“密“を避け、街じゅうを「駅前化」。 電動キックボードのシェアリングサービス「LUUP」が都内200ポートでスタート!安全運転のコツ&注意点は?
日本初、ヘルメット着用が任意の電動キックボード・シェアリングサービス「LUUP(ループ)」が2021年4月23日よりスタート。自動車の普通免許証を持っていれば誰でも専用スマホアプリから予約・利用できる利便性が話題です。コロナ禍のいま、“密を避ける”新しい移動手段として世界でも注目を集め、スカートやスーツでも乗りやすい新世代vehicle。運転のコツや気をつけるべきことを、試乗会で伺いました。
街じゅうを「駅前化」する「LUUP」。
「見た目はちょっと強そうだから最初は不安だったけど、乗ってみたらすごく安定感があって。運動音痴な私でも楽しく乗れました。バランスを取るのが難しいという感覚はなく、もしかしたら自転車よりも乗りやすいかも」
そう語るのは、試乗会で「LUUP」に初めて乗ったという20代の女性(写真)。
2021年5月現在、都内200カ所(渋谷区・品川区・世田谷区・港区・目黒区の全域)のポートで自由に乗り降りできる電動キックボードのシェアリングサービス「LUUP」のミッションは、街じゅうを「駅前化」すること。
例えば、JR渋谷駅と恵比寿駅は隣同士ですが、実際に歩くとなると意外と遠いもの。そんな時に「LUUP」を利用すれば、よりフットワーク軽く、街ブラできるというわけです。
「電車やバスに比べると、オープンエアで“密”にならない移動手段であることが、いまのご時世にフィットしていると思います。海外では、感染症対策の乗り物として政府主導で専用レーンを増設するなど、マイクロモビリティへの注目が集まっています」と広報の松本さんは語ります。
自転車のようにまたがり、両脚でペダルをこぐ必要もないのでスカートや、スーツでも乗車しやすい点が、女性からも支持を集めている理由です。
日本初のヘルメット任意サービス。
「LUUP」が画期的なのは、ヘルメットを着用しても、しなくても乗車OKなこと。
特にコロナ禍においては、顔周りのアイテムであるヘルメットのシェアリングは、サービス普及のハードルを上げる要因でしたが、その壁を今回はクリア。多くの人に愛されるサービスとなるポテンシャルを感じます。
これまで電動キックボードは、日本の現行法で原動機付自転車に位置づけられており、ヘルメット以外にも、ナンバープレートとミラーの装着、免許の帯同、車道のみの走行などさまざまな条件が課せられてきました。
そこで、「LUUP」は「マイクロモビリティ推進協議会」という業界団体を2019年に立ち上げ、関係省庁との議論やさまざまな実証実験を重ねてきました。今回、政府の新事業特例制度に認定されたことを受け、小型特殊自動車扱いとして、このシェアリングサービスが開始されたのです。
【LUUPの乗り方】専用アプリからサクッと乗車。
どのように利用すればよいのでしょうか?
乗車したい時は、都内200カ所(渋谷区・品川区・世田谷区・港区・目黒区の全域/2021年5月時点)に設置された電動キックボード用の「LUUP」ポートへGO。主に駅やカフェの前などに設置されています。専用アプリをスマホにダウンロードすれば、近くのポートが地図上に表示されるので、簡単に見つけられます。
アプリには各ポートに何台が駐車しており、それぞれ充電は何パーセント完了しているのかも表示されます。希望の移動距離にもよりますが、できるだけ多く蓄電されている一台を選べば、道中で充電切れを起こすこともなく安心でしょう。
アプリ上でカメラを起動し、お目当てのキックボードに貼られたQRコードを読み込んだら、車体のロックが解除される仕組みです。
続いて、目的地のポートを予約。こうすることで返却用のポートが不足し道端にキックボードが溢れてしまう事態を未然に防いでいるそう。
目的地のポートを選択したら、乗車前の確認事項やルール、乗り方の案内がアプリに表示され、キックボードの電源がオンに。
いよいよ、乗車スタートです!
【運転のコツ(1)】いきなりスピードは出ない?
レンタルできたはいいけれど、いきなりスピードが出て、怖くないのでしょうか? 率直な不安を広報の松本さんにぶつけてみました。
「乗ってすぐにアクセルボタンを押し急発進してしまうと危ないので、最初はアクセルが効かない設定にしています。初速が出て初めてアクセルを押せるシステムなので、乗ってすぐは、足で地面を蹴って走る必要があります」
【運転のコツ(2)】ちゃんと止まれる?
走り出したはいいけど、ちゃんと止まれるかしら? と心配な方もいるはず。
「足と地面の距離がとても近いので、足を地面につくだけで、簡単に停車できます。徐々にブレーキをかけながら速度を落とすと安全ですよ」(松本さん)
【運転のコツ(3)】NG事項はある?
知らないうちに交通ルールに違反してしまわないか心配で動悸が止まらない……という方も、もしかしたらいるかもしれません。
「海外でよくある違反事例だと、二人乗りしちゃうとか(電動キックボードは一人乗り)。あとは、日本では『歩道』を走るのはNGです」(松本さん)
【運転のコツ(4)】自動車と一緒に走るのが不安。
自動車がたくさん走っている場所を電動キックボードで並走するのは、なんだか巻き込まれそうで怖い気も……。
「そんな時は、足を地面につき、電動キックボードから降りて、押して歩いてみてください。車体を押しながら歩けば『歩行者』としてみなされるので、私は車が来て怖い時は、すぐに押して歩くようにしています。『歩道』の上も、車体を押していたら歩けます(乗車中に『歩道』を走るのはNG)」(松本さん)
今回の規制緩和を受け、車道に加え、道路に白いペンキで自転車マークが描かれたいわゆる「自転車レーン」を電動キックボードが走行することも可能に。「自転車レーン」に自動車は入ってこられないので、より落ち着いて運転できそうです。
【運転のコツ(5)】右折の際に、自動車は怖くない?
原動機付自転車ではなく、小型特殊自動車扱いとなる「LUUP」の電動キックボード。したがって、交差点での右折の際は「2段階右折」ではなく、自動車同様、普通に右折する必要があります。人によっては、ちょっぴり恐怖を感じるかも?
「スピードの早い自動車と一緒に右折するのが怖い場合も、車体を降りてから『横断歩道』を歩いて右折し、再び安全を見計らったタイミングで『車道』に戻る運転を推奨しています」
今後は、都内のポート数も順次増やしていく予定だとか。マイクロモビリティ市場全体が世界的にも盛り上がるなか、新時代の快適な街ブラを体験してみては?
「LUUP」
■都内200カ所のポートで利用可能
(渋谷区・品川区・世田谷区・港区・目黒区の全域/2021年5月時点)
■110円/初乗り10分、16.5円/分(ともに税込)。
■公式サイト