高山の古い街並み散策から、下呂温泉の映えスポットめぐりまで。 足を伸ばして訪れたい岐阜県飛騨地方。歴史ある高山と下呂温泉を探訪。

LEARN 2021.03.29

日本のほぼ中央に位置し、豊かな山と川、そして歴史の面影が多く残る岐阜県。面積は全国7位と広い岐阜県は、世界遺産の白川郷を含む県北部が飛騨地方と呼ばれます。飛騨地方の中でも古くからの街並みが残る高山と、日本3大名泉のひとつでもある下呂温泉の魅力をご紹介します。

情緒ある古い街並みも魅力。郷土の豊かさを感じる高山。

飛騨地方に伝わる郷土料理を44年前から提供している〈飛騨高山 京や〉は、新潟県柏崎から移築した古い建物をお店にしています。天井の高い店内は、テーブルがまるで囲炉裏のようになっていて雰囲気たっぷり。地元の人たちはもちろん、観光客にも人気があります。

岐阜高山 飛騨高山 京や

ランチとしていただいたのは「飛騨牛入 朴葉味噌定食」(2,000円)。飛騨地方の郷土料理の代表格、朴葉みそをメインにした定食です。

朴葉みそが焼き上がるまでの間、炊き合わせをいただきます。飛騨地方でお祝いに欠かせないごちそうのこも豆腐のほか、丁寧に作られた煮物が上品に盛り付けられています。こも豆腐は、豆腐を巻き寿司作りに使うまきすなどで包んで茹でたもの。だから表面はなみなみしていて、内部には空洞が出来て、だしの味が染みやすいのだそうです。

朴の木の大きな葉っぱにネギなどを混ぜた味噌をのせて、炙るように焼いて食べるのが朴葉みそです。「飛騨牛入 朴葉味噌定食」では、朴葉みそとブランド牛の飛騨牛を一緒に焼いていただきます。香りよく焼けた味噌とお肉のおいしさに、大きなお茶碗にもられたご飯を完食してしまいました。

岐阜高山 飛騨高山 京や

白菜の漬物を鉄板で焼いた「漬物ステーキ」(600円)も〈飛騨高山 京や〉の名物です。高山地方では、古くからさまざまな保存食が作られてきましたが、白菜の漬物もそのひとつ。なぜその漬物をステーキにしたのか聞いてみると、厳しい冬には漬物が樽の中で凍ってしまうので、凍った漬物を焼いて食べたのが始まりなのだとか。地元ではお酒のおつまみとしても食べられることも多いそうです。

〈飛騨高山 京や〉
■岐阜県高山市大新町1-77
■0577-34-7660
■11:00〜22:00(21:30LO)
■火休

〈飛騨高山 まちの体験交流館〉。
〈飛騨高山 まちの体験交流館〉。

飛騨地方は2016年の大ヒットアニメ映画『君の名は。』の舞台になったことでも注目されました。その中で重要な小道具として登場していた組紐づくりが〈飛騨高山 まちの体験交流館〉で体験できます。

14色ある紐から好きな3本を選んで、オリジナルの組紐を作ることができます。椅子のような台の上に印がつけてあり、インストラクターさんの指示に従って紐を組んでいきます。一見複雑なようですが、慣れてしまうと作業はスイスイ。無心に紐を組んでいくと、組紐がだんだんできていって達成感が味わえます。自分で作ったものはもちろん、さらに組紐が1本、絵はがきももらえるので、お土産や記念にぴったりです。全国でもこの場所でしか出来ない、飛騨高山の六つ組(特願 2020-7943)を是非、楽しんでください。

〈飛騨高山まちの体験交流館〉
■岐阜県高山市上一之町35-1
■0577-70-8290 
■組紐体験 1人 2,200円(プレゼント付き)、毎日11:00~16:00に開催

高山は古い町並みが保存されているのも魅力。街中の散策もおすすめです。

映えるスイーツやかえるにも注目したい美肌の湯、下呂温泉。

岐阜下呂温泉

岐阜県で観光地といえば、下呂温泉も欠かせません。兵庫県の有馬温泉、群馬県の草津温泉と並ぶ「日本三名泉」のひとつです。下呂温泉が発見されたのは平安時代と言われ、室町時代や江戸時代の書物にも名湯として登場する由緒ある温泉です。

