台湾・人気茶藝館の姉妹店。 京都の町家〈京都小慢 中国茶教室〉で、中国茶を通して美意識を学ぶ。

LEARN 2019.11.06

習い事にも旬がある!?今、通ってみたい教室にさっそく行ってきました!今回は、茶器からしつらえまで茶を通じた美意識を広く学べる〈京都小慢 中国茶教室〉をご紹介します。

茶器からしつらえまで茶を通じた美意識を広く学ぶ。

京都小慢 中国茶教室

茶葉のセレクトはもちろん、茶道具から空間の隅々まで、店主・謝小曼さんの美意識あふれる台北〈小慢〉は日本にもファンの多い茶藝館。「中国茶は飽きることがありません。まずおいしい。同じ品種でも育てられ方で味は違うし、みんな個性がありますね。それに茶道具やしつらえを愛でる、香りを楽しむなど五感を刺激してくれるのも魅力。菓子や料理、空間、建築、人と、お茶はすべてを繋げて世界を広げてくれます」。

京都小慢 中国茶教室

台北での10周年を機に「中国茶を通じて、新たな種を蒔きたい」と、2つ目の拠点に選んだのが京都の町家。「京都はお水がおいしいのもうれしい。教室では近くの神社の湧き水を使っています」

京都小慢 中国茶教室

月に一度の教室では毎回異なるテーマが設けられる。「夏ならさっぱりとか、旅したあとにはインドやベトナムの茶葉を使ったり」と、茶葉も違えば茶道具やしつらえも変わる。ドレスコードもあり、この日は白。自然と美意識を刺激する仕掛けだ。

この日用意されたのは、自然生態茶の2種類と、慣行農法で育てられコンテストで優良賞を取った新茶1種類の計3種の青茶・東方美人。
この日用意されたのは、自然生態茶の2種類と、慣行農法で育てられコンテストで優良賞を取った新茶1種類の計3種の青茶・東方美人。

まずは茶葉についてのレクチャーから。茶葉の生い立ち、セレクトの理由から始まり、淹れる温度や茶道具との相性まで。とはいえ香りや味についての感想も口々に出て教室は和気あいあい。中国茶の世界と共に感覚も研ぎ澄まされる。

小曼さんの、道具使いや台湾の味もレッスンの醍醐味。

京都小慢 中国茶教室

「東洋美人は茶の色も美しく、目でも楽しんでほしい茶葉。だから蓋碗やガラスの茶器、蓋のない片口を使いました」と小曼さん。用の美を感じさせる道具のセレクトだ。

京都小慢 中国茶教室

葱饅など台湾ならではの菓子が登場することも。

一人一人の元へと運ばれて、目でも香りでも味わう中国茶。

手順1.茶葉を嗅ぐ。
手順1.茶葉を嗅ぐ。

ただ淹れたお茶を味わうだけではなく、茶葉そのものの形や色、茶壺の中で蒸らしたあとの香り、淹れた蓋碗の蓋に残る香りなど、五感をフルに活用して楽しむのが中国茶の魅力でもある。工程ごとに茶葉や道具を回し、生徒一人一人が体感できるようになっている。茶葉の量、お湯の温度、淹れるタイミングなど、小曼さんが説明しながら行うデモンストレーションスタイルのレッスン。一度に8煎ほどのお茶と菓子を味わう。

手順2.蒸らした茶葉を嗅ぐ。
手順2.蒸らした茶葉を嗅ぐ。
手順3.お茶を淹れる。
手順3.お茶を淹れる。
手順4.蓋を嗅ぐ。
手順4.蓋を嗅ぐ。
手順5.お茶をいただく。
手順5.お茶をいただく。

生徒それぞれがセンスを発揮、茶藝披露の場を設ける。

レッスンを受け1年が経った生徒は、順に発表の場が設けられる。茶葉はもちろん、茶器や菓子、しつらえまでもを用意し披露することで、茶藝への見識がより一層深まる。教室の1階はギャラリーで、茶道具や茶葉を販売。

Teacher 謝小曼

1964年台湾生まれ。日本の大学を卒業後、西武百貨店にバイヤーとして勤務。日本の工芸品に触れ、審美眼に磨きをかける。2008年、台北に茶藝館〈小慢〉を、2018年に京都に〈京都小慢〉を構える。

〈京都小慢 中国茶教室〉/寺町今出川

毎月台湾から小曼さんが入洛し直接レッスン。曜日ごとのレッスン日を決め、1年間を通じて茶葉の選び方から道具の使い方、茶席のしつらえなど中国茶の基礎を学ぶ。茶葉飲み比べなどテーマは毎回異なる。所要時間は約2時間、1回8,000円(税込)。現在は入会待ちのためメールで問い合わせを。xiaoman.kyoto@gmail.com

(Hanako1178号掲載/photo : Yoichi Nagano text : Motoko Sasaki edit : Kana Umehara)

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