こだわりワインの宝庫・山梨へ。 おうち飲みにもぴったり!〈ワイン県やまなし〉で見つけた個性派ワイナリーのおすすめワイン3選
家でお酒を飲む機会が多い今、「お酒にこだわっておうち飲みを充実させたい!」という方も多いのでは?今回は「日本ワイン」の生産量、ワイナリー数ともに日本一の山梨県から、おすすめのワインをご紹介します。“メイドインジャパン”のワインを購入して、生産者を応援しながらおうち時間をランクアップさせてみませんか?
山梨は「日本ワイン」の生産量日本一の〈ワイン県〉。
「日本ワイン」とは、国産のぶどうを100%使って、国内で醸造されたワインのこと。実は、「国産ワイン」と呼ばれているワインのほとんどは輸入原料から造られていて、「日本ワイン」は「国産ワイン」の中の20%程度しかない貴重なものです。
ぶどうの名産地で知られる山梨県は、「日本ワイン」の発祥の地であり生産量もワイナリーの数も日本一を誇ることから〈ワイン県やまなし〉を宣言しています。今回は、多種多様なワイナリーが揃う山梨のなかでも特に個性の光る3軒のワイナリーを訪ねてみました!
おしゃれなラベルが贈り物にもぴったり。〈MGVsワイナリー〉
1軒目は、山梨県のなかでも最もワイナリーが集まる甲州市・勝沼地区に醸造場を構えるMGVs(マグヴィス)ワイナリー。もともとは半導体製造工場として運営していましたが、ワイナリーに隣接する自社畑が、ワイン用のぶどう作りにぴったりの地であったことや、勝沼の地で作られるワインへの想いが重なり、2016年からワイン事業を開始したそうです。
モダンな造りの建物が印象的なMGVsワイナリーは、内部もこだわりが盛りだくさん!ギャラリーのようなエントランスを抜けると試飲用のカウンターが設置されています。(感染対策のため現在試飲カウンターは休止中)ワイン樽にはチェスの駒がデザインされており、黒の駒は赤ワイン、白の駒は白ワインを意味し、駒の種類によってワインの銘柄が判別できるようになっています。
ワイン造りのこだわりは“テロワール”とぶどうの品種
「テロワール」とは、ワインの味わいの個性を決める気候・地形・土壌などの自然環境のこと。山梨県内でも川沿いのぶどう畑と丘陵地のぶどう畑など、同じぶどう品種でもその土地によって味わいが異なります。MGVsワイナリーではその土地の気候風土の恵みをそのまま感じるワイン造りを目指し、畑ごとにワインを醸造しています。また、ワイン造りには日本固有のぶどう品種である、白ワイン用の「甲州」と、赤・ロゼワイン用の「マスカット・ベーリーA」の2品種を使用。日本固有種で造られたワインは日本食との相性が良いのが特徴です。
夏のおすすめは「B553 マスカット・ベーリーA 山梨 2018」
夏におすすめしたいのは、「B553 マスカット・ベーリーA 山梨 2018」。2018年に収穫した「マスカット・ベーリーA」を100%使用してステンレスタンクで醸造したのち、オーク樽で6か月貯蔵したワインです。「マスカット・ベーリーA」から造られるワインは、みずみずしく軽やかな口あたりが特徴です。MGVsワイナリー オーナーの松坂さんは、このぶどうの魅力をより多くの人に伝えようと、「マスカット・ベーリーA」を題材にした書籍『もっとMBA マスカット・ベーリーAの魅力と可能性』の制作の旗振り役になったんだとか。夏に赤ワインを飲む機会は少ないかもしれないですが、このワインはタレの焼き鳥やウナギの蒲焼と相性抜群。テイクアウトしたお料理と一緒に、居酒屋気分でカジュアルに楽しんでみるのはいかがでしょうか。
ワインの原点“ぶどう造り”にこだわる〈カンティーナ ヒロ〉
2軒目は標高750m、日本屈指のぶどうの産地・山梨市牧丘町の丘の上に位置する「カンティーナ ヒロ」。IT関連のお仕事をされていたオーナーの広瀬武彦さんが2018年にオープンさせ、海外でワインの修行を積んだ息子さんたちと経営するワイナリーです。丘陵地とだけあって、ワイナリーテラスからのロケーションは日本とは思えないほどのまさに絶景。晴れていれば富士山も一望できるそうです。
「ワイン造りの90%はその畑にあり」 畑とぶどうの個性にこだわったワイン
カンティーナ ヒロでは、ぶどう本来が持っている前駆体物質(香り成分、色素やタンニン、果実味)を最大限に活かすため、糖や酸を補うことを一切せず、徹底した温度管理のもと醸造を行っています。それは、「ワインはその畑を表現したものでなければならない」をワイン造りの原点とし、畑の土づくりから醸造まで、すべてにおいてこだわりを持っているからです。
