知ってる?物事がいい方向に転じる“一陽来復”のお守り。
日本でも「一陽来復」「陰極まって陽に転ず」とされ、日が長くなり春に向かうことに運気の上昇を託しました。冬至から節分までの期間限定で、授与されるのが、「物事が良い方向に転じる」や「金運上昇」などのご利益ありとされる一陽来復のお守りです。東京の穴八幡宮が広く知られていますが、都内にはまだまだ知る人ぞ知る一陽来復の聖地が! 早稲田と四谷、築地へ出掛けて2025年の福を祈りましょう。
Hanakoはじめ各誌の「開運」特集を担当して16年。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が「神々の国の首都」と呼んだ島根県松江市生まれ。子どもの頃から神話&妖怪&神社好き。長じてライターとなってからも、取材先などで神社仏閣を見つけては立ち寄ることを繰り返すうち、開運関連の取材が増えて今に至る。
その一 江戸の人々も親しんだ早稲田【放生寺】で福を願う。
今から約380年前、高田八幡の別当寺として開創された放生寺。徳川将軍家から篤い崇敬を受けた由緒ある寺院で、江戸名所図会にも描かれています。ここで天保年間から授与されているのが「一陽来福」のお札。このお札を受けた人々にたくさんの「福」が訪れるようにとの祈りから、また御本尊を拝むときに唱える観音教の結び「福聚海無量」という一文から「福」の文字をとって「一陽来福」と名付けられたとされます。頒布期間は12月21日の冬至の日から2025年2月2日の節分までの期間限定です。
授与された「一陽来福」のお札は自宅リビングに、恵方に向けて祀ること。恵方は毎年異なるので、ご注意を。冬至の日に祀れなかった場合は、大晦日か節分に。時間は深夜0時を厳守! これ大事です。
東京都新宿区西早稲田2-1-14
その二 金銀融通のご利益あり!四谷の総鎮守【須賀神社】。
四谷十八ヶ町の総鎮守、須賀神社は、見上げるほどの長く急な石段を登った先。境内からは四谷の街と青空を見渡せて、心が晴れやかに。ここで期間限定で頒布されるのが「一陽来福守」です。このお守りは金銀融通のご利益あり。墨痕鮮やかに「一陽来福」と描かれたお守りは自宅に祀り、「懐中小守り」は常に身につけるべし。
頒布期間は12月21日の冬至の日から2025年2月2日の節分まで毎日頒布。このタイミングを逃す手はありません。
東京都新宿区須賀町5-6
その三 災難を除き波を乗り切る築地【波除神社】へ。
古くは一面の海だった築地一帯。江戸幕府の4代将軍・徳川家綱公の時代に埋め立て工事に取り組むも困難を極め、何度堤防を築いても波にさらわれて成功に至らなかったのだとか。そんな中、ある夜に光を放ちながら海を漂いくるものがあり、不思議に思った人々が船を出して拾い上げたところ、その正体は立派な稲荷大明神の御神体。さっそくお祭りした途端、波風がおさまり埋め立て工事を成し遂げることができたと伝わります。
その故事から「災難を除き、波を乗り切る」御神徳ありと知られるのが築地場外市場近くに鎮座する波除神社。災難除け、厄除、商売繁盛、工事安全を祈る人々が今も数多く訪れています。ここでも冬至から立春まで「一陽来復」のご神符が頒布される。陽気を迎えて開運発展、一粒万倍お金に不自由しないとされています。
東京都中央区築地6-20-37
text:Mutsumi Hidaka