にかける時間や、食材確保の心配も減り、心身に負担をかけずに栄養バランスのとれた食事をとることができる。
まるでレストランのようなテーブルに着席。
セットされたテーブルへ案内され着席。この日はギャルソンもいて、本格的なレストランのようなスタイルで「LIFE PLATE」メニューを体験。
もしも災害が起きたとき、いつもと変わらず電気を使うことができたなら。
私たちが被災後に直面する様々な課題は、食の力で解決していけるかもしれません。
LIFE PLATEは、ライフラインが停止した災害時を想定し、ポータブル電源のみで作った新しい非常食です。
必要な栄養を補給するだけでなく、勇気や笑顔が自然とこぼれるように。
少しでも多くの人が、前向きな気持ちで過ごせるように。
そんな食を目指しました。
非常食を希望食に。
メニューの裏にそう書かれていました。
メニューは、「常備菜として一週間保存できる」、「体温を上げ免疫力を高める」、「被災時に落ち込みがちな気持ちを、温かい食事を通じて少しでも前向きなものにすること」を目的とした非常食をコーススタイルで提供されます。また、実際に提供された料理のレシピも紹介しますので参考にしてみて下さい。
1週間、冷蔵保存できる「災害常備菜」 タイムカプセル温サラダ。
●災害が起きてからでもつくれる備蓄食を。
災害時に最も不足しがちな栄養素は、備蓄が難しい野菜から摂れるビタミンやミネラル、食物繊維なのだそう。根菜など冷蔵庫がなくても保存できる野菜を使い、お酢の作用で保存効果を高めた、万能のピクルスサラダです。非常食として保存してあるナッツや豆類とも相性がよい。
【材料】(1人分)
・ 酢…大さじ1
・ 砂糖…小さじ
・顆粒だし…小さじ1
・ 唐辛子(輪切り)…適量
・人参…1/2本
・カットしめじ…人参と合わせて合計100g
・お好みでトッピング(フライドオニオン&ナッツ)…適宜
【作り方】
1.人参を千切りにカットする。
※このとき、ピーラーを使えばまな板がいらず、洗い物を減らせます。
2.耐熱容器に1を入れてよく混ぜ合わせ、その中に人参、しめじを入れて混ぜ合わせる。
ふんわりとラップをし、電子レンジ500Wで2分30秒(600Wで2分)加熱する。
食後6時間の免疫を上げる保温食「+1℃ジンジャースープ」。
●保温はもっとも手軽な防災手段。
体温が1℃低下すると、免疫力は約30%も下がってしまうそう。生姜は加熱することでからだ全体を芯から温めてくれます。心身の不調が生じやすい災害時、様々な病気のリスクから守ってくれる「保温食」となるスープです。
【材料】(1人分)
・切り干し大根…2g
・おろし生姜(チューブ可)…小さじ1/2
・水…150ml
・鶏がらスープの素…小さじ1
・塩、こしょう…各少々
・炒り白ごま…少々
【作り方】
1.切り干し大根が長い場合はキッチンバサミで切る。マグカップに材料を入れて混ぜ合わせる。
2.電子レンジ500Wで2分30秒(600W2分)加熱する。
3.お好みで炒り白ごまをかける。
水を一切使わない、変幻自在のエネルギー源 「ウォーターレス・ブレッド」。
●災害時、“水”は貴重な資源。
災害時、最も手に入りにくい資源の一つは水であると言われています。水を一切使わずたった数分で作れる焼き立てパンは、「節水」と「時短」を同時に叶え、停電時や断水時のエネルギー補給の新しい選択肢になります。
【材料】(1人分)直径約8㎝のパン2個
・ホットケーキミックス…100g
・プレーンヨーグルト…60g
・塩…ひとつまみ
・サラダ油…小さじ1
・シュレッドチーズ…少々
・ドライパセリ…少々
【作り方】
1.ポリ袋に、ホットケーキミックス、ヨーグルト、塩を入れて揉んでよく混ぜ合わせ、木べらなどを使い底に生地を寄せる。
2.トースターの受け皿にホイルを敷いてサラダ油(分量外)を塗る。生地を入れた袋の端をハサミで切り、生地を押し出して2等分にする。
3.お好みでチーズとドライパセリをのせ、トースター(1,000W)で6分焼き、そのまま5分間トースターの中に入れておく。
ボウル一つで完結する災害時の新・主食 「ワンボウル・ペペロンチーノ」。
●パスタは災害時に適したゆで方があります。
過去の災害時、パスタは家にあったけどライフラインが止まって活用できなかったという声が多くありました。パスタは電子レンジで簡単に茹でることができるのは知っていますか?お鍋に比べ事前に沸かす必要がなく、貴重な水の削減にもなります。
【材料】(1人分)
・スパゲッティ(茹で時間表示7分のものを使用)…100g
・水…200ml
・顆粒コンソメ…小さじ1/2
