八丈島&新島の焼酎 ✕ 奥多摩源流の湧水で作られた東京ローカルのジンができました。 話題の〈虎ノ門横丁〉にある、蒸留所併設の〈酒食堂 虎ノ門蒸留所〉でクラフトジンの新しい魅力を発見。
「クラフトビールは知ってるけど、クラフトジンには馴染みがない」という方も多いのでは?6月10日に〈虎ノ門ヒルズビジネスタワー〉にグランドオープンしたばかりの〈虎ノ門横丁〉は、これまで多店舗展開してこなかった東京の26の名店が軒を連ねる話題のスポットですが、ここで最大面積を占めているのが、クラフトジンの蒸留所を併設する居酒屋&バー〈酒食堂 虎ノ門蒸留所〉。新しいジンの楽しみ方を体験できるお店ということで、訪れてみました。
昭和レトロ ✕ 近未来感の店内に、蒸留器が鎮座。
個性的な店が並ぶ〈虎ノ門横丁〉をぐんぐん進むと、一番奥のスペースに見えてきたのが「トラノモン ディストラリー」のネオンサイン。和訳すると、店名の〈虎ノ門蒸留所〉ですね。昭和レトロと近未来的な雰囲気のバランスが絶妙で、外国人にも受けそうな雰囲気。
店内には、巨大なスタンディングのバーカウンターと、酒食堂。奥まで食事スペースが続いています。こじんまりとした“The横丁”な店が多い〈虎ノ門横丁〉のなかにあって、異色の存在感です。
おさらいすると、「ジン」とは、トウモロコシ・大麦・ライ麦・ジャガイモなどの穀類を原料とするアルコールにボタニカル(植物)成分を加えて蒸留したお酒のこと。テキーラ、ウォッカ、ラムと並ぶ4大スピリッツの一つです。
季節ごとに旬のボタニカルをイン。東京ローカルスピリッツ!
さっそく、クラフトジンが生まれる現場・蒸留所を撮影させてもらいました。出迎えてくれたのは、蒸留家の一場さん。岐阜県・郡上八幡のアルケミエ辰己蒸留所の辰己祥平さんのもとで基礎を学び、現在〈酒食堂 虎ノ門蒸留所〉唯一の蒸留家としてここを切り盛りしています。
ーーオリジナルクラフトジン「COMMON」(コモン)」の魅力は何でしょう?
蒸留家・一場さん「うちのコンセプトは『東京ローカルスピリッツ』。東京の離島である八丈島と新島で作られた島焼酎をベースにして、奥多摩沢井の山あいの湧水で仕込んでいるのでとても美味しいんです。ジュニパーベリーが香るシンプルな味わいですが、季節ごとに、カモミールやラベンダー、ミカンの花など、旬の国産ボタニカルを加えるので、飲むシーズンによって異なる味や香りをお楽しみいただけます」
ーー蒸留所を見ながらジンが飲めるので、お客さんはよりジンを身近に感じられそうですね。店内に蒸留所があってよかったなと思うことはありますか?
蒸留家・一場さん「この蒸留所の前に大きなスタンディングバーがあるので、ジンを楽しむお客様の笑顔や反応を直接見ることができて励みになります。スパイスやハーブなどを加えた日常酒としての新しいジンの楽しみ方をバーテンダーがご提案できるのもいいところかと!」
確かに、その後ろに大きな蒸留器がそびえていたら、説得力がありますね。一場さんが、ラベンダーとカモミールを入れた加水用の水を貯蓄したタンクを開けて見せてくれた時、爽やかつ華やかな香りが鼻孔を吹き抜けていったのでした。
一番人気は、ふわっと香る「ジンハイボール」。
バーテンダーの猪口さんが、さっそくスタンディングバーで〈酒食堂 虎ノ門蒸留所〉の看板メニュー「ジンハイボール」を作ってくれました。オリジナルジン「COMMON」(コモン)を強炭酸で割って飲む一杯です。
一般的なハイボールがジンを最初に入れるのに対し、このジンハイボールは炭酸の後にイン。ジンの香りが炭酸の力でより立ち上がるのだとか。この時季は先ほど蒸留所で見たラベンダーとカモミールの香りが、夏のオリジナルジンを爽やかに彩ります。
海外生まれのジンはボタニカルが全面に主張してくるイメージがありますが、こちらはふわっと優しく香ります。ベースになっている島焼酎の実力、加水で使うボタニカルの分量、作り手の技などが合わさった賜物だそう。
オリジナルジン「COMMON(コモン)」をハーブとともに楽しみたいなら「ジンモヒート」850円(税別)、季節のフルーツと一緒がいいなら「”ジンシャリ”ベリーニ」900円(税別)がオススメです。
東京島料理&エスニック料理でジンジンしよう!
気になる〈酒食堂 虎ノ門蒸留所〉のお料理ですが、ジンにマッチする東京島料理や、エスニックな一皿など大衆的な居酒屋メニューがメイン。カジュアルにがっつり食べられるメニューが揃います。「名物 焼ナポ チーズ焼き」など興味をそそられる料理が約35種類。今回は、特にジンを美味しくしてくれる料理を撮影させてもらいました。
中華の定番メニュー「ゴマたっぷり ブラックよだれ鶏」には、山椒の実がたっぷり。噛んだ山椒の食感と想像以上にピリッとする爽やかな刺激で、シュワシュワのジンハイボールががススム、ススム。暑い夏はこの清涼感がクセになりそう。
「八丈島 明日葉とツナのゴママヨネーズ」はシンプルなツナマヨですが、八丈島で採れた明日葉の苦味がジンと合うんです。最初の1品にぜひ。
ビルが立ち並ぶオフィス街で日本ならではの横丁体験ができるというだけでもココロ踊りますが、ガラス張りの向こう側に鎮座する蒸留器でジンが作られる様子を眺めながら、美味しい島料理などを前に乾杯すれば更に心地よく酔えそうです。
季節のボタニカルを感じる看板メニューの「ジンハイボール」や、ハーブ・スパイスとともに楽しむジンカクテルにトライして、ジンの魅力に開眼してみてはいかが?
〈酒食堂 虎ノ門蒸留所〉
■東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー3F
■03-6205-7285
■11:00〜15:00、17:00〜23:00、土日祝11:30〜15:00、17:00〜22:00
■無休
■120席
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