下呂温泉を歩いてみると、あちこちにお湯が出ている場所があります。温泉街の中央に位置する〈下呂温泉神社〉もそのひとつ。1989年にできた比較的新しい神社ですが、毎年10月8日には、温泉の恵みに感謝するお祭りも開かれます。境内にある龍の口などから、触ると熱い程度の温泉が湧き出ています。

下呂温泉では街の中に無料の足湯が点在しています。〈ビーナスの足湯〉はその名の通り、足湯の中央にビーナス像が立っています。ぐるっと周りを囲むように座ると、最大12名が利用できる足湯としては大きな施設です。

下呂温泉街で最も早く誕生した〈鷺の足湯〉も人気のある足湯です。鎌倉時代に1羽の白鷺が舞い降りて、温泉の涌く場所を村人に知らせたという白鷺伝説にちなんで名付けられました。木の香りがする東屋風の足湯はのんびりできる雰囲気。温泉街を歩き疲れたら、足湯で癒されましょう。

岐阜下呂温泉 GEROGEROみるくすたんど

古くからの趣もある温泉街の下呂温泉ですが、実は、ここ数年で写真映えする飲食店が急増!〈GERO GERO みるくスタンド〉もそのひとつです。

かえるのモチーフがついた牛乳瓶入りのドリンクやスムージー、プリンなどが人気で、お客さんはひっきりなし。素材は地元の下呂牛乳100%。軽い食感のビスキュイが添えられているのもポイントです。ビスキュイはかわいい缶入りでお土産用にも販売されています。

〈GERO GERO みるくスタンド〉
■岐阜県下呂市湯之島850
■0576-23-1930
■9:00~17:00(夏季・休日前は延長営業の時あり)
■不定休

〈森のこみち〉はベーカリーとジェラート、お土産屋さんを兼ねたショップです。店内にはジブリのグッズも販売されていて、トトロと一緒に撮影もできるスポットも用意されています。

〈森のこみち〉の人気メニューは「アートジェラート」。ジェラートはバニラ、抹茶、ストロベリーの3種類から選べます。表面にねこの姿や肉球のアートを付けてもらえる、かわいすぎるスイーツです。

もうひとつの名物は「ごろっと飛騨牛カレーパン」です。揚げタイプと焼きタイプの2種類があります。中には本当にごろっと大きな飛騨牛が入っていて、味も食べ応えも大満足!お昼ごろには売り切れてしまうことも多いという人気ぶりです。

〈森のこみち〉
■岐阜県下呂市湯之島578-1
■0576-25-2521
■9:00~18:00
■木休

下呂温泉は、歩くほどに写真スポットが現れる街です。特に下呂とゲロゲロのダジャレから、かえるのモチーフがあちこちに。マンホールの蓋や道路にかえるが描かれ、〈加恵瑠神社〉まであります。かえるは「無事帰る」「福帰る」などといわれて縁起のいい動物。旅の無事を祈って、写真に収めたくなりますね。

美肌の湯としても名高い下呂温泉。お肌がツルツルなると評判です。温泉街の中心に位置する〈小川屋〉は、1948年創業の老舗旅館。100帖空間畳風呂と呼ばれている畳敷の大きなお風呂が有名な宿です。

広々としたお風呂は、露天風呂にも劣らない開放感があります。旅の疲れを癒すのにもってこいのお風呂です。短時間の入浴でも湯上がりはぽかぽか。入浴後は、心なしか肌の手触りが変わったような気がしました。

〈小川屋〉
■岐阜県下呂市湯之島570
■0576-25-2118

新幹線と特急を乗り継いだ先にあるノスタルジックと自然を感じる飛騨の地へ。

東京近郊では味わうことができないノスタルジックな世界に魅了される岐阜県飛騨地方。東京から高山までは約4時間、下呂温泉までは3時間半です。電車で行くなら名古屋まで新幹線に乗り、名古屋で特急「ワイドビューひだ」に乗り換えます。少し足を伸ばして訪れてみてはいかがでしょうか?

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