・おろしにんにく(チューブ)…少々
・赤唐辛子(小口切り)…少々
・オリーブ油…小さじ1
・ちりめんじゃこ…10g
・なす(ヘタを切り落として1㎝輪切り)…1本(80g)
・オリーブ油…小さじ1
・ドライパセリ…適量
【作り方】
1.なすのヘタを切り落として1cm大に輪切りする。大きめの耐熱容器に半分に折ったパスタと顆粒コンソメ、おろしにんにく、赤唐辛子、オリーブ油を入れてひと混ぜし、上にナスとちりめんじゃこをのせる。
2.ラップをしないで表示のゆで時間+3分、電子レンジで加熱する。取り出して、オリーブ油をかけて混ぜ合わせ、ドライパセリをかける。
一食分のエネルギーを満たす濃厚な一口 「ワンスプーン・チーズリゾット」。
●少ない量の食事を、大きな力の源に。
大きなストレス下で生活をする災害時は、通常時の1.4倍~2倍のカロリーが必要と言われています。食欲不振に陥ることも多い災害時に、簡単でたった一口でしっかり栄養補給ができるチーズリゾットは、炊き立ての熱々で食べられるのが嬉しい。
【材料】(3〜4人分)
・ベーコン(1cm幅)…30g
・玉ねぎ(粗みじん切り)…1/4個(50g)
・水…200ml
・牛乳…200ml
・顆粒コンソメ…小さじ1
・無洗米…0.5合
・トマト(ヘタをとる)…小1個
・スライスチーズ…2枚
・黒こしょう…適量
【作り方】
1.炊飯器に無洗米とベーコン、 玉ねぎ、 水、 牛乳 、顆粒コンソメを入れてひと混ぜする。上にヘタをとったトマトを丸ごとのせ、さらにスライスチーズをのせて炊飯する。
2.炊き上がったらトマトを崩しながら全体を混ぜ、食べる時に黒こしょうをかける。
冷蔵庫の食材が詰まった気まぐれメインディッシュ 「十人十色ミートローフ」。
●災害時の状況にあわせた十人十色の変わり種を。
災害直後は、冷蔵庫の中のものを優先的に消化し、早めに食べきることが求められます。あらゆる食材をタネにできるミートローフは、災害時に不足しがちなタンパク質を摂ることができ、心身のコンディションの維持につながります。冷凍庫の中にありがちな材料を使って作れるメニューなのが嬉しい。
【材料】(1人分)
・ 豚ひき肉…80g(鶏ひき肉、合い挽き肉でもOK)
・冷凍コーン…30g(冷凍ミックスベジタブルでもOK)
・ピーマン…1個
・焼肉のたれ…小さじ1〜2
・お好みでケチャップ…適宜
【作り方】
1.ピーマンを1cm角に切る。グラタン皿にすべての材料を入れてスプーンでよく混ぜ合わせる。
2.アルミホイルをかぶせてトースタ-で15分焼き、アルミホイルを外して5分焼く。
お好みで食べる時にケチャップをかける。
不安を解消する心の非常食 ほほえみのカラメルプリン。
●災害時、最も不足しがちなのは人の「笑顔」。
様々なアクシデントに見舞われる災害時には、心への栄養補給がとても重要です。甘いものには、人々の気持ちを落ち着かせ、不安を解消する効果があります。緊急時だからこそリラックスした食のひとときで、笑顔を生み出すスイーツを。
【材料】(1人分)
・卵…1個
・牛乳…120ml
・砂糖…大さじ2
【カラメル】
・砂糖…大さじ1
・水…大さじ1
・色止め用の水…小さじ1
・ジャム…適量(いちご、ブルーベリー、マーマレードなど)
【作り方】
1.マグカップに水と砂糖を入れて混ぜて、電子レンジ500Wで2分30秒(600Wで2分)加熱する。
色づいてなければ様子を見ながらさらに30秒加熱する。色づいたら色止め用の水を入れ、冷ましておく。
2.ボウルに卵を割り入れてほぐし、砂糖を入れて混ぜ合わせ、さらに牛乳も入れて混ぜ合わせる。
3.冷めた1のマグカップの上に茶こしをのせて、2のプリン液をこしながら入れる。
電子レンジ500Wで2分(600Wで1分30秒)加熱する。
4.取り出してホイルでマグカップに蓋をして全体をふきんなどでおおいかぶせ、余熱で火を通す。
(冷蔵庫が使える場合は粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて1時間以上冷やす)
器をマグカップの上にかぶせてひっくり返して盛り付ける。ジャムを添える。
フルコースのような非常食は、まるでレストランで食事をしているような気分で味わえました。
災害時に贅沢は言えませんが、栄養バランスが整った温かい食事救が摂れば、心身共に救われます。
被災後に直面する様々な課題は、食事のちょっとした工夫で解決していけるかもしれません。
〈EcoFlow Technology Japan〉
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