醸造場は温度管理だけでなく、衛生管理も徹底されています。カンティーナ ヒロのワインの透き通るような洗練された味わいは、このような日々のたゆまぬ努力から生まれるのでしょう。
通常、醸造場の見学などは行っていませんが、ワイナリーのテラスの貸切プランがあるんだとか。フレンチ、イタリアン、ジビエ、バーベキューの中からひとつを選び、コース料理とお料理に合うワインを6種程度楽しむことができます。いずれのコースも県内の人気レストランのシェフがその場で調理をしてくれるうえ、最寄りの駅までの送迎付き。4名から予約可能で、一人当たり15,000円と非常にお得なプランです。おでかけがしにくい時期でありますが、コースによってはシェフの予定が数か月先まで埋まっていることもあるので、気になる方はワイナリーに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
ワインから生まれる“つながり”を大切に。「レガメ メトード クラッシコ 甲州」
暑い時期におすすめのワインは、スパークリングの「レガメ メトード クラッシコ 甲州」。「レガメ(Legame)」はイタリア語で「絆」という意味で、ワインから生まれる“つながり”を大事にしていきたい、という想いが込められているそうです。ワインの色合いは、まるで湧き水のように透き通っていて見た目も爽やかな印象です。口に含んだ瞬間にシトラスのようなすっきりとした香りが弾け、すぐにもうひと口、ふた口と飲んでしまいたくなるような軽やかな味わいでした。また、カンティーナ ヒロでは甲州とは別にイタリア品種のぶどうの栽培にも力をいれているので、気になる人は公式サイトをチェックしてみて。
〈カンティーナ ヒロ〉
■山梨県山梨市牧丘町倉科7143
■0553-35-5555
▼感染対策のため、ワイナリーへの訪問は完全予約制
公式サイトよりお問い合わせください。
■公式サイト
■オンラインショップ
日本酒造りの技術をワインにも。〈笹一酒造〉
最後に紹介するのは、「郡内(ぐんない)」と呼ばれる富士山北麓をふくむ山梨県東部の地域で、唯一のワインを造っている笹一酒造です。なんと、もともとは1661年創業の歴史ある日本酒蔵で、1953年からワイン造りも手掛けるようになったんだとか。「どちらかを“片手間”にしているというわけではなく、日本酒造りもワイン造りもこだわり抜いて高品質のものをお届けしています。」そう話す、代表取締役社長の天野 怜さんの言葉からお酒造りにかける熱い想いが感じられます。
和モダンな内装のショップにはカフェも併設。「笹一 ふわとろ酒粕かき氷(1,000円/税込)」や「笹一 甘酒アイスパフェ(1,150円/税込)」など、日本酒蔵ならではのオリジナルメニューが楽しめます。ショップには日本酒、ワインから梅酒や焼酎まで様々な種類のお酒がずらりと並びます。これらのお酒はすべて笹一酒造で造られたものです。
日本酒蔵だからこそできるワイン造り
日本酒造りの技術やノウハウはワイン造りにも活かされています。日本酒醸造は麴菌などを扱う関係で徹底した衛生管理が不可欠です。クリーンな環境はもちろんワイン造りにも良い影響を与えており、雑味のない、クリアで透き通った味わいを引き出しています。また、日本酒造りの過程で出た“ぬか”をぶどう畑の肥料として利用するという工夫も。自然由来の栄養で人に優しいだけでなく、廃棄物を減らすことができる環境にも優しいサステナブルな取り組みですね。
和食とのペアリングがおすすめ「OLIFANT 甲州シュール・リー 2019」
笹一酒造のワインブランド「OLIFANT(オリファン)」は、山梨のぶどうの特性を最大限に引き出すことを極めて造られており、和食の繊細な味わいとの相性が抜群。「「OLIFANT 甲州シュール・リー 2019」は、
ワイン成分の結晶「澱(おり)」を時間をかけてじっくり溶け込ませる「シュール・リー」製法を採用した、フレッシュで爽やかな香りがやさしく広がる辛口タイプの白ワインです。お刺身に合わせられそうなほど、すっきりと繊細な味わいで、テラスなどで夏の夜風にあたりながらゆっくり楽しむのも良さそうです。
〈笹一酒造〉
■山梨県大月市笹子町吉久保26番地
■0554-25-2111
■直営ショップ「酒遊館」(年中無休)
営業時間 9:30~18:00
■SASAICHI KRAND CAFÉ(年中無休)
営業時間 11:00〜16:00(L.O.15:30)月〜金
10:00〜16:00(L.O.15:30)土・日・祝日
■公式HP
約90のワイナリーがある山梨県には、今回紹介した以外にも魅力的なワインが盛りだくさん。おうち時間を利用してお気に入りの1本を見つけてみてはいかがでしょうか。