「前向きな心と行動力の原点。」 バービーさんが語る、“チベット密教”。初心者向けの漫画&本もご紹介!
ジャンルはなんでも、それを心から好きな人におすすめされると俄然興味が湧いてくる。未知との遭遇はいつだってワクワクするもの。〈フォーリンラブ〉バービーさんの「偏愛」を、とくとお楽しみください。
前向きな心と行動力を身につけるきっかけに。
人はなぜ生きるのか、死後の世界には何があるのか。高校生の頃、そういうことにすごく興味があって、家の本棚で偶然見つけたのが『チベット死者の書』だったんです。
その時、内容を完璧には理解できなかったけど、科学では証明できない現象や悟りを開くための心の持ち方とかが書かれていて、世界の真理がこの中にあるんじゃないかとビビッときて、この本の翻訳者の川崎信定先生がいる大学に進学することにしました。
透視能力や超常現象などオカルトチックなことも好きだったので突っ走っちゃったんですね(笑)。
チベット仏教を入り口にさまざまなことを学びましたが、結果的に宗教全般について知ることができたのはよかったです。人はなぜ宗教を求めるのかとか宗教の存在意義とか。宗教と人のほどよい距離感がわかりました。
そのあと、進路を考えた時、人を癒すヒーラーみたいなことができたらとぼんやり思うようになって。医療では届かないところにアプローチできるんじゃないかと。それではじめにシンギングボウルを買ってみたんです。音が好きなんですよね。鳴らした時に人の顔を見てると、「あ、この人に届いてるな」ってわかるのがおもしろい。音を聞いて落ち着くという人もいるし、シャキッとするって人もいる。
先日、いとうあさこさんの前で鳴らしたら「泣きそう」って言ってました(笑)。ふだん家で一人の時は気持ちの切り替えのために鳴らしています。美しい倍音を聞いていると意識がヒョイッと飛ぶような感覚を味わうんです。
チベット密教を学んで、仏教学についても深く知ることになったんですが、結果的に役立つことしかないですね。私はよく〝前向き〞とか〝行動力がある〞と言われますが、そういうのはすべてここが原点だと思います。
仏教学には唯識という思想哲学があって、それもルーツをたどると、チベットの方にあるんですけど、〝あなたはあなたが作り出した宇宙の中で生きてるんですよ〞っていう考え方なんです。そんなふうにライトに現実を捉えられたら、なんでもできるって思いました。誰しもそれぞれの宇宙でしか生きてないんだから、人の目を気にしすぎずに自分のやりたいことを優先したらいいやって。
宗教って聞くと、うさんくさいと敬遠されがちだけど、これも体系化された一つの哲学。心理学が実生活に活かせるように宗教学も活かせます。上手に付き合えばいいなって。
今は一般的になった〝引き寄せ〞のルーツも仏教の教えにあるんですよ。だから、私にとってチベット密教や仏教学に触れることは自己啓発本を読むみたいな感覚ですね。
ビギナー向けチベット密教関連本
『チベット死者の書 仏典に秘められた死と転生』ユングも傾倒した埋蔵経典。
死んでから生を得るまでの魂の変遷やこの世に執着を持たずに解脱するための心得など。心理学者・ユングの座右の書としても有名。「ほかにもいくつか訳書がありますがこれが比較的読みやすいです」(バービーさん、以下同)。
『ブッタとシッタカブッタ 心の運転マニュアル本』漫画で心が楽になる方法を知る。
悩めるブタ、シッタカブッタが主人公の4コマ漫画。真理の状態や悩みの根源を知り、自分の心と上手に付き合う方法を描く。「漫画なので気軽に読みやすいです」。ほか『ブッタとシッタカブッタ こたえはボクにある』などシリーズ多数。
『1日10分で深い癒しと浄化を得られるシンギングボウル入門』場を浄化し、魂を癒す倍音の響き。
シンギングボウルの選び方、鳴らし方などわかりやすく解説。「プロの演奏家の音色を聴けるCDも付いてます。癒しの倍音に耳を傾けてみてください」。瞑想中や就寝前、仕事のBGMなどに聴くことで心身の調子が整うかも。
(Hanako1178号掲載/photo : Kayo Sekiguchi text : Mariko Uramoto)