【梅ヶ丘】進化するパン飲み最前線!オーガニックワインやクラフトジン、サワードゥでペアリング

【梅ヶ丘】進化するパン飲み最前線!オーガニックワインやクラフトジン、サワードゥでペアリング

今日は、あの街で一人呑み vol.11
【梅ヶ丘】進化するパン飲み最前線!オーガニックワインやクラフトジン、サワードゥでペアリング
FOOD 2025.07.31

よそ行きの私”に少し“”が混ざったような、どっちつかずの自分で楽しむ時間は外呑みならでは。そんな外呑みの醍醐味、たまには “ひとり”で味わいませんか。誰にも気を遣わなくていい。自分と対話をする。いつもじゃない人と出会う。知らない世界に飛び込めるひとり飲み、女性ひとりでも気負いなく楽しめる場所を、お酒業界の広報歴14年の児島麻理子さんが“あの街”で探索します。今回の街は梅ケ丘
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児島麻里子
児島麻里子
株式会社TOAST 代表

お酒にまつわるプロデューサーやライターとして活躍。出版社、洋酒会社での広報の経験を生かし、お酒の楽しさを日々発信している。趣味は世界の蒸留所を巡ること。これまでに世界7か国国以上の蒸留所とバーを巡る。ハナコラボパートナー。2025年、お酒に特化したPR会社のTOASTを立ち上げ。Instagram:@mariccokojima


前回の〈十月十日〉に続き、引き続き梅ヶ丘エリアでひとり飲み。

世田谷は日本最大級のパンイベント“世田谷パン祭り”が開催されるほどのパンの聖地ですが、ここ梅ヶ丘にも名店があります。お酒も一緒に楽しめる“角打ちパン屋さん”でパン飲みに行ってきます!

ワインからジンまで。お酒との相性もいいサワードゥ。

梅ヶ丘駅から徒歩5分。羽根木公園にもほど近い場所で、爽やかで芳ばしい匂いを漂わせているのが、2023年にオープンしたサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉です。こちらは、世田谷パン祭りに出展するなど業界で注目を集めているベーカリー。2025年3月、レシピやベイカーを新たにリニューアルオープンをしました。

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉

最近よく聞くサワードゥとは天然酵母のパンのこと。ほどよい酸味と奥深い味わいが特徴です。〈BAKE STORE〉独特の酸味は、乳酸菌由来。栄養価の高さも注目されていますが、その酸味は“パン飲み”界隈には見逃せないポイントです。

リニューアル後も変わらないのは、マイルドな酸味とうま味がしっかりあり、食べやすく、飽きのこないパンであること。天然酵母のサワードゥブレッドが日本でも愛される食事パンになることへの想いがあります。

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉

ベイカーの富川さんがサワードゥに出合ったのは、幼少期までさかのぼります。ドイツパン屋を営む家庭で育ったので、小さい頃から馴染みのある味はサワードゥだったというパン業界のエリートで、ベイカー歴は約17年。得意とするのは、もちろん天然酵母の発酵です。

「酸味があるといわれるサワードゥですが、子どもが食べると意外と酸味を感じないと言ったりするんです。実際、成長に必要なリジンをはじめ栄養素が高いので、ぜひ子どもの頃から触れて欲しいパンですね」(富川さん)

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉

パンは常時4種類ほど。定番のサワードゥブレッドから、ドライフルーツやクルミを合わせたものまでそろいます。そのまま食べるなら、まずは定番を。サンドウィッチにするなら、ライ麦比率が高いものを薄くスライスするのがおすすめです。

マイルドな酸味のバランスを目指していて、酸味と苦みの間を狙って発酵させています。加水率を限界まで上げて水分量を多くしているので、断面には大きな気泡があるんですよ。中はもちもち、外はカリカリで仕上げています」

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
断面を見せてもらうと、気泡がしっかり入っています

日本人の好みに合わせてもちっと仕上げたパンは、サワードゥの進化系。具に何を乗せても、しっかり味わいを受け止めてくれる土壌があります。チーズやハム、テリーヌといった濃厚な食材と特に相性が良く、味わいの奥行きを引き立ててくれます。天然酵母ならではの複雑さと相まって、うまみが増幅するのを感じるはずです。

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
天然酵母のフォッカッチャのサンドウィッチも。

角打ちパン屋らしい、お酒のセレクトにも注目。

サワードゥとの新しいパン飲みの可能性を感じさせてくれるお酒のラインナップも、私のお気に入りポイントです。

窓辺に並ぶのは、オーナーが営む茨城県猿島郡〈プラウディスティラリー〉という蒸留所のクラフトジン。土を砕いて、種をまき、手作業で育てたハーブを使い、自然からのインスピレーションからジンやラム、アブサンを造る蒸留所です。ハーブジンやカモミールジンなど、茨城の自然の風景を感じるお酒になっています。

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
国産スピリッツ「PLOW」のスピリッツも。

パンと同様にお酒も体に優しいものをというオーナーの想いから、ワインはナチュラルが中心です。例えば、保存料(酸化防止剤)の代替として、南アフリカの植物ルイボス由来のタンニンを使用したワイン「AUDACIA」など、ナチュール発想でかつ食に合うものがセレクトされています。

赤ワインにはぜひ、ほどよい甘みのピーナッツバターと苺のデザートサンドを。塩味と甘みある味わいがワインのつまみに絶妙なバランスです。

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
ひとり飲みにうれしい、店内の小さなカウンター席でいただきます!

サーモン・クリームチーズのサンドウィッチも、天然酵母によるフォッカッチャの酸味と水分を多く含んだ食感が新感覚。ハード系だけでない、サワードゥの奥行きを感じさせてくれました。

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
ピーナッツバターと苺のサンドウィッチ700円、サーモン・クリームチーズのサンドウィッチ800円、缶ワイン(AUDACIA)1,100円。

パンはテイクアウトして、羽根木公園で食べる方も多いそう。羽根木公園の目の前にある〈フグレン〉でコーヒーを調達すれば、梅ヶ丘の街の空気がより身近に感じられるのではないでしょうか。

梅ヶ丘の穏やかな空気を纏ったサワードゥは、食べる人の心と体をそっとやさしく満たしてくれるはずです。

梅ヶ丘のサワードゥの専門店〈BAKE STORE〉
〈BAKE STORE〉
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場所:東京都世田谷区梅丘1-15-10
営業時間:11:00〜16:00
定休日:水曜日
TEL:03-6413-9799
公式インスタグラム:@bakestore_hanegi

〈BAKE STORE〉の様子をまとめた動画も是非ご覧ください。

text_Mariko Kojima photo_Miyu Yasuda

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