【縁切り厄除け】悪縁を断ち、新たな流れに乗る! 都内で巡る開運聖地&神社3選
辞めたくても言い出せない仕事、関係を断とうと思っても自分から断てない人間関係、体に悪いと知っているけど止められないお酒や暴食…。自分の力ではどうにもできない関係をスッパリ断ち切って、良縁を招き新たな道を拓く! そのため縁切りにご利益のある社寺で悪縁との縁切り宣言を! 新しい気持ちで2025年に向かうには、今がベストなタイミング。日帰りで行ける東京周辺の“悪縁切りの聖地”へ出かけましょう。
Hanakoはじめ各誌の「開運」特集を担当して16年。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が「神々の国の首都」と呼んだ島根県松江市生まれ。子どもの頃から神話&妖怪&神社好き。長じてライターとなってからも、取材先などで神社仏閣を見つけては立ち寄ることを繰り返すうち、開運関連の取材が増えて今に至る。
その一 江戸の昔から名高い、板橋の“縁切榎”
かつて中山道を行き交う旅人で賑わった板橋宿。ここで江戸時代から縁切りの力があると信じられているのが縁切榎です。いま青々と葉を茂らせている榎は3代目。由来は、道を挟んだ向かい側の旗本・近藤家に榎と槻(ルビ:つき)の古木とも。榎は「えんのき」との呼ばれることから「縁が尽きる(えんがつきる)」が「縁切り」に結びついたのだと言われます。
その榎がいつの頃からか“縁切榎”と呼ばれるようになり、嫁入りが近いものは、この木の下を通らないように。文久元(1861)年、皇女和宮が徳川家降嫁のため江戸に下る時は、縁切榎を迂回するためのルートが設定され、念には念を入れて縁切榎を菰で覆ったとも伝わります。
男女をはじめとする人間関係だけでなく、酒やギャンブルとのつながり、人の力ではなんともし難い病魔との縁を切るため、昔も今も縁切榎を詣でる人は数知れず。願いを込めた絵馬も隙間がないほど下がっています。ここで祈願の際の心得をひとつ。縁切り縁切りは、縁を断つ覚悟を自覚し自分自身に行動を促すこと。神仏の前でその宣言をして助力を仰ぐことであって、相手や対象を恨んだり傷つけるものではないということ。もやもやした気持ちと共に悪縁を祓って、新たに良い縁を結ぶことと心得て、ポジティブな気持ちでお参りすべし!です。
東京都板橋区本町18
その二 赤坂に鎮座する、縁切り禍事災難除けの守護
都心ど真ん中、下赤坂に鎮座する豊川稲荷東京別院の叶稲荷尊天も、古くから縁切りの御利益で知られています。人間関係のみならず、地相、家相、方位、厄など全ての悪縁を切り、禍事災難を取り除いて、開運招福をもたらすとされています。いわば、全方位的な悪縁切りの御利益あり。
まずは豊川ダ枳尼眞天(ルビ:とよかわだきにしんてん)を祀る御本殿にお参りしてから、三所殿で叶稲荷尊天に奉納する絵馬の授与を受けます。これが叶絵馬。書き込む願意はできるだけ具体的に。ただし、何度も言うようですが相手や対象への恨みを晴らしたり不幸を願うのは厳禁。あくまで自分が何と縁を切ってどうなりたいかを具体的に、が基本です。ここで心のもやもやをすっきりさせたら、同じく豊川稲荷東京別院境内に鎮座する良縁にご利益のある愛染明王にもお参りを。悪縁を切ったら、良いご縁結びの祈願も大切です。
東京都港区元赤坂1-4-7
その三 流されない強い意志を、虎ノ門金刀比羅宮で誓う。
高層のオフィスビルが立ち並ぶ虎ノ門に鎮座する虎ノ門金刀比羅宮は、丸亀藩主・京極高和が讃岐国から金刀比羅宮の御分霊を藩邸に勧請したのがはじまり。その後、江戸城の裏鬼門にあたる現在地に遷座し、大漁満足・五穀豊穣・招福除災の御利益で江戸の庶民からも熱烈な崇敬を受けた神社です。
ここで大物主神(ルビ:おおものぬしのかみ)と共に祀られているのが崇徳天皇(ルビ:すとくてんのう)。保元の乱に敗れて讃岐に流された崇徳天皇が一切の欲を断って参籠したことから、同じく崇徳天皇を御祭神とする京都の安井金刀比羅宮と同じように、断ちもの、悪縁切りを願う人が多く訪れます。飲酒や喫煙、賭け事を断つため神前で誓いを立てる「押手(ルビ:おしで)の誓(ルビ:ちかい)」という独特のご祈祷もあるのだとか。神様に誓うからには中途半端な気持ちは禁物。何事を断つにせよ、流されない強い意志を持つことが肝要と言うことなのでしょう。
悪縁を断つ誓いを立てたら、ぜひ境内社の結神社(ルビ:むすびじんじゃ)にもお参りを。その昔、良縁を願う女性はこのお社の前で自らの髪の一部を切り取り、御社殿の格子や周囲の木の枝に結えて祈りを捧げたのだと伝わります。今は良縁祈願セットが、髪に代わって役割を果たしています。
悪縁切りは、ぐずぐずと思いきれなかったり執着を手放せなかった自分との決別。良い方向へ道を開き、運を掴むためのポジティブなもの。良い縁につながるよう、真摯に前向きな気持ちで参拝しましょう。
東京都港区虎ノ門1-2-7