目の前で仕上げる練り切りをお茶とのペアリングで。六本木〈九九九〉で和菓子のコース体験

目の前で仕上げる練り切りをお茶とのペアリングで。六本木〈九九九〉で和菓子のコース体験
目の前で仕上げる練り切りをお茶とのペアリングで。六本木〈九九九〉で和菓子のコース体験
FOOD 2025.02.20
凛とした空気に包まれるカウンターのみの空間。職人が目の前で仕上げる和菓子とお茶を味わい、日本の伝統美に触れる新感覚の〝茶の湯〞体験を。
photo_Norio Kidera text_Keiko Kodera

六本木〈九九九〉で和菓子と日本茶の文化をコース仕立てで楽しむ

甘いもの好きや茶道を嗜(たしな)む人でなければ、和菓子はあまりなじみがないかもしれないが、海外での日本茶人気が高まるにつれて、和菓子の注目度も急上昇中。繊細で精緻な技法、四季の移ろいを表現した美的感覚がつまったつくりたての和菓子とお茶のペアリングをコースで楽しめると話題なのが〈九九九〉だ。

六本木〈九九九〉のお茶
最初の一杯は〈九九九〉の玉露から。千利休が好んだ釜師・辻与次郎作の茶釜も。

清々しく、なごやかな空気が通う空間は、茶室の要素を取り入れながら屋外で催される〝野点(のだて)〞という茶会の場をイメージ。

六本木〈九九九〉の練り切り
練り切りと宇治抹茶。早春の季語である「梅にうぐいす」に着想を得た練り切りのかわいらしさに目が惹きつけられる。季節によって、さまざまな練り切りが登場。

季節や歳時に合わせた和菓子は、高校在学中からこの道を志した藤田凱斗(かいと)さんがゲストの前で仕上げる。ひとつの餡玉があっという間に鳥をかたどった愛らしい練り切りに。無駄のない所作にも思わず見惚れるが、できたての和菓子をそっと口に運べば、やさしい甘さやなめらかな口当たりに心がほぐれる。つくりたてならではの温度やテクスチャーを大切にしたいと、和菓子店の練り切りに一般的に使われるつくね芋は使わず、三重県から取り寄せる伊勢いもで水分量を多めに残し、しっとりと仕上げている。

六本木〈九九九〉のアイス
「氷炉」。炭のパウダーを練りこんだアイスには、太白胡麻油を合わせた土佐備長炭の“炭油”をかけて。

炭の薫香が鼻孔をくすぐるアイスにはミントをブレンドした煎茶を合わせるなど、お茶のペアリングにも独自性が。目と舌で、日本の伝統文化を愛でるひとときに浸りたい。

information
九九九(くくく)

住所:東京都港区六本木7-5-11 カサグランデミワ2F
TEL:03-6447-0333
営業時間:15:00~、18:00~の2部制(21:00~はバータイム)
定休日:日月休(土はアラカルトのみ)
席数:8席

和菓子8品とお茶9種が含まれるコースは19,800円(サービス料別)。21時からはアラカルトの提供も。

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