ネイチャー×伝統工芸に出会う町。 紅花の町・山形県白鷹町で森林体験や深山焼の工房見学ツアーを実施。
山形県の南部に位置する白鷹町は、県花である「紅花」の生産量日本一を誇る自然豊かな町です。この町では現在、地域を盛り上げるため数々のプロジェクトを始動しています。今回は、3月頭に開催された、〈白鷹町広域まちづくり協議会〉主催のモニターツアーへ参加。森林を歩くフィールドワークや和紙の手漉き体験、伝統工芸「深山焼」の工房見学をしてきました!
古民家ホテルとして活用予定の建物を見学。
山々がそびえたつ美しい景色が広がり、町に流れる最上川では鮎のヤナ漁もおこなわれる白鷹町。江戸時代には米沢藩の最北部に位置し、現代でも経営のカリスマ的存在として称えられる上杉鷹山(ようざん)ゆかりの地でもあります。そんな白鷹町の知られざる魅力を伝えようと、町内の里山やものづくり工房をめぐるモニターツアーが実施されました。
まずは、町内の浅立地区にある、これから古民家ホテルとして活用予定の建物を見学。ホテルはその土地の歴史文化資産を尊重したエリアマネジメントなどを手掛ける〈NOTE〉プロデュースのもと、現在は開業の準備中です。オープン後は、広々とした敷地で四季折々の景色を楽しみながら、プライベートなひとときを過ごすことができます。宿泊と今回のツアーを一緒に楽しめるよう計画されているので、オープンを心待ちにしましょう!
ガイド付きの「森林体験」で自然の知識を学ぶ。
次に、森の中を散策するガイド付きの「森林体験」へ出かけました。ガイドしてくれるのは、森林ガイドの白壁さん。その季節ならではの植物について、明るく楽しく解説しながら森を先導してくれます!
この森林体験で植生について学ぶことで、より白鷹の自然を身近に感じることができるようになるはず。散策しながら、このあと体験する「和紙漉き」に使うための花や葉も集めていきます!途中から、すっかり夢中になって探してしまいました。
和紙の手漉き体験にチャレンジ!
森林体験のあとは、和紙工房へお邪魔して和紙漉き体験に挑戦します。約400年前から代々受け継がれてきた「深山和紙」は、楮(こうぞ)を原料とする手漉き和紙。かつては上杉藩の御用紙としても用いられていたそうです。
「深山和紙」の歴史や和紙ができるまでの説明を聞いたあと、和紙の手漉きにチャレンジ!こちらの工房では、和紙を漉く枠の大きさを2種類からお好みで選べます。和紙漉きは、前後左右に揺り動かしながら一定の厚さに保つのがコツ。これが意外と難しいんです!
漉いた和紙に、先ほど森林で拾ってきた花や葉などをのせて、その上からさらに水を重ねます。作る人によって個性が出るのがおもしろい!完成した和紙は、およそ1週間から10日で郵送してくれます。旅のお土産にもぴったりですね。
〈深山和紙振興研究センター〉
■山形県西置賜郡白鷹町大字深山2527
■0238-85-3426
■9:00~17:00
■火木休、年末年始休
■公式サイト
“紅花の灰”を生かした「深山焼」の工房を見学。
そして最後に、上杉鷹山の殖産興業により興された「成島焼」の流れをくむ伝統工芸「深山焼」の工房〈深山工房つち団子〉を見学。工房を運営するのは、陶芸家の金田利行さん。愛らしい表情の「干支」の焼物シリーズで人気の陶芸家です。
工房の焼物は、紅花を燃やした灰を利用して作られています。灰のかぶり方などによって、模様の表情が繊細に現れるんだそう。そんな味わいのある器や湯のみなどは、先ほど紹介した古民家ホテルにも採用される予定です。
工房の奥にあったのは、今では貴重な「登り窯(のぼりがま)」。昭和50年代に作られた窯ですが、やがて老朽化が進み、震災で崩壊。その後「登り窯で焼いた陶器の風合いを復活したい」と2015年の「登り窯復活プロジェクト」で復元されました。これからどのように活用されるのかが楽しみです!
〈深山工房つち団子〉
■山形県西置賜郡白鷹町大字深山2530
■0238-85-1807
■公式サイト
地方の魅力を肌で感じる旅。
古民家ホテルのオープンや体験ツアーの実施など、これから目が離せない白鷹町。今回のモニターツアーは、初めて白鷹町を訪れる人にはもちろん、もともとこの町に住んでいる人にも地元の魅力を再発見する機会になるのでは?と感じました。
地方ならではの魅力に触れたい方は、今後の活動に注目です!また、開業に伴うスタッフの募集などもおこなう予定とのことなので、そちらも気になった方はぜひ問い合わせてみてくださいね。
〈白鷹町広域まちづくり協議会〉
■umetsu-kenta@necap.co.jp(問い合わせ/担当:梅津)