2025年のトレンドスイーツ「ミルクレープ」で押さえておくべき名店3選
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ミルクレープとは
1980年頃、フランス菓子のミルフィーユを参考に日本で誕生したとされている。丸く焼いたクレープ生地にクリームを塗り、何層にも重ねて作るのが一般的。
2025年ミルクレープブームの理由
空前のクレープブームを背景に、ミルクレープにも注目が集まる。パティシエクレープ専門店〈EQUALLY〉をはじめ、パティシエの技を注ぎ込んだ絶品ミルクレープがその魅力を再認識させている。
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ミルクレープは日本生まれ。その名はフランス語で「千枚のクレープ」の意で、黄金色のクレープ生地とクリームが、時々フルーツも挟みながら多層に重ねられている。日本ではおなじみのスイーツだが、その位置付けに変化の兆し。クレープ専門店のスペシャリティとして、デザートコースのシグネチャーディッシュとして。気鋭の日本人パティシエたちが、ミルクレープを上質なスイーツに昇華させ、存在感が一気に増している。シンプルな構成ゆえに、作り手の哲学と丁寧で確かな技術が断面にも味わいにもダイレクトに映し出されるのも面白い。日本人の嗜好にマッチした優しい甘さも今の時代の気分か。2025年のスイーツを語るに外せない存在だ。
1. 〈EQUALLY〉/豪徳寺
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層の中にも変化を。クレープシェフ渾身の作。
かねてよりミルクレープ「ブラン」の構想を練っていて、2024年5月の実店舗オープン後しばらく試作を重ねていたという。「味わいの変化をより感じられるミルクレープを作りたかったんです」とシェフパティシエの友納滉一(とものう こういち)さん。その作り方は特徴的で、焦がしバターケイクを土台に、少し厚めに焼き上げたクレープ生地を折り重ねていく。間にはフロマージュブランクリーム、ディプロマットクリーム(生クリーム&カスタード)、ホワイトチョコレート、岩城島(いわぎじま)レモンで作ったコンフィチュールを重ねて。クリームの優しい甘さの中にある爽やかな酸味は心地よく、折り重ねてできた非単調な層が、口溶けに動きを生み出している。おすすめはスプーンで。それほどに滑らかで柔らかい旨みのグラデーションを楽しんで。
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住所:東京都世田谷区豪徳寺1-46-15 豪徳寺レーベル2F
TEL:なし
営業時間:8:30~18:00
定休日:火休
席数:30席
「ブラン」は2025年からイートインでも提供開始。1,100円。取り寄せはHP(equally-creperie.com)から。ホール6,804円。
2. 〈TOUMIN〉/西麻布
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初心に戻り、再構築した特別な一皿。
西麻布のモダンフレンチレストラン〈TOUMIN〉。シェフパティシエの野澤倭歌菜(わかな)さんが2024年春にスタートさせたデザートコースのシグネチャーディッシュがミルクレープだ。「ミルクレープは、パティシエが日々向き合う材料と製法の原点」と野澤さん。その言葉通りに一皿にはストーリーがある。例えば、パティシエの基礎となるカスタード炊きの工程。それを表現するカスタードをミルクレープの左側にたっぷりと仕込ませた。左から右へ食べ進めると、生産者との繋がりを感じる旬の果物と出合い、ソースで味の変化を楽しむ。「ほかにも生地の焼き色の見極め、クリームの立て方など欠かせないパーツばかり。引き続きミルクレープの可能性を追求していきます」
住所:東京都港区西麻布2-24-14 バルビゾン73 2F
TEL:03-6451-1718
定休日:日月休
ドリンクペアリング付きデザートコース11,000円~。月2日間開催。@toumin_restaurantにて告知。Web予約。11:00~、13:30~の一斉スタート。各回定員8名。
3. 〈galetteria BLUE RIBBON TOKYO〉/池ノ上
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生地とクリームの黄金比率。三位一体の味わいに。
2023年9月にリニューアルオープンしたガレットとクレープの専門店。シーズナルアイテムのミルクレープは、キュンとする可愛らしい見た目もさることながら、生地とクリームの層のバランスがなんともユニーク。丸く焼いたクレープ生地に薄くクリームを塗り、間にスライスした果物を挟みながら12層に重ねていく。2月から登場予定の新作「苺とチョコレートのミルクレープ」(写真)は、そこをあえて8層に。代わりにカカオ65%のチョコレートを合わせたクリームの層を厚めにイン。クリームには砂糖を使わずビターに仕上げ、上から練乳入り生クリームをかけてバランスを調整。生地とクリーム、果物の三位一体感を楽しんで。
住所:東京都世田谷区池尻4-37-8
TEL:03-6450-9393
営業時間:11:00~19:00LO
定休日:不定休
席数:34席
グルメなガレットからデザートクレープまでメニュー豊富。「苺とチョコレートのミルクレープ」1,